フラれたけど、学んだこと──4人が語る「失恋の教訓」【座談会】

「フラれる」って、ほんとにしんどい。
好きだった分だけ、期待した分だけ、ぐさって心にくる。

でも――フラれたからこそ、気づけたこともある。
優しさの形、距離の取り方、自分の恋のクセ…
そういう“学び”があるからこそ、少しずつ強く、優しくなれるのかもしれない。

今回は、こいこと。の4人のライターが、自分の「フラれ体験」をもとに
そこから得た“教訓”について語り合いました。

ちょっと痛くて、でもどこか前向きになれる時間を、お届けします。

目次

好きな気持ちだけじゃ、うまくいかない

ユウト:
僕がフラれたのは、大学3年のとき。ずっと片思いしてた子に思い切って告白して、でも「ごめんね、いい友達でいたい」ってやんわり断られた。

それなりに仲は良かったし、たまに2人で話すこともあったから、「いけるかも」って期待しちゃってて。だから余計にダメージがでかくて、帰り道はずっと歩きながら泣きそうだった。

でもそのあと、何がダメだったんだろうっていっぱい考えて。気づいたのは、「好き」って気持ちが強すぎて、相手の気持ちを見る余裕がなかったってことだった。

ナナ:
あ〜、それ分かる!好きすぎて自分のことばっか見ちゃうやつね。向こうがどんなタイミングで、どんな気持ちでいるかって、案外見えてなかったりするんだよね。

ミカコ:
「いけるかも」って思ってるときほど危ないかもね。自分でストーリー組み立てちゃってて、実際の温度感とはズレてるパターン、私も経験ある。

ケンジ:
でもユウトがえらいのは、ちゃんと反省して次に活かしてるとこ。フラれて「やっぱ恋愛なんて無理」ってなる人も多いけど、そこから学べるのが大人ってもんよ。

ユウト:
ありがとう。あのときの悔しさがあったからこそ、今はちゃんと相手の気持ちを考える恋愛をしようって思えてる。だから、フラれたけど、無駄じゃなかったなって。

全部をかけすぎる恋は、壊れるのも早かった

ナナ:
私がいちばんしんどかった失恋は、20代半ばの頃。付き合ってた彼に突然フラれた時だったなあ。「もう一緒にいるのがしんどい」って言われたの。意味わかんないでしょ? こっちはずっと本気だったのに。

たしかに、あの頃の私はちょっと重かったかもしれない。連絡が遅いと不安になって詰めちゃったり、相手の予定を全部把握してないと落ち着かなくて。でもそれも、「好きだから」っていう理由で、許されると思ってた。

ユウト:
「好きなだけじゃダメだった」って、気づいたときのつらさってありますよね。相手を想う気持ちが、相手を縛っちゃうこともあるんだなって。

ケンジ:
わかるよ。若い頃は“全部相手に向ける”のが愛だと思ってたけど、大人になってからは、ちゃんと“残す”ことも愛だって思えるようになったな。

ミカコ:
ナナって情熱型だもんね。でもその情熱が空回りすると、自分も相手も追い詰めちゃう。って、私もめっちゃそういうタイプだったから刺さるんだけど。

ナナ:
そう、まさに“情熱の空回り”。あれがあったから、「ちゃんと自分を保ったまま恋する」って大事なんだって知った。今思えば、あの失恋って自分の“恋愛観の軌道修正”だったのかも。

過去の傷を癒せないまま恋を始めると、自分が壊れる

ケンジ:
俺がいちばんしんどかったのは、離婚から付き合った彼女に浮気された時だな。人生で一度心を折られた後に、もう一度「信じてみよう」と思った相手だっただけに、ショックはでかかった。

その彼女とは、結局話し合って別れた。でもその後、時間が経ってようやく気持ちが落ち着いて、また一人の女性と出会って、本気で好きになった。

最初はすごくうまくいってた。お互い大人だし、言葉のやりとりも丁寧だったし。ただ…俺の中にはやっぱり、「前の恋の傷」が残ってて。それを癒す前に新しい恋に走っちゃったんだよな。

