好きな人ができると、世界が少しカラフルになる。 なんでもないLINEの通知音でドキッとしたり、朝の支度のときに鏡を見て「今日ちょっといいかも」って思えたり。 たぶんそれだけで、恋ってもう始まってるんだと思う。
でもね、恋が始まった瞬間から、同時にちょっとだけ怖くもなる。 “この気持ち、伝えていいのかな”って。 どうしてだろう。嬉しいはずなのに、心のどこかがザワザワして落ち着かない。 恋って、楽しいのに不安もセットでついてくるよね。
片思いって、気づかれたいゲームみたい
片思いのときって、ほんと些細なことに心が揺れる。 返信がちょっと遅れただけで落ち込んで、 でも次の日、たまたま目が合っただけで「やっぱり好きだな」って思い直す。 恋って、気分のジェットコースターみたい。
わたしの場合、“気づかれたいゲーム”をしてる感覚に近い。 「どうすればこの気持ち、バレすぎず伝わるかな?」って、毎日ちょっとした実験をしてる感じ。 香水を変えてみたり、SNSの投稿のトーンを変えたり。 他の誰にも気づかれなくてもいい。 ただその人にだけ、「あれ? なんか今日のアカリ、ちょっと違う?」って思われたい。
でも、それってけっこう難しい。 やりすぎると“狙ってる”って思われるし、 控えめすぎると気づかれない。 この“ちょうどいいバランス”を探してる時間が、たぶん片思いのいちばん楽しくて苦しいところなんだと思う。
アプローチって、むずかしい
「アプローチしなきゃ」って思っても、 正直どうすればいいかよくわからない。 やたら話しかけても不自然だし、連絡を増やしたら“軽い”って思われそうで。 恋って、駆け引きしすぎても冷めちゃうし、素直すぎても逃げられちゃう。 ほんとバランスゲーム。
それに、“押す”よりも“気づかせる”方が好き。 ちゃんと気づいてくれたときのほうが、なんかうれしいから。 こっちから「好きです!」って言うよりも、 「もしかしてアカリ、自分のこと好きなのかな」って、 相手がちょっと戸惑いながら気づく瞬間が、いちばんドキドキする。
でも、そううまくはいかないことのほうが多い。 “あれ、伝わってないかも”って思う瞬間の、あの胸の空気の重さ。 一瞬で現実に引き戻される感じ。 そのたびに、「もうちょっと勇気出せばよかったのかな」って思う。
アプローチって、ただのテクニックじゃない。 自分の中の「臆病」と「素直」のせめぎあい。 その2つのバランスが崩れると、恋って簡単に遠ざかっちゃうんだ。
伝える勇気と、言わない優しさ
友達に言われたことがある。「アカリって、素直なくせに肝心なとこで言えないよね」って。 たぶんそれ、正解。 だって、“好き”って言葉にした瞬間、 今までの空気が変わっちゃうじゃん。 相手がどう答えるかよりも、 もう前みたいに話せなくなるのが怖いの。
でも、本当はちゃんと伝えたい。 ただ、タイミングを間違えたくない。 恋って、言葉ひとつで景色が変わる。 たとえば、夜に「好き」って言うのと、朝に言うのとでも全然違う。 だからわたしは、できるだけ“心が穏やかな瞬間”を選びたい。 焦りや不安の勢いで言うよりも、 「いまの自分が、この気持ちをちゃんと大事にできてる」って思えたときに言いたい。
でもね、言わないことも優しさだと思うの。 たとえば、相手が誰かを想ってるとき。 そこにわたしの“好き”をぶつけても、 きっとお互い傷つくだけ。 その人の幸せを願えるうちは、 それも立派な恋の形だと思う。
それでも、恋は始まってる
伝えなくても、ちゃんと好きな気持ちは存在してる。 それだけで十分だと思う。 誰かを想ってる時間って、 自分を少しずつ変えてくれる。 服を選ぶセンスが変わったり、 メイクを丁寧にするようになったり。 「見られたい自分」になる努力って、 恋からもらえる魔法みたいなものだと思う。
片思いって、報われないとか、寂しいイメージを持たれがちだけど、 実はすごくキラキラしてる。 好きな人がいるだけで、 世界の見え方が変わるんだもん。 空がきれいだなって思う頻度が増えるし、 「今日も会えるかな」って思う朝は、少しだけ頑張れる。
だから、焦らなくていいと思う。 無理に伝えなくても、アプローチしすぎなくてもいい。 あなたの中に“誰かを想う気持ち”があるだけで、 それはもう、ちゃんと恋だから。
わたしも、いつか誰かに気づいてもらえる日が来たらいいな。 でもそれまでは、このソワソワした毎日をちゃんと楽しみたい。 好きって伝える前に、気づいてほしい。 その気持ちを大事にできる恋のほうが、 きっと長く心に残ると思うんだ。

