「彼氏に求める条件」って、 検索するとちょっと身構える言葉が並びがちだ。
年収、身長、学歴、性格、価値観……。
条件、条件、条件。
でも実際に恋愛の話をしていると、 そこまでカチッとした話をしている人は、意外と少ない。
ミユ「条件って言うとさ、なんか冷たい感じするよね」
ミサキ「わかる。“理想の彼氏リスト”作ってるみたいで」
ミカコ「でも、何も考えずに付き合うのも違うし」
ケンジ「昔は条件なんて言葉、あまり言わなかった気がするな」
ソウタ「え、そうなんですか?」
リク「今は“条件”って言葉で整理しないと、 自分でも分からなくなる人が多いのかもしれませんね」
今回は、そんな「彼氏に求める条件」について。
正解を決める座談会ではない。
女性が「そうそう」と思えて、 男性が「なるほど、そこか」と気づける。
そんな温度感で、 こいこと。メンバーがゆるく話してみることにした。
彼氏に「条件」を求めるって、悪いこと?
ミサキ「そもそもさ、“彼氏に求める条件”って言葉が悪者扱いされがちじゃない?」
ミユ「わかる。“条件で人を選ぶなんて”みたいな空気あるよね」
ミカコ「でも実際は、誰だって何かしら求めてるでしょ」
リクは少し考えてから、ゆっくり口を開いた。
リク「条件って、相手を値踏みするためというより、 自分が安心して付き合えるかどうかの基準だと思うんです」
ソウタ「安心……」
ケンジ「昔は“条件”なんて言葉を使わなかったけど、 今思うと、暗黙の条件は山ほどあったな」
ミサキ「連絡の頻度とか?」
ケンジ「そうそう。あと約束を守るかどうかとか」
ミユ「あ、それめっちゃ大事」
ミカコ「つまり条件って、 スペックの話だけじゃないってことよね」
ミサキ「年収とか身長とかより、 一緒にいて“雑に扱われないか”のほうが気になる」
ソウタ「雑に……扱われる?」
ミユ「返事がいつも適当とか、 予定を軽く扱われる感じ」
ソウタは、思わず背筋を伸ばした。
ソウタ「それ、条件っていうより態度ですね」
リク「でも、その“態度”を条件として言語化してる人が多い気がします」
ミカコ「だから“条件”って言葉が一人歩きするのよ」
ミサキ「本当は、“彼氏に求める条件”じゃなくて、 “こう扱われたい”の話なのにね」
ケンジ「なるほどなあ」
ケンジ「条件って聞くと怖いけど、 中身はわりと人間的な話だ」
ミユ「うん。全然ワガママじゃないと思う」
この時点で、 “条件=冷たい”という空気は、 少しだけ薄れていた。
女性がよく言う「彼氏に求める条件」の正体
「優しい人がいい」「安心できる人がいい」。
よく聞く条件だけれど、 その中身を掘っていくと、少し違う顔が見えてくる。
安心感って、結局なに?
ミユ「“安心できる人”ってさ、 別に何かしてくれる人って意味じゃないんだよね」
ミサキ「そう。“変な不安を作らない人”って感じ」
ソウタ「変な不安……?」
ミユ「急に連絡減るとか、 不機嫌の理由を教えてくれないとか」
ミカコ「“察して”を強要しない人、かな」
リク「なるほど……」
リク「男性側からすると、 何か特別なことをしなきゃって思いがちですけど」
リク「実は“普通の対応を安定して続ける”ことが、 一番の安心感なのかもしれませんね」
ミサキ「それそれ。 急に優しくなるより、ずっと普通でいてほしい」
会話ができる、ってどういうこと?
