「こいこと。」編集部の午後。
ドアが開いて、元編集部員のカオリが顔を出した。
カオリ:「ひさしぶり! 突然だけど、ちょっと聞いて…この前さ、
私のこと好きだと思ってた彼、ぜんぜん違ったの。
“思わせぶりな男”って、ほんといるよね?」
ミユ:「えぇ〜それはつらい! でもわかる…優しいのに決定打がない人!」
ナナ:「よし、今日はそれ話そ。思わせぶりな男の特徴、徹底的に!」
リク:「男性心理の視点からも整理します。」
ソウタ:「…耳が痛いかも(小声)。」
「思わせぶりな男」って、どんな人?
ミユ「優しいのに、告白してこない」
ミユ:「困った時に駆けつけてくれるし、話も聞いてくれる。
でも『付き合おう』は言わない。
LINEはマメ、会えば笑顔、帰り際に『またね』。
…それ、期待するに決まってるじゃん!」
ナナ「距離は近いのに、核心は避ける」
ナナ:「“ごはん行こ”“今度映画ね”みたいに誘うのに、
予定が近づくとフワッとする。
恋バナはするけど、具体的な未来や独占ワードは出さない。
これはもう『好意の演出は得意、責任は苦手』タイプ。」
リク「好意の“返報性”を使ってしまう人」
リク:「心理的に、人は好意をくれた相手に好意を返したくなる。
思わせぶりな男性は、笑顔・共感・褒めを多用して、
相手の期待値を上げる。
でも“関係を定義する言葉”は出さない。
これは自分の選択肢を残したいサインです。」
ソウタ「悪気なし“天然思わせぶり”もある」
ソウタ:「正直、おれみたいに“人に優しくしがち”で、
それが相手の期待につながるって気づけてないこともある…。
楽しくて一緒にいるだけで、深い意味はないのに誤解させちゃう。
これも特徴のひとつだと思う。」
カオリ「決め台詞はあるのに、決断はない」
カオリ:「“一緒にいると落ち着く”“君って特別”みたいな言葉はくれるのに、
告白は来ない。
いま思えば、言葉は甘いけど、行動が追いついてなかったんだよね。」
ナナ「まとめ:言葉は甘く、行動はフラット」
ナナ:「これが“思わせぶりな男の特徴”の核心。
褒める・距離が近い・相談に乗る──ここまではする。
でも、約束を具体化しない/未来を語らない/関係を定義しない。
次のセクションでは、その行動パターンをさらに掘ってくよ。」
思わせぶり男子の行動パターン
ミユ:「“優しいフリ”が上手い!」
ミユ:「思わせぶりな男って、優しさのタイミングが絶妙じゃない?
こっちが落ち込んでる時に限ってLINEくるし、
疲れてるときに“無理すんなよ”とか言うんだよ!」
カオリ:「そうそう! で、こっちは『この人しかわかってくれない…』って思っちゃう。」
ナナ:「優しい言葉って、魔法みたいなんだよね。
でもそれが“相手を思いやってる”のか、“自分が好かれたいだけ”なのかが分かれ道。」
リク:「恋愛っぽい空気を作る」
リク:「たとえば“目を見て笑う”“わざと肩をぶつける”“意味深なLINEを送る”──
これらは恋愛心理で言う“擬似的な親密行動”です。
『自分が好かれてる』と思わせやすいけど、
実際は“好感を持たれたいだけ”というケースも多い。」
ナナ:「つまり、“恋の予告編”は流すけど、本編は始まらないってことね(笑)。」
ソウタ:「あ〜それ、わかる気がする。
なんか、つい楽しく話してるうちに“意味ありげ”な雰囲気になっちゃう時ある…。」
ミユ:「それが! 無自覚の思わせぶり男子! ソウタくん気をつけて(笑)」
ユーモアの中に“ジャブ”を入れる
カオリ:「あと、“冗談っぽく好きアピール”する人いない?
