失恋の痛みって、人それぞれ。でも乗り越え方には、意外と“共通点”があるのかも?
今回は、失恋経験を持つ4人──ミカコ・ナナ・ケンジ・ソウタが集まり、「恋人と別れたあと、どうやって立ち直ったか」をテーマに本音で語り合いました。
別れた直後って、正直どうだった?
ナナ:あたしは…ズタボロだったね。自分で「別れよう」って言ったくせに、泣き崩れてた。
ケンジ:おうおう、ナナにもそんな頃が?
ナナ:あるに決まってんじゃん。強がってたけど、家帰った瞬間ごはんも喉通らなくて。「この人ともう一生喋んないんだ…」って現実に襲われて、ドッと虚しさきた。
ミカコ:わたしは、別れた瞬間より、数日後にくるタイプ。なんか一通のLINEとか、スーパーで見かけた好きだったお菓子とか…日常に思い出が潜んでて、ふいに刺さる。
ソウタ:おれも似てるかも…。最初は「ふぅん…そっかぁ」って受け入れてたけど、夜ひとりになると「さみしい…」ってなる。
ケンジ:なるほど。おれは逆に、別れた当日はテンション高いのよ。自由だー!みたいな。でも、夜にひとり酒しながら泣く(笑)
立ち直るきっかけって、何だった?
ナナ:あたしはね、「自分を取り戻すこと」だったかな。しばらく誰かの彼女として生きてたから、自分の時間とか趣味とか、どっかに置いてきちゃっててさ。ある日、ひさびさに昔の友達と朝まで飲んで爆笑したんだよね。そのとき「あ、わたし、戻ってきたな」って思えた。
ケンジ:あぁ、わかるな。それ。おれの場合はな、毎回“何か新しいこと”始めるのよ。前の彼女と別れたときはガーデニング、その前は登山、その前はパン作り(笑)。
なんでもいいけど、「これは俺だけの時間」って思える趣味があると、思い出が少しずつ薄まってくる。
ミカコ:わたしはめちゃくちゃ仕事に走ったなぁ。もう、完全に現実逃避。恋愛で傷ついたからって、人生まるごと落ち込むのはイヤだった。むしろ「ここで潰れたら悔しい」って、変な意地で仕事詰め込んでた。
ナナ:ストイックだねぇ。でもその集中力、いいよ。どん底のときって、ちょっとでも“手ごたえのあること”に触れると救われるよね。
ソウタ:おれは……人とのつながり、だったかな。友達が毎日LINEくれたり、「何も考えずに来い」って誘ってくれて、夜の公園でただしゃべったり黙ったり。言葉じゃなくて「そばにいてくれる」ってだけで、安心してた。
ケンジ:それもデカいなぁ。立ち直るには“孤独じゃない”って実感、大事だ。
ミカコ:ほんとに。人って結局、自分の足で立たなきゃいけないけど、最初の一歩目って、誰かの存在が背中押してくれるんだよね。
ナナ:あたしはね、失恋のたびに「この恋で失ったもの」と「得たもの」をリストアップするの。くだらないかもしれないけど、書き出すと自分の気持ちが整理できて、「あたし、ちゃんと生きてるじゃん」ってなる。
ソウタ:へぇ…ナナさん、それすごい。おれも今度書いてみようかな。ぜんぶ感覚で動いてたけど、ちゃんと考えるのって大事かも。
ケンジ:お、ソウタ成長しとるやん(笑)。
「もう恋なんてしない」って思った?