で、無意識に「失いたくない」「また裏切られたくない」って気持ちが強くなって、相手を過剰に気遣いすぎたり、逆に疑っちゃったりして。結果、自分で自分の恋を壊しちゃった。

ミカコ:
「もう裏切られたくない」って感情、無意識に行動に出ちゃうんですよね。過去の痛みを相手に投影しちゃうというか。

ナナ:
その人のことが本当に好きだからこそ、変な不安に飲まれるんだよね。ケンジみたいな人ほど、余計に抱え込んじゃいそう。

ユウト:
でも、自分でそれに気づいて言語化できるケンジさん、やっぱ大人だなって思います。そういうのって、すぐに気づけることじゃないから。

ケンジ:
ありがとう。今思えば、「恋愛は癒しじゃなくて共に歩くもの」なんだなって気づけたのが、あのフラれた経験の一番の学びかもな。しんどかったけど、今の自分に必要な失恋だったんだと思ってる。

「好き」って言われても、自分が好きじゃなきゃ意味がない

ミカコ:
私がフラれたっていうより、結果的に向こうから離れていった、って感じの恋があって。正直、「え、そっちが先に好きって言ってきたよね?」って気持ちもあった。

最初はたしかに悪くなかった。連絡もまめだったし、デートもそれなりに楽しかった。でも、どうしても自分の気持ちが盛り上がらなくて。向こうの「好き」のペースに、こっちが合わせようとしてただけだったんだよね。

ナナ:
あるあるそれ!「好かれてるし…まあいっか」って流れで付き合っちゃうと、ズレに気づくの時間かかるんだよね。

ケンジ:
ミカコみたいに頭が切れるタイプって、無意識に「まあ自分が合わせればうまくいく」ってやりがち。自分の感情を置き去りにしちゃうこと、俺も経験あるな。

ユウト:
相手が悪いわけじゃないんですよね。でも、「好きって言われてるから」じゃなくて、「自分がどう感じてるか」をちゃんと見ないと、どっちも不幸になっちゃう。

ミカコ:
そう。私の学びはそこだった。相手の好意に引っ張られるだけじゃなくて、自分の気持ちをちゃんと優先すること。「相手が私を好き」じゃなくて、「私がその人を本当に好きかどうか」が一番大事。

そう思えるようになった今は、フラれたことも含めて、良い経験だったなって思えるようになった。

フラれることで、自分を知る恋もある

今回の座談会を通して見えてきたのは、フラれた瞬間のつらさだけじゃなく、
その後に「自分はどんな恋をしていたのか」「なにを見落としていたのか」に気づけることの大きさだった。

ユウトは、好きな気持ちに夢中になるあまり、相手の気持ちを見落としていたことに気づいた。
ナナは、自分の情熱を全部ぶつけすぎて相手を疲れさせていたと振り返った。

ケンジは、過去の傷を癒しきれずに次の恋に進んでしまい、自分を追い詰めてしまったことを後悔し、
ミカコは、「相手に好かれているから」という理由だけで恋を進めてしまった危うさを学んだ。

誰かを想うって、ほんとうに難しい。
でも、ちゃんとつまずいたからこそ、自分の恋のかたちが見えてくる。

それぞれの「フラれた教訓」は違っていても、
そこには、恋に向き合ったからこその優しさと強さがあった。

まとめ:失恋は、ただの終わりじゃない

フラれるって、できれば避けたい経験。
でも実は、その痛みの中にしかない気づきや学びが、確かにある。

誰かに好かれることも大切だけど、
自分がどう感じて、どう向き合っていくかを知ることはもっと大切。

「あのときフラれてよかった」と思える日が来るかもしれない。
それは、前より少し自分に優しくなれたとき。

失恋は、ただの終わりじゃない。
それは、ほんとうの自分と出会うための、大事な入り口なのかもしれません。

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