「嫌いになったはずなのに、なぜ忘れられない?」
編集部:今回の「こいこと。偉人の名言にモノ申す」は、フランスの劇作家ピエール・コルネイユの言葉です。
深く愛していたものを憎むことはなかなかできない。
火は消し方が悪いと、まもなくまた燃え上がる。
編集部:強いですね。恋を“火”に例えるのはよくありますが、「消し方が悪いとまた燃える」とまで言い切るあたり、なかなか現実的です。
別れたはずなのに、ふとした瞬間に思い出す。
「もう無理」と言ったのに、連絡が来たら心が揺れる。
憎んだつもりだったのに、完全には嫌いになれない。
そんな経験、ありませんか?
今回はこの名言をもとに、
- 本当に“憎む”ことはできるのか?
- 燃え上がるのは愛か、執着か?
- 恋の火は、ちゃんと消せるのか?
こいこと。ライターたちが本音で語り合います。
憎めない恋は、ほんとうにあるのか?
編集部:まずはシンプルに。深く愛した人を、本気で憎むことってできますか?
ナナ:
あたし?無理。
「大嫌い!」って言ってるときほど、まだ気持ち残ってるもん。
本当に終わった人って、憎しみすら湧かないよ。
リク:
うん…。
憎むって、かなりエネルギーがいる感情ですよね。
本当に気持ちがゼロになったら、怒りも出ない。
ミサキ:
そうなのよ。
「憎い」って言葉、実はかなり贅沢なの。
だってそれ、まだ相手に感情を使ってるってことだもの。
マリ:
長く愛した人はね、
“生活の一部”になるのよ。
その一部を切り離すのは、そう簡単じゃない。
編集部:なるほど。
憎むというより、切り替えられない、のほうが近い?
ワニオ:
憎しみは感情の終点ではありません。
むしろ「未練の裏返し」である可能性が高い。
感情が動いている限り、完全な終了ではない。
ナナ:
そうそう!
だからさ、「あいつ最悪」って言ってる子に限って、
連絡来たら秒で揺れるのよ。
ミサキ:
火ってね、ちゃんと消さないとくすぶるの。
そしてくすぶってる火ほど、突然燃えるのよ。
リク:
でも…完全に嫌いにならないのって、悪いことですか?
マリ:
悪くないわ。
それだけ本気だった証拠なんだから。
「火の消し方が悪い」とは、どういうこと?
編集部:コルネイユは「火は消し方が悪いと、また燃え上がる」と言いました。では、その“消し方が悪い”って、具体的にどういう状態なんでしょう?
ミサキ:
まずね、ちゃんと話し合わない別れ。
本音を飲み込んだまま終わらせると、物語が未完のまま残るのよ。
ナナ:
わかる!
「もういい」って勢いで切った恋ほど、あとでぐるぐるするのよ。
感情ぶつけるだけぶつけて、整理してないパターンね。
リク:
僕は…ちゃんと話したつもりでも、
後から「あれ言えなかったな」って思うことあります。
その“言えなかったこと”が残り火になるのかもしれない。
マリ:
プライドも大きいわね。
納得して別れたフリをして、本当はまだ好き。
それって自分に嘘をついて消した火なの。
ワニオ:
未練は感情のバグではありません。
「処理されていない情報」です。
整理されていない感情は、再起動します。
編集部:なるほど…。
感情の“再起動”ですか。
ワニオ:
はい。
例えば、SNSでつながったまま。
たまに近況を見る。
それは火の近くに酸素を置いている状態です。
ナナ:
それそれ!
見なきゃいいのに見ちゃうのよ!
ミサキ:
だってね、完全に消すの怖いのよ。
消したら、本当に終わるから。
マリ:
だからこそ、ちゃんと終わらせる勇気がいるのよ。
それは愛か、ただの執着か?
編集部:別れたあとにまた燃え上がる気持ち。
それは「まだ愛している」からなのか、
それとも「手放せないだけ」なのか。
ナナ:
正直、半分半分だと思う。
だってさ、本気で好きだった人だよ?
すぐ「はい終了」なんてできないって。
リク:
でも、戻りたい理由が「寂しいから」だけなら、
それは執着かもしれないですね。
ミサキ:
そう。
愛は相手を見てる。
執着は「失った自分」を見てるのよ。
編集部:なるほど…。
マリ:
愛は相手の幸せも考える。
執着は「自分がどう感じるか」だけになる。
そこが分かれ道ね。
ワニオ:
燃え上がる感情は、必ずしも愛とは限りません。
強い刺激は、脳に快楽として記憶される。
それを恋と錯覚することもある。
ナナ:
え、じゃあ復縁ってダメ?
ワニオ:
条件があります。
「前と同じ火種」なら再燃します。
しかし、原因を理解してから再び灯す火は別物です。
リク:
つまり…
同じ理由で別れるなら、戻っても意味がない。
ミサキ:
でもね、あたしは思うの。
ちゃんと消した恋だけが、
次の恋をきれいに燃やせるのよ。
マリ:
ええ。
火を消すことは、忘れることじゃない。
思い出に変えることなの。
この名言を、自分なりに言い換えるなら
編集部:最後に、この言葉をそれぞれの言葉で言い換えてみましょう。
ミサキ:
「嫌いになれないのは、まだ物語が終わってないから。」
本当に終わった恋は、静かになるのよ。
ナナ:
「大嫌いって言ってる時点で、まだ好き。」
無関心になったら、それが本当の終わり。
リク:
「気持ちは消すものじゃなく、整理するもの。」
ちゃんと向き合えば、再燃じゃなく成長に変わると思います。
マリ:
「きちんと終わらせた恋は、残り火にならない。」
でも、深く愛した証は、やさしい灰として残るのよ。
ワニオ:
「火は消える。だが、燃えた事実は消えない。」
だからこそ、どう消すかが重要です。
編集部:
コルネイユの言葉は、
“憎めない弱さ”を責めるためのものではなく、
“終わらせ方の大切さ”を教えているのかもしれません。
恋は燃えるだけではない。
どう終わらせるかまでが、恋なのです。



