「こいこと。」アダルトチーム、箱根へ──恋と人生を語る大人旅

とある週末、「こいこと。」のアダルトチームが一泊旅行を企画した。
行き先は箱根。温泉と自然、そしてちょっとした大人の会話を楽しみに──。

参加メンバーは、ケンジ・マリ・ユウト・ナナの4人。
恋や仕事、人生観も少しずつ違うけれど、どこか似た空気をまとった大人たち。

いつもは画面の中で語り合っている彼らが、実際に旅先で交わすリアルな言葉たち。
ゆるくて、深くて、どこかあたたかい──そんな箱根のひとときを、のぞいてみませんか?

目次

【旅のはじまり】──大人チーム、箱根へ向かう車内

「こいこと。アダルトチーム、出発します」

助手席のナナが小さくガッツポーズをしながらそう言った。

ケンジがハンドルを握り、マリとユウトが後部座席に座っている。箱根までは、都内から車で約2時間。

気負わず、静かすぎず、いい大人たちの旅がはじまった。

「ミカコ来れなかったの、残念だったな」

マリがぼそりとつぶやくと、ユウトも頷いた。

「はい。でも、“おみやげ話だけはちゃんと持って帰って”って、言ってました」

「おみやげ話、ねぇ。じゃあ…ナナ、今日の旅のテーマ発表して」

後ろを見ないまま、ケンジが声をかける。

ナナは笑いながら、スマホをいじっていた手を止めた。

「テーマ?そうだなあ──“何歳になっても、恋はできるか”。どう?」

マリがふっと目を細める。「深いわね」

「なにげに刺さるな、そのテーマ」とユウト。

ケンジは軽く笑って、「まあ、俺は一生恋愛現役だけどな」と冗談めかして言った。

「その発言、Xに書いたら炎上しますよ?」とユウトが返すと、

車内に小さな笑いが起こる。

そうして、笑いながら、それでも少しだけ背筋を伸ばして──

こいこと。大人チーム、旅のはじまりです。

箱根湯本に到着──観光と軽食、そして温泉街をそぞろ歩き

箱根湯本駅に到着してすぐ、4人はまず有名な和菓子店に立ち寄った。

「この“湯もち”って、お土産ランキング上位なんだって」
ナナが小声で説明しながら手に取る。マリも横から覗き込んで、
「柔らかそう……これ、ミカコにいいかもね」

「俺はあんこより温泉まんじゅう派だな」
ケンジがそう言うと、ユウトが「じゃあ2種類買って、宿で食べ比べましょう」と提案した。

その後も、温泉街を歩きながら、湯気の立ちのぼる饅頭屋、漬物の試食、足湯カフェなど、
あちこちに目移りしながら観光を楽しむ。

「観光地って、なんでも美味しそうに見えちゃうよね」
ナナがソフトクリームを片手に言うと、
マリが「旅先マジックね。あと、誰と来るかも大事」と返す。

「それ、めっちゃわかります」
ユウトが頷く。「同じ場所でも、誰と来たかで、思い出の温度が変わるっていうか」

その言葉に、ケンジがちらりと振り向く。
「…それ、昔の彼女に言ったことある。ウケたよ」
「本当に言ったんですか!?」と3人からツッコミが入って、また笑いが起きた。

観光地の魅力はもちろんだけど、
こうして一緒に歩いてるこの時間こそが、旅の醍醐味なのかもしれない。

宿にて乾杯──湯あがりの夜、恋と人生のはなしを少しだけ

宿に着いて一息ついたあと、各自お風呂へ。
箱根の湯はやわらかくて、肩まで浸かるとじんわり疲れが抜けていく。

湯あがりの火照りを冷ましながら、4人は部屋に集まり、缶ビールとおつまみを囲んで乾杯した。

「こうして大人だけで泊まるの、こいこと。では初だね」
マリがグラスを持ち上げると、ナナも「確かに。新鮮かも」と応じる。

「若手組は夜更かしとかワチャワチャしそうだもんな。落ち着いて飲めるって最高」
ケンジがつぶやくと、ユウトが微笑んだ。

「でも僕、こういう時間、ちょっと憧れてたんです。
年上の先輩たちと、まったりお酒飲みながら話すの」

「じゃあ、恋バナでもしますか」
ナナがさっそく切り込む。「最近、何か進展あった? ユウトくん」

「あ、僕ですか? うーん……結婚してからは、進展っていうより日常のなかの“続け方”を意識してます」

「うん、それすごくわかる」とマリが頷く。「恋って燃え上がるより、じんわり続けるのが難しいのよね」

「俺はさ、何度恋しても、結局“この人”って感覚を超えられない時がある」
ケンジが天井を見上げながら言った。

「理屈じゃないんだよな」

「それでも、また誰かを好きになろうって思えるのがすごいよ」
ナナがしみじみ言う。

「……恋愛って、答えがないから面白いのかも」
ユウトのそのひと言に、全員が静かに頷いた。

夜は深まり、会話はゆっくりと、でも途切れることなく続いていった。

朝の会話──早朝のコーヒーと、それぞれの今

翌朝。まだ7時前だというのに、ロビー横の小さなテラスにはコーヒーの香りが漂っていた。

「おはよう、早いね」
マリが椅子に座っているユウトに声をかける。

「おはようございます。昨日、寝るのが早かったから……朝って、いいですね」

「うん。静かで、自分の気持ちが整理される」
マリが持っていたマグカップをユウトに差し出す。「これ、ミルク多め。好きでしょ?」

「ありがとうございます」
自然なやりとりに、2人の信頼が感じられた。

そこにナナとケンジが現れる。「もう起きてるとか、大人の朝活かよ」
「なんだ、起きたらもう誰かいるって嬉しいな」

4人はコーヒーを囲んで座り、朝の静けさを共有した。

「昨日、楽しかったな」
ナナがぽつりと言う。「ああいう時間、ずっと持ててなかったから」

「僕もです。こういう距離感の大人たちって、なんか安心する」
ユウトが小さく笑った。

「若い子たちには、まだこの空気は早いかな」
ケンジが言うと、「でも、きっと彼らなりに感じてるはず」とマリ。

「うちらも昔は、バカやってたよね」
ナナが笑うと、ケンジが苦笑しながら頷いた。

「今は、それぞれがちょっとだけ、穏やかになっただけさ」

箱根の空気は澄んでいて、今日もきっと、良い一日になる。

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