移ろいやすい恋心──些細なことで揺らいでしまうわたしの不思議

「いいな」と思った人に、ときめいたのは一瞬。
でもほんの小さな違和感で、気持ちはすぐに冷めてしまった──。
移ろいやすい恋心って、悪いことなのかな?

今回は、アカリが“些細なことで惹かれ、些細なことで冷める”自分の心を振り返ります。
文学風に、ちょっと切なく、でもどこか笑えるような恋のエッセイです。

目次

移ろいやすい心の不思議

出会いって、いつも突然で、しかも理由があいまいだったりする。
わたしが「いいな」って思う瞬間も、ほんの小さな仕草とか、何気ない言葉から始まる。

たとえば、放課後の教室で窓を開けたとき。
彼が自然にカーテンを押さえてくれたことがあった。
ただそれだけなのに、胸の奥がふっと温かくなって、妙に意識してしまった。

なんでだろう。
きっと彼自身じゃなくて、その瞬間の空気や、夕陽の光に包まれた仕草に惹かれたんだと思う。
でも、あのときのわたしは確かに「いいな」と思ってしまった。

恋心って、まるで春先の風みたいだ。
予告もなく吹いてきて、髪を乱して、すぐに去っていく。
自分の心なのに、どうしても制御できない。

惹かれたときの気持ち

人を「いいな」と思う気持ちは、本当に小さなきっかけから始まる。
笑い方が少しやわらかいとか、他の人には気づかれないような気配りをしてくれるとか。
それだけで、世界の見え方が少し変わってしまう。

そのときのわたしは、自分の心に素直でいられた。
「この人と話したい」「もっと知りたい」って、単純にそう思った。
恋って、そういう純粋さから始まるのかもしれない。

でも、不思議なのは──惹かれるときの自分って、まるで舞台の照明に当たった役者みたいに、急に息を飲んでしまうような感覚になること。
さっきまでただの通りすがりだった人が、いきなり特別な存在に見えてしまう。

自分の気持ちが、こんなにも急に動くなんて。
それを経験するたびに「人を好きになることの神秘」を思わず信じてしまう。

冷めた瞬間

けれど、その熱は長くは続かなかった。
理由は、驚くほどささいなことだったと思う。

彼が食事のときにくちゃくちゃと音を立てたとか。
ちょっとした愚痴を、人のせいにして笑っていたとか。
ほんの小さな違和感に触れた瞬間、心がすっと冷めてしまった。

「え、こんなことで?」って、自分でも思う。
でも、気持ちってそういうものだ。
熱が冷めるときは、まるで氷を落としたグラスの音みたいに、唐突で乾いた。

昨日まで“いいな”と思っていた人が、今日にはただの人に戻る。
それどころか、何もなかったことにしたくなるくらい、急に色を失ってしまう。

人を好きになるのは魔法みたいだけど、冷めるのも魔法みたいに一瞬。
その落差に、わたしはいつも少し戸惑う。

不思議な自分

気持ちがこんなに急展開する自分って、正直ちょっと不思議だ。
昨日はあんなに胸を高鳴らせていたのに、今日はもう何も感じない。
まるで違う人間に入れ替わったみたいだ。

恋に落ちるときのわたしは、空に風船を放した子どもみたいに、ただ夢中で見上げている。
でも、冷めるときのわたしは、風船がしぼんで地面に落ちたのをただ見下ろしているだけ。
その切り替えがあまりにも速すぎて、自分で自分を笑ってしまうこともある。

「移り気」って言葉があるけど、わたしの気持ちはそれ以上にジェットコースター的だ。
ゆっくり上がっていくときのドキドキもあれば、思いがけない角度で落ちていくときの空虚さもある。
そのどちらもわたしで、どちらも本当なんだと思う。

矛盾してるようで、でも、そうやって揺れる心が、たぶん“わたしらしさ”なんだろう。
だからこそ、この気持ちを嫌いにはなれない。

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移り気もわたしの一部

「すぐ冷めちゃうのは悪いことなのかな」って、ふと考えることがある。
でも、わたしはもう、そうやって揺れる自分を否定するのはやめた。
だって、その移ろいやすさの中でしか見えない景色もあるから。

一瞬のときめきがあったから、胸がきゅっと鳴った。
そのあと冷めてしまったとしても、その記憶は確かにわたしを少し大人にした。
恋の長さや深さじゃなくて、心が動いた事実そのものに意味があるんだと思う。

だから、次にまた誰かを「いいな」と思う日が来ても、きっと同じように揺れるだろう。
すぐ冷めてしまうかもしれないし、逆に長く続くかもしれない。
その答えはまだわからない。

でも、移り気もぜんぶひっくるめて“わたし”なんだ。
そう信じられたら、少しだけ前に進める気がする。

今日の空はやけに澄んで見える。
心の中の風船は、また新しい風を待ってるのかもしれない。

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