「ねえ、ちょっと聞いていい?」
編集部の作業が一段落したタイミングで、ミユがぽつりと切り出した。
ミユ「彼女にしたい相手と、結婚したい相手って……やっぱり違うのかな?」
その瞬間、キーボードの音が止まり、空気が一拍遅れて静かになる。
ミサキ「いきなり重めのテーマぶっ込んでくるじゃない。 でも、みんな一度は考えたことあるやつね」
リクは少し考えるように視線を落とし、ケンジは苦笑しながら頷いた。
ケンジ「聞かれる側も、答える側も、正直に話すとちょっと覚悟いる話だな」
マリ「でも、こういう話こそ、ちゃんと“人の声”で整理したほうがいい気がするわ」
ミユ「ネットで調べるとさ、 “彼女止まり”“結婚相手は別”みたいな言葉ばっかり出てきて、 読めば読むほど不安になるんだよね」
ミサキ「分かる。 あれ、便利な言葉で人の気持ちを雑に切り分けすぎなのよ」
彼女にしたい相手。 結婚したい相手。
本当に、その二つははっきり分かれるものなのか。 もし違うとしたら、そこに優劣はあるのか。
今回はそんな疑問をきっかけに、 こいこと。編集部で座談会をすることにした。
誰かを評価するためでも、 誰かを安心させるためだけでもない。
ただ、「どうしてそう言われるのか」を、 できるだけ正直に言葉にしてみるために。
彼女にしたい相手と、結婚したい相手は本当に違う?
リク「結論から言うと、違う場合もあるし、同じ場合もあります。 ただ“違う”って言葉だけが一人歩きして、誤解を生みやすいテーマですね」
ミユ「違うって聞くとさ、 “じゃあ私は彼女止まり?”って一気に不安になるんだよね」
ミサキ「分かる。でもその不安、 “違う=格下”みたいな文脈で使われすぎてるせいもあると思う」
ケンジ「実際はそんな単純じゃないよ。 彼女にしたい相手と結婚したい相手って、 上下関係じゃなくて“見ている時間軸”が違うだけの場合も多い」
マリ「時間軸、いい言い方ね」
マリ「“今一緒にいたい人”と、 “この先も一緒にいるイメージが湧く人”って、 重なることもあれば、ズレることもある」
ミユ「じゃあ、ズレたら終わりってわけじゃない?」
リク「終わりではないですね。 むしろ、同じ人でも“彼女”から“結婚相手”に 認識が変わっていくケースのほうが多い」
ミサキ「それ、もっと大きな声で言ってほしいわ」
ミサキ「最初から“結婚相手枠”で見られないとダメ、 みたいな空気が一番人を苦しめるのよ」
ケンジ「恋愛って流動的だからな。 最初は軽い気持ちでも、 一緒に過ごすうちに“この人となら”って 気持ちが変わることも普通にある」
マリ「だから、“彼女にしたい”と“結婚したい”を 最初から分けて考えすぎなくていいのよね」
ミユ「そっか…… 違うかどうかより、 “どう変わっていくか”を見るほうが大事なのか」
リク「まさにそれです。 このテーマで一番避けたいのは、 “今の自分の立場=最終評価”だと思い込むことですね」
男性が「彼女にしたい」と思うときの心理
ミサキ「じゃあさ、まず“彼女にしたい”ってどんな感覚なのよ」
リク「分かりやすく言うと、 “一緒にいて楽しい”“気楽”“今の生活に自然に入ってくる” この3つが強いですね」
ミユ「安心感とは違うの?」
リク「近いけど少し違います。 安心感はもう一段深い。 彼女にしたい段階では、 ドキドキや楽しさの比重が大きいことが多い」
ケンジ「正直な話、 “重くならなさそう”って感覚もあるな」
ミユ「うっ……それ、ちょっと刺さる」
ミサキ「でも分かる。 それって女性側が“自分を出せてない”って意味じゃない?」
リク「そうとも限らないです。 男性側がまだ“深い責任”を想像するフェーズに 入っていないだけのことも多い」
マリ「つまり、“彼女にしたい”って、 未来を考えていないわけじゃなくて、 まだ“今”を見ている状態なのよね」
ケンジ「そうそう。 この人とデートしたい、話したい、 休日を一緒に過ごしたい。 まずはそこ」
ミユ「じゃあ、 彼女にしたいって思われるのは悪いことじゃない?」
ミサキ「むしろスタート地点よね」
リク「うん。 “彼女にしたい”と思われないと、 “結婚したい”にも辿り着かない」
マリ「ここ、すごく大事なところ」
マリ「“彼女止まり”って言葉があるせいで、 最初の段階を否定された気持ちになる人が多いけど、 本当は順番の話なのよ」
ミユ「順番か…… それ聞いて、ちょっと安心した」
「結婚したい相手」に変わる瞬間はどこにある?
