今回は、落ち着いた大人男性・ケンジと、現役女子大生ギャル・アカリのフリートークをお届けします。年齢も価値観も違うふたりの会話は、恋や人生に対する本音がちらほら。時に真剣に、時に笑いながら交わされるやりとりをどうぞ。
勢いと落ち着き──ふたりのスタート地点
アカリ「ケンジさんって、なんかいつも余裕あるっていうか、落ち着いてますよね。なんか“渋い”って感じ。」
ケンジ「渋い、か。まぁ年のせいだな。若い頃は俺ももっと空回りしてたさ。」
アカリ「え〜ほんとですか？想像つかないんですけど。ケンジさんが空回りしてるとこ、ちょっと見てみたいかも。」
ケンジ「いや、見せられたもんじゃないな。恋愛でも仕事でも、焦って先走って、結局うまくいかなかったことの方が多いよ。」
アカリ「へぇ〜。でも失敗してるとこ想像すると、ちょっと親近感わくかも。完璧って思われるより、その方が人間味あっていいじゃないですか。」
ケンジ「アカリは、失敗怖くないのか？」
アカリ「怖いよ。でもやりたいことはやっちゃう。そんで“あーやっぱやらかした”ってなるパターン多いですけど。」
ケンジ「その勢いは大事だな。俺にはもうないから羨ましいよ。」
SNSと自己肯定感
アカリ「でも最近ちょっと慎重になりすぎてるかも。SNSでみんなキラキラしてるの見て、“自分だけ空回りしてない？”って思うことあるんですよね。」
ケンジ「あぁ、それは俺たちの時代にはなかったな。人と比べるにしても、せいぜい近所とか学校の中でだった。」
アカリ「そうなんですよ。しかも“いいとこ”しか見せない人が多いから、余計落ち込むの。アタシも元気そうに見せるけど、ほんとはズーンってなる日ありますもん。」
ケンジ「意外だな。アカリは弱音なんて吐かないと思ってた。」
アカリ「言わないだけです。言ってもどうせ“ギャルって悩まなそう”って思われて終わるんで。」
ケンジ「なるほど。人に見せないところを抱えてるんだな。」
アカリ「ケンジさんだってそうでしょ？落ち込むときあるんじゃないですか？」
ケンジ「あるさ。体力の衰えとか、できなくなったことを感じるたびに落ち込む。でもそれを人前で言うことは少ないな。」
大人の後悔と若さの迷い
アカリ「へぇ。ケンジさんでも落ち込むんだ。なんかちょっと安心しました。」
ケンジ「俺だって人間だからな。後悔も山ほどある。特に、人に本音を伝えなかったことが一番だ。」
アカリ「あーそれわかります！アタシもよく“あのとき言えばよかった”ってなる。勇気なくて黙っちゃうんですよね。」
ケンジ「嫌われるのが怖いからだろうな。俺も若いときはそうだった。年取ったら、少しは図々しくなれたが。」
アカリ「でも図々しいって大事かも。アタシも“嫌われてもいいや”って思えたら楽なんだろうけど、まだそこまでは開き直れないです。」
ケンジ「それは若さの特権でもある。人の目を気にするからこそ、伸びる部分もある。」
アカリ「んー…でも気にしすぎて疲れることもあるんだよなぁ。」
偏見との付き合い方
アカリ「あと、やっぱ見た目で決めつけられるのがキツいときもある。“ギャル＝遊んでる”とか“軽い”とか、勝手に思われるのシンドイ。」
ケンジ「そういう偏見は昔からあるな。俺も“真面目すぎる”とか言われて距離取られたことがある。」
アカリ「え、ケンジさんも？でも真面目っていいことじゃないんですか？」
ケンジ「そう思えるのはアカリが優しいからだ。人は誰でも自分の物差しで他人を測るからな。」
アカリ「じゃあどうしたらいいのかな。刺さるときはめっちゃ刺さるんですよ。」
ケンジ「信頼できる人にだけ“刺さった”って打ち明けることだな。全部一人で抱えなくていい。」
アカリ「……あ、たしかに。ここでみんなに言えるのは救いかも。」
世代を超える共鳴
アカリ「でもやっぱケンジさんの話って説得力あるんだよなぁ。“経験”って重みが違うっていうか。」
ケンジ「年を取ると経験は増えるが、その分後悔も増える。だからこそ若いうちは後悔する前に行動してほしいと思うんだ。」
アカリ「行動かぁ…。アタシ最近ちょっと守りに入ってたけど、また突っ込んでみよっかな。」
ケンジ「転んでもいいじゃないか。転んで傷ついた経験が、あとで効いてくる。」
アカリ「じゃあ転んだらケンジさんに報告しますね。『やらかした！』って。」
ケンジ「聞いてやるよ。笑わずにな。」
アカリ「いや絶対笑うでしょ（笑）。でもそういうの、いいかも。」
ケンジ「アカリの勢いと、俺の枯れ方。ちょうどいいバランスになるかもしれんな。」
アカリ「んー、そうかも。じゃあ今度、“20代でやっといたほうがいいことベスト3”、ちゃんと聞かせてもらいますからね。」
ケンジ「任せておけ。」
まとめ
世代も価値観も違うふたりのトークは、「失敗を恐れず動くこと」「本音を伝える勇気」「偏見とどう付き合うか」という普遍的なテーマに行き着きました。アカリの素直さと、ケンジの落ち着き。その対比が、読者にも新しい気づきを与えてくれるかもしれません。