ソウタ:思った……めっちゃ思った……。別れてすぐは「もう無理だ」って感じだったな。もう誰も好きになれないって。
ナナ:あるある。失恋直後って、世界中が敵に見えるし、自分だけが置いてけぼりって思っちゃうよね。
ミカコ:わたしも思った。でも、どこかで「別に恋愛が人生のすべてじゃない」って切り替えができたんだよね。仕事もあるし、友達もいるし、自分一人でちゃんと立ってる時間があったから。
ケンジ:俺もね、毎回そう思うんだよ。「もう恋なんてこりごりだな」って。でも不思議と、また誰かに惹かれてる。自分でもびっくりするくらい、自然に。
ナナ:そうなんだよね、人間って意外と忘れるし、また誰かに恋しちゃう。むしろ「もう恋はしない」って言ってるときほど、次の恋は近い(笑)
ソウタ:うん……また誰かに会って、「あ、この人いいな」って思った瞬間があって、あのときの自分に「大丈夫だよ」って言いたくなった。
ミカコ:結局、“もう恋なんて”っていうのは、一時的な防衛反応だと思う。心がまだ傷をかばってるだけで、治れば自然とまた誰かに目がいくんだよね。
ケンジ:それに、失恋したからって、恋そのものが悪いわけじゃないからさ。むしろ次はもっといい恋ができるように、自分も成長していけばいい。
今、振り返って思う「立ち直りのヒント」って?
ミカコ:無理に忘れようとしないこと、かな。記憶って簡単には消せないし、忘れようとすればするほど、逆に意識しちゃう。だからわたしは、「思い出してもいい」って自分に許してた。
ナナ:それ、めっちゃ大事。あたしも「ちゃんと悲しむ」って意識してた。泣きたいなら泣いていいし、誰かに話してもいい。感情を押し殺すと、あとからもっとしんどくなるんだよね。
ケンジ:俺も同じだな。男って特に「泣くな」とか「立ち直れ」とか言われがちだけど、そういうの無視していい。感情って溜めると腐る。俺はあえて泣ける映画とか観て、感情ぜんぶ出してたよ。
ソウタ:感情って、どこに行けばいいか分からないときあるから…。おれは「なんでその人のこと好きだったか」を思い出してた。「声が好きだった」「笑い方が可愛かった」とか。
ミカコ:それ、すごくいい方法。冷静に整理すると、自分がどういう人を好きになるのかが見えてくるし、次の恋にもつながる気がする。
ナナ:うん。「なんで好きだったのか」を見つめるって、自分自身を知ることにもなるんだよね。失恋って、実はめちゃくちゃ自己理解のチャンス。
ケンジ:結局さ、「どう立ち直るか」っていうより、「自分をどう扱うか」なんだと思う。痛んだ自分にちゃんと手をかけて、少しずつ前に進めばいい。それが癒すってことだろ。
ソウタ:前に進むって、走ることじゃなくて、ちゃんと立ち止まって「いま」を見つめることなのかもしれないね。
最後にひと言、「失恋中の人へ」
ナナ:今、世界が終わったみたいに感じてる人へ。わたしもそうだった。だけど、時間ってちゃんと効くよ。無理に笑わなくていいし、前を向かなくてもいい。まずは、自分をぎゅーって抱きしめてあげて。
ミカコ:自分の感情を否定しないでいい。傷ついたなら、その痛みはちゃんと意味があるから。ただ、ずっとそこにとどまる必要はない。小さな「楽しい」や「好き」を拾い集めて、自分の今を少しずつ明るくしていけたらいいなって思う。
ケンジ:恋が終わったって、人生が終わるわけじゃない。むしろその経験が、次の恋をもっと良いものにしてくれる。焦らず、背伸びせず、今の自分を大事に。あとは、ちゃんと食べて寝ること。心も体も、栄養がいるんだ。
ソウタ:心がぐちゃぐちゃでも、大丈夫。おれもそうだったし、いまだって完璧じゃない。でも、また誰かを好きになる日がちゃんと来る。だから、今は泣いてもいいし、休んでもいいんだよ。
失恋の立ち直り方に“正解”はありません。
でも、誰かの乗り越え方が、あなたの明日を少しでも明るく照らすことがあるかもしれません。
心がつらいときは、無理に前を向かなくてもいい。ただ、自分だけは、自分の味方でいてあげてくださいね。