ミユ「でもさ、 “彼女にしたい”から“結婚したい”に変わる瞬間って、 実際どこなんだろう?」
リク「多くの場合、 感情が盛り上がった瞬間じゃなくて、 “日常が想像できた瞬間”ですね」
ミサキ「急にロマン消えるじゃない」
リク「そう聞こえるけど、 実は一番ロマンがある瞬間でもある」
ケンジ「例えば、体調崩したときとか、 仕事で落ち込んでるときとか。 楽しくない場面で一緒にいられたかどうか」
マリ「わたしもそう思うわ。 “幸せなときに一緒にいたい人”から、 “大変なときも一緒にいる人”に変わる瞬間」
ミユ「楽しいだけじゃダメってこと?」
ミサキ「ダメじゃないけど、 楽しいだけだと“その先”を想像しにくいのよね」
リク「結婚を意識すると、 男性は無意識に“生活”を見始めます。 金銭感覚、価値観、感情の扱い方、 そして衝突したときの修復の仕方」
ケンジ「一回ケンカしたあと、 ちゃんと話せたかどうかとかも大きいな」
ミユ「え、ケンカってマイナスじゃないんだ」
マリ「むしろプラスになることも多いわよ。 “この人となら壊れても戻れる”って実感は、 結婚への安心感につながるから」
ミサキ「つまり、“いい彼女”でい続けるより、 ちゃんと人間でいるほうが近道ってことね」
リク「その通りです。 完璧な人より、 “一緒に調整できる人”が結婚相手になります」
ミユ「それ聞いて、 なんか肩の力抜けたかも」
彼女止まりになる理由=女性の価値、ではない
ミユ「ここまで聞いて、少し安心したんだけどさ…… それでもやっぱり怖いんだよね。 “彼女にしたい”は言われるのに、“結婚”の話が一切出ないとき」
ミサキ「分かる。 その空気って、じわじわ不安になるのよね。 “わたし、今どこにいる?”って」
リク「ただ、ここで一つだけ強く言いたいのは、 “結婚したいと思われない=あなたの価値が低い”ではない、ということです」
ケンジ「これはマジでそう。 結婚に踏み切れない理由って、相手の魅力より、 男側の状態やタイミングが原因のことが多い」
タイミングと、男性側の未成熟
ミユ「男性側の状態って、例えば?」
リク「仕事、経済面、自信、将来の見通し。 あとは“結婚そのもの”に対する準備ができていないケースですね。 相手が誰であっても、踏み切れない」
ミサキ「それを彼女に背負わせるの、ほんとやめてほしいわね」
ケンジ「背負わせたくないから言わない男もいるんだよ。 でも言わないから、彼女側は“自分が足りないのかな”ってなる」
マリ「そこが一番苦しいところよね。 相手の事情なのに、自分を責めてしまう」
「いい彼女」を演じすぎてしまうケース
ミユ「でもさ、女性側にも原因があることってあるの?」
リク「“原因”というより、関係性の形ですね。 例えば、相手に合わせすぎて“本音のない関係”になると、 生活のイメージが湧きにくい場合はあります」
ミサキ「分かる。 “嫌われない彼女”って、最初はうまくいくのに、 いつの間にか“何を考えてるか分からない人”になるのよ」
マリ「それは責める話じゃなくて、 恋愛の初期に起こりやすい自然なことでもあるわ」
マリ「でも結婚って“生活”だから、 本音や弱さが見えないと、相手も覚悟を決めづらいのよね」
ケンジ「ちゃんとぶつかるのって怖いけど、 “この人は逃げない”って分かると、 男は意識が変わることがある」
ミユ「じゃあ、“いい彼女でいなきゃ”って頑張りすぎると、 逆に遠回りになることもあるんだ」
リク「そうですね。 結婚相手として見られるのは、 “完璧な人”より“誠実に本音を出せる人”です」
女性はどう考えたら、少し楽になれる?
ミユ「話を聞いてるとさ、 “どう見られるか”ばっかり気にしてた気がする」
ミサキ「分かる。 彼女にしたい?結婚したい? そんなの相手の都合で変わるのにね」
リク「ここで大事なのは、 “選ばれるかどうか”を基準にしすぎないことだと思います」
ケンジ「恋愛が面接みたいになると、 一気にしんどくなるよな」
マリ「本来は、 “一緒に過ごしてどうだったか”を お互いが感じ合う時間のはずなのにね」
「どう見られているか」より「どう在りたいか」
リク「結婚相手に選ばれるために振る舞うより、 “自分はどんな関係を築きたいか”を 考えたほうが健全です」
ミユ「たしかに…… “結婚してもいい相手”じゃなくて、 “この人と続けたいか”だよね」
ミサキ「それにさ、 結婚したいと思われない相手と 無理に一緒にいても、 幸せかどうかは別問題よ」
マリ「そうなの。 結婚はゴールじゃなくて生活だから」
マリ「“この人となら、 うまくいかない日も受け止められる” そう思えるかどうかが一番大切」
ケンジ「男側から見ても、 “自分をちゃんと持ってる人”のほうが、 長い目で見て一緒にいられる」
ミユ「そっか…… 彼女止まりかどうかで 自分を判断しなくていいんだ」
リク「はい。 関係が深まらないなら、 それは“合わなかった”だけの話です」
まとめ:彼女にしたい相手と、結婚したい相手は「選別」じゃない
ミサキ「結局さ、 このテーマって“振り分け”じゃないのよね」
ミサキ「人は途中で変わるし、 気持ちも関係も育つ」
マリ「そして、 育たない関係があっても、 それは誰かの価値が低いからじゃない」
ケンジ「タイミング、状態、方向性。 いろんな要素が重なった結果だ」
リク「彼女にしたい相手と結婚したい相手の違いは、 “優劣”ではなく“段階”や“状況”であることがほとんどです」
ミユ「今日の話、 もっと早く知りたかったな」
ミサキ「でも、今知れたなら十分よ」
誰かにどう見られているかより、 自分がどんな関係を望んでいるか。
それを大切にできる人ほど、 結果的に“一緒に人生を歩む相手”に 出会いやすいのかもしれません。