『もし彼女いなかったら付き合ってたかも〜』みたいなやつ。」
ナナ:「あれはズルい(笑)。
冗談に逃げ道を作ってるけど、ちゃんと期待を残す言い方。」
リク:「“もしも”の話をする男性は、心理的に安全圏から距離を探っているんです。
脈があれば進むし、反応が薄ければ“冗談だよ”で逃げられる。リスク管理が上手い。」
ミユ:「うわ、それ計算高い! でもハマる女子も多いよね〜。」
ソウタ:「急に距離を取る」
ソウタ:「逆に、“仲良くなったと思ったら急に冷たくなる”ってのもあるよね。
あれ、たぶん相手が自分に好意持ってるの気づいて、
ちょっと怖くなるんだと思う。」
カオリ:「わかる! “引いたら追ってくるかも”みたいな駆け引きじゃなく、
純粋に“自分の気持ちを試してる”パターンもあるんだね。」
ナナ:「でも、そういう“押して引いて”を繰り返す人は、
最初から“曖昧な関係を楽しんでる”可能性もあるから注意ね。」
ナナ:「まとめると──“行動に目的があるか”を見る」
ナナ:「思わせぶり男子の共通点は、“その行動に一貫性がない”こと。
誘う・褒める・笑うまでは上手い。
でも、その先──約束を守る/関係を進める/気持ちを示す──がない。
次のセクションでは、『なぜ彼らは思わせぶりになるのか』を探っていこう。」
なぜ“思わせぶり”になってしまうのか?
リク:「モテたい心理」と「嫌われたくない心理」
リク:「思わせぶりな行動って、実は2つの心理のせめぎ合いなんです。
1つは“モテたい”。もう1つは“嫌われたくない”。
この2つが混ざると、“好かれたいけど責任は取りたくない”という矛盾が生まれる。」
ナナ:「あ〜出た、“優しさの皮をかぶったズルさ”ね。」
ミユ:「“嫌われたくない”って気持ちはちょっと分かるけど、
それで誰かを期待させるのは罪深い〜!」
リク:「うん。特に“相手の好意を感じてる”のに、
ハッキリしない態度を取るのは、相手を“保険的にキープ”してる状態。
悪意がなくても、結果的に傷つけてしまう。」
ソウタ:「悪気ないけど、“優しい”の延長」
ソウタ:「おれはさ、“思わせぶり”って言われるとちょっと反省する。
話しかけやすいとか、ノリで褒めるとか、ただのフレンドリーなつもりなんだけど、
相手が本気になってたって後から知って、焦ったことあるんだ。」
ミユ:「それ、たぶん“天然タラシ”ってやつ(笑)。」
ソウタ:「うわぁ…否定できない(笑)。
でも、ほんとに悪気ない人も多いと思う。
“好きだから”じゃなく、“人として大事にしてる”つもりなんだよね。」
ナナ:「そういうタイプ、ほんと多い。
優しい=恋愛対象になるとは限らないって、女子も頭では分かってるけど、
心が勝手に動いちゃうんだよね。」
カオリ:「優しさと距離のバランスが下手な人」
カオリ:「思わせぶりな人って、たぶん“人との距離の取り方”が苦手なんだと思う。
相手がどこまで踏み込んでほしいか読めないまま、
“このくらいならOKかな”って感覚で接してるのかも。」
リク:「確かに。それに、“人に好かれてる自分”で安心してる人も多い。
恋愛というより、“承認欲求を満たすための優しさ”なんです。」
ナナ:「“人たらし”って、モテたいより“認められたい”が本音かもね。」
ミユ:「思わせぶり男の共通点、見えてきた!」
ミユ:「つまり──
① モテたいけど責任は持ちたくない
② 優しいと言われたい
③ 無意識で“好かれてる感”を楽しんでる
この3つのどれかに当てはまる人が多いってことね。」
ナナ:「その通り。次のセクションでは、
“思わせぶり男子”に振り回されないための見極め方を話していこう。」
思わせぶりな男に振り回されないために
ナナ:「“行動の一貫性”をチェック」
ナナ:「まずね、いちばん大事なのは“言葉より行動”を見ること。
口では優しいこと言うけど、約束を守らないとか、予定が曖昧な人は要注意。
本気の人って、“好き”って言葉よりも、“時間”と“誠実さ”で示すんだよね。」
カオリ:「たしかに。言葉は簡単だけど、行動はウソつけないもんね。」
ミユ:「“忙しい”って言いながら、SNSでは元気そうな人とかもいるし(笑)。」