ミカコ「“会話が合う人”も、条件としてよく出てくるけど」
ミカコ「これもテンポとかノリの話じゃないと思う」
ソウタ「え、違うんですか?」
ミユ「話をちゃんと聞いてくれるか、かな」
ミサキ「否定しないで聞けるかどうか」
ケンジ「昔はな、 話を聞かない男ほど“俺は口下手だから”って言ってた」
ミサキ「便利な言い訳」
ミカコ「会話って、上手さより姿勢よね」
リク「分かろうとする姿勢があるかどうか、ですね」
条件に見えて、実は「日常」の話
ミユ「こうやって話すとさ」
ミユ「条件っていうより、 一緒にいる“日常”の話ばっかりだね」
ミサキ「派手な理想じゃなくて、 毎日の扱い方」
ソウタ「思ってた条件の話と、 だいぶ違いました」
ケンジ「若い頃に聞きたかったな」
ミカコ「でも今からでも遅くないでしょ」
ケンジ「……耳が痛い」
条件という言葉の裏には、 “こうしてほしい”ではなく “こう扱われたい”が隠れている。
それに気づけるかどうかで、 恋愛の景色はだいぶ変わるのかもしれない。
男性はここを意識すると、かなり強い
ミカコ「ここまで聞いてる男性読者に言いたいのは」
ミカコ「“全部満たそう”としなくていいってこと」
ソウタ「え、そうなんですか?」
ミサキ「むしろ全部やろうとすると、空回りする」
リク「大事なのは、 “減点されにくい行動”を安定して続けることだと思います」
ケンジ「若い頃はな、 一発逆転を狙いがちなんだよ」
ミユ「サプライズとか?」
ケンジ「そうそう」
ミサキ「で、普段は雑」
ケンジ「耳が痛い」
リク「例えばですけど」
リク「約束した時間を守るとか、 連絡の温度を急に変えないとか」
リク「それだけで信頼は積み上がります」
ソウタ「特別なことじゃないですね」
ミユ「うん。むしろ“普通”」
ミカコ「でも、その普通を続けられる人が少ない」
ミサキ「条件ってね、 “すごい彼氏”を求めてるんじゃなくて、“雑じゃない彼氏”を求めてるだけなのよ」
ソウタ「……刺さります」
ケンジ「刺さってるな」
ミカコ「あと一つ言うなら、“分からない”って言えるのは強い」
リク「それ、すごく大事ですね、分からないまま黙るより、 聞いてくれたほうがずっと安心します」
ミユ「うんうん、察してくれないより、 聞いてくれるほうがいい」
ソウタ「……聞く勇気、ですね」
ミサキ「そう。 答えを出す勇気じゃなくて、向き合う勇気」
ケンジ「今日はいいこと言う日か?」
ミサキ「たまにはね」
男性ができることは、 条件を満たすことじゃない。
“雑にしない”を続けること。
それだけで、 かなり前に進める。
結局、「彼氏に求める条件」って何だったんだろう
ここまで話してきて、 誰も「理想の彼氏像」をはっきりとは挙げていない。
年収も、肩書きも、 具体的なスペックの話はほとんど出なかった。
ミユ「なんかさ」
ミユ「条件って言葉を使ってたけど、 実際は“一緒にいて疲れないか”の話だったね」
ミサキ「うん。 自分を小さくしなくて済むかどうか」
ミカコ「我慢が前提になる関係は、 長くは続かないしね」
ソウタ「条件って、 相手に求めるものだと思ってましたけど」
ソウタ「自分がどう在りたいか、 の話でもあるんですね」
リク「そうですね、自分が無理をしないための基準、 と言ったほうが近いかもしれない」
ケンジ「若い頃はな、 “選ばれる側”だと思ってた」
ケンジ「でも本当は、 お互いが“選び合ってる”んだよな」
ミサキ「急にいいこと言うじゃない」
ケンジ「今日はそういう日だ」
条件を持つことは、 誰かをふるいにかけるためじゃない。
自分が安心して、 ちゃんと笑っていられる相手かどうか。
それを確かめるための、 目印みたいなものだ。
ミユ「だからさ」
ミユ「条件がある=高望み、 ってわけじゃないよね」
ミカコ「むしろ、自分を大事にしてる」
ソウタ「なんか、 条件って言葉の印象、変わりました」
リク「この記事を読んでいる男性にも、 女性にも」
リク「“全部満たそう”としなくていいし、 “全部分かろう”としなくてもいい」
リク「ただ、雑にしないこと」
それだけは、 男女どちらにも共通して言えそうだった。
彼氏に求める条件は、 完璧さじゃない。
日常を、 ちゃんと一緒に扱えるかどうか。
そんな当たり前の話に、 最後はみんな落ち着いた。

