人生論なんて、偉そうな名前をつけるつもりはなかったの。
正直に言えば、わたしは「人生こうあるべき」なんて語れるほど、まっとうに生きてない。
それでも、仕事をして、恋をして、やらかして、
人の本音を踏み抜いたり、自分の欲にドン引きしたりしながら、
気づけばそれなりに長く、この世界に居座っている。
たぶんわたしは、
成功者でもないし、被害者でもない。
何かに救われた、って顔もしないし、
何かに壊された、って顔もしない。
ただ、うまく生きるためのコツを、
少しずつ身につけてきただけ。
ここで言う「うまく」っていうのは、
キラキラしてるとか、褒められるとか、そういう意味じゃない。
なるべく傷つかず、なるべく消耗せず、
それでも自分の欲は回収して、明日も笑って起きる。
その程度の話。
わたしの話は、正解じゃない。
むしろ、正解を出す気がない。
でも、もしあなたが今、
仕事で削れていたり、恋で自尊心が減っていたり、
トラブルに巻き込まれて「もう無理」って顔になっているなら。
……少しくらいは役に立つかもしれない。
今日は、ミサキの人生論。
セクションは四つに分けるわ。
- ミサキの仕事論
- ミサキの楽しむコツ
- ミサキのトラブル解決法
- ミサキの恋愛論
読み終わったあとに、
「結局ミサキって何者なの?」って思ったなら、たぶん成功。
わたしは、答えを出す女じゃない。
答えが出ない人間を、面白がって観察して、
ついでに自分の人生も回していく女。
……まぁ、面白いからいいでしょ。
ミサキの仕事論
まず言っておくけど、
わたしは「仕事は愛です」みたいな人じゃない。
やりがい?
情熱?
……あったら、もちろん悪くない。
でも基本スタンスは、
仕事は、生き延びるための道具。
それ以上でも、
それ以下でもない。
……って言いたいところだけど。
正直に言うと、
例外は、ちゃんとある。
ライター業は、そのひとつ。
わたしは、
こいこと。に入るために、
リクに近づいた。
かなり、
計算高く。
執着もしてた。
今思えば、
そこまでやる?って自分でも思う。
でもね。
そこまでしてでも、
手に入れたい仕事だった。
文章を書くのが楽しかった。
人の感情を、
言葉に落とす作業が、
思った以上に性に合っていた。
ネタを見つけて、
構成を考えて、
読まれる形に仕上げる。
……悔しいけど。
やりがい、
感じてる。
だからといって、
仕事を神聖視する気はない。
「好きだから我慢できる」
この考え方は、
だいたい人を壊す。
わたしが大事にしているのは、
「好きかどうか」より、
使えるかどうか。
この仕事は、
お金になる?
このスキルは、
持ち運べる?
この環境は、
わたしをすり減らさない?
好きでも、
ここが全部ダメなら、
撤退する。
逆に。
ここが揃っていて、
なおかつ面白いなら、
わたしは、かなりしつこい。
努力はする。
でも、
評価されない努力は、
基本、趣味だと思ってる。
誰にも見られていないのに、
「頑張ってるわたし」に酔うほど、
暇じゃない。
やるなら、
ちゃんと見てもらえる場所でやる。
評価される仕組みがないなら、
自分で作る。
それが無理なら、
場所を変える。
冷たい?