ナナ:「そう。本気なら、どんなに忙しくても時間を作る。
“またね”が続く人より、“次いつ会える?”って聞いてくる人を信じた方がいい。」
リク:「距離の詰め方に“目的”があるか」
リク:「もうひとつの見極めポイントは、“距離の詰め方に目的があるか”。
たとえば、共通の趣味や価値観を深めようとしているなら前向きな好意。
でも、ただ雰囲気を楽しんでるだけなら、それは恋愛ではなく“自己満足”です。」
ミユ:「“仲良くなりたい”のと“とりあえず近づきたい”のは違うってことね。」
ナナ:「リクの言う通り。
恋愛の温度が違うと、期待する側が消耗するだけになっちゃう。」
ソウタ:「“優しさ”をテストしてみる」
ソウタ:「もし気になる人が“思わせぶりかも?”って思ったら、
ちょっとしたテストをしてみてもいいと思う。
たとえば、急なお願いとか、相談をしてみる。
その時に“ちゃんと向き合ってくれるか”で本音が見えるから。」
カオリ:「あー、それすごいわかる。
本気の人は、そういう時に逃げない。」
ミユ:「逆に“ごめん今無理”とか、“あとでね”が続く人は、
気持ちより自分のペース優先ってことか〜。」
ナナ:「“恋してる自分”に酔ってないかも大事」
ナナ:「思わせぶりな男に惹かれる時って、
実は“恋してる自分”が好きになってることも多い。
ドキドキする時間が刺激的で、そこにハマっちゃうんだよね。」
リク:「うん、それは心理的に“投影”と言います。
相手じゃなく、自分の理想を相手に映している状態。
だからこそ、一度冷静に“本当にこの人がいいのか”を見直すのが大切です。」
ミユ:「うわ、それ耳痛い(笑)。でも確かに、“恋してる私”が楽しいだけの時ある。」
カオリ:「私も、ちゃんと見極める側になりたい」
カオリ:「昔の私は、“優しい=好かれてる”って思いこんでた。
でも今は、“優しさの目的”を見るようにしてる。
相手が私をちゃんと見てるか、それとも“自分をよく見せたいだけ”か。
そこを見抜けるようになりたいなって。」
ナナ:「それが恋愛の成長ってやつだね。
次はもう、思わせぶり男に泣かされないようにしよ。」
ミユ:「よし、私も“行動重視”で恋する!(笑)」
ナナ:「じゃあ最後のまとめ、カオリにお願いしようか。」
まとめ──“勘違い”じゃなく、“学び”に変えていこう
カオリ:「思わせぶりな人に出会うと、
“なんであの時信じちゃったんだろう”って自分を責めちゃうけど、
今思えば、それも全部“恋を知るプロセス”だったのかも。」
ミユ:「うんうん。
“期待して傷ついた”ってことは、それだけ人を信じたってことだもんね。」
ナナ:「そう。
大事なのは、“また同じパターンにハマらないこと”。
『優しさ』や『マメさ』に飛びつく前に、ちゃんと“行動の一貫性”を見る。
それが、自分の恋を守る最初の一歩だと思う。」
リク:「“思わせぶり”って、結局は相手の問題だけじゃない。
こちらが“どう受け取るか”でも変わるんですよ。
だから、自分の中に“人を見極める基準”を持っておくと、
恋がもっと穏やかで健やかになると思います。」
ソウタ:「たぶん、誰だって“思わせぶりな人”になる瞬間ってあると思うんだよね。
だからこそ、相手を責めすぎずに、
“どうしたら自分も誠実でいられるか”を考えるのも大事だと思う。」
カオリ:「うん…私、今日話してちょっとスッキリした!
“思わせぶり男”に振り回された自分も、今なら笑える。
でも次は、“自分をちゃんと大事にしてくれる人”を選びたいな。」
ナナ:「それがいちばんのリベンジよ。
恋は“勝つこと”じゃなくて、“自分を幸せにすること”。」
ミユ:「うわ、名言きた(笑)!」
座談会まとめ💡
・思わせぶりな男は「優しさ」と「責任の欠如」が同居している。
・行動の一貫性を見ることで本気度を見抜ける。
・“恋してる自分”に酔わないことも大事。
・“思わせぶり”を経験した人ほど、恋愛が上手くなる。
・恋は人を変えるものじゃなく、自分を知るきっかけ。
ナナ:「“思わせぶりな恋”も、ちゃんと次に繋がる。
経験を“勘違い”で終わらせないことが、大人の恋の始まりなんだよ。」