いいえ。
長く、
面白く、
生きるための設計。
仕事は、
人生の全部じゃない。
でも、
人生を支える柱には、
なり得る。
だからわたしは、
夢も欲も計算も、
全部まとめて、
仕事に持ち込む。
ミサキは、
そうやって今日も、
自分の人生を、
抜け目なく回している。
ミサキの楽しむコツ
「どうしたら人生を楽しめますか?」
たまに、
こんな質問をされる。
正直に言うと、
わたしは人生を、
常に楽しめているタイプじゃない。
落ち込むし、
ムカつくし、
「もう全部やめたい」って思う日もある。
ただ、
ひとつだけ、
意識していることがある。
全部を楽しもうとしない。
これ。
人生を楽しめない人ほど、
「全部楽しくなきゃいけない」って思いがち。
仕事も楽しく。
恋も楽しく。
人間関係も楽しく。
……無理よ。
そんなフルコース、
毎日出されたら、
胃もたれする。
わたしは、
楽しむ場所を、
最初から絞っている。
今日は仕事。
今日は会話。
今日はネタ。
それ以外は、
だいたい流す。
楽しめなかったからって、
自分を責めない。
「今日はそういう日」
それで終わり。
あとね。
期待値を、自分で下げる。
これも、
かなり重要。
人に期待しすぎると、
だいたい、
裏切られた気分になる。
でも実際は、
相手は、
最初からそんなに高性能じゃない。
だからわたしは、
最初からこう思ってる。
「まぁ、
こんなもんでしょ」
すると不思議なことに、
ちょっと良いことがあるだけで、
ちゃんと嬉しい。
これ、
人生を楽しむための、
かなりズルい技。
そして、
もうひとつ。
自分の機嫌は、
自分で取る。
誰かが楽しませてくれるのを、
待たない。
構ってもらえなくても、
退屈でも、
「今日は不作ね」って言って寝る。
機嫌が悪い日があってもいい。
ただ、
その処理を、
他人に丸投げしない。
これをやると、
人間関係が、
一気に楽になる。
楽しむって、
才能じゃない。
管理。
感情も、
期待も、
テンションも。
全部まとめて、
自分で扱う。
ミサキは、
そうやって今日も、
「そこそこ楽しい人生」を、
ちゃんとキープしている。
ミサキのトラブル解決法
トラブルが起きたとき、
真っ先に動く人がいる。
すぐ説明しようとする人。
すぐ謝ろうとする人。
すぐ白黒つけたがる人。
……あれね。
だいたい、
事態をこじらせる。
わたしは、
トラブルが起きた瞬間、
まずやることがある。
一回、何もしない。
これ、
逃げじゃない。
準備。
感情が動いているときって、
判断力が、
びっくりするくらい落ちてる。
怒ってる。
焦ってる。
傷ついてる。
この状態で出した言葉、
だいたい、
後で後悔する。
だから、
わたしは一度止まる。
コーヒーを飲む。
シャワーを浴びる。
一晩寝る。
トラブルより先に、
自分を落ち着かせる。
次にやるのは、
これ。
勝たなくていい争いを、
切り分ける。
正しいかどうか。
悪いかどうか。
そこ、
意外とどうでもいい。
大事なのは、
この争いに、
わたしの人生を削る価値があるか。
ないなら、
降りる。
プライド?
持ってるわよ。
でも、
わざわざ消耗する場所に、
置かない。
それから。
どうしても向き合う必要があるとき。
わたしは、
感情より先に、
事実だけを並べる。
誰が。
いつ。
何をした。
ここが整理できてないトラブルは、
だいたい、
感情のもつれ。
感情は、
否定しない。
でも、
主導権は渡さない。
「嫌だった」
「悲しかった」
それは、
それとして置いておく。
解決は、
別のテーブルでやる。
最後に、
一番大事なこと。
全部を解決しようとしない。
人生には、
未回収のまま放置したほうがいい問題も、
ちゃんとある。
説明しなくていい。
分かり合えなくていい。
納得しなくていい。
「この人とは、
ここまで」
そう線を引くのも、
立派な解決法。
トラブルは、
潰すものじゃない。
距離を調整する材料。
ミサキは、
そうやって、
人とも仕事とも、
長く付き合ってきた。
全部を抱えない。
でも、
放り投げもしない。
それくらいが、
ちょうどいい。
ミサキの恋愛論
恋愛について語るのは、
正直、少し照れる。
だってわたし、
恋で失敗もしてるし、
やらかしも多い。
それでも、
ひとつだけは、
はっきり言える。
恋愛は、
自分の価値を証明する場じゃない。
好かれたかどうか。
選ばれたかどうか。
そこに人生を預けると、
だいたい、
ロクなことにならない。
わたしが恋愛で一番気にしているのは、
「愛されているか」より、
雑に扱われていないか。
連絡が来ない。
約束が曖昧。
都合のいいときだけ優しい。
こういうの、
全部、
最初は小さい。
でもね。
小さな雑さを許すと、
大きな雑音になる。
好きだから我慢する、
って言葉があるけど。
わたしは、
逆だと思ってる。
我慢が必要な恋は、
だいたい、
最初から歪んでる。
それでも、
恋をするな、とは言わない。
わたしだって、
ちゃんと惚れる。
夢中になるし、
期待もする。
ただ、
ひとつだけ線を引く。
自分を小さくしないこと。
相手に合わせるために、
言いたいことを飲み込む。
嫌われないように、
黙る。
それ、
長く続くと、
自分が消える。
恋は、
自分を削る競技じゃない。
相性を見る時間。
合えば、
続く。
合わなければ、
去る。
それだけ。
好きでも、
離れる選択肢を持っている人のほうが、
恋愛は、
健全だと思う。
わたしは、
恋をネタにする女だけど。
自分の人生まで、
ネタにはしない。
恋は、
人生の一部。
全部じゃない。
ミサキは、
そう思いながら、
今日も人を見て、
自分を見て、
また一歩、前に進む。
……まぁ。
それでも恋をするあたり、
わたしも、
だいぶ懲りない女だけど。

