ミユとミサキが久しぶりの女子会で、落ち着いた雰囲気のレストランへ。美味しいごはんと恋バナで盛り上がる──はずだったのに、ふたりの意識はすぐ近くのテーブルへと向いてしまう。
そこに座るのは、どう見ても“うまくいっていないカップル”。とくに彼氏の行動が、彼女の地雷を次々と踏んでいるように見える。
ミユ「ねぇミサキ…あのカップル、ちょっと大変そうじゃない?」
ミサキ「ええ。ああいう男は、デートでやっちゃいけないことをコンプリートするタイプね」
せっかくの女子会だが、目の前の“教材”をスルーできる2人ではない。というわけで今回は、ふたりが実際に見たシーンをもとに「デートで嫌われるNG行動」をリアルに学ぶ企画としてお届けする。
読んだ人が、そのまま次のデートで実践できるポイントばかり。さっそく見ていきましょう。
隣のカップルから見えた“前半戦のNG行動”
① 音を立てて食べる(クチャラー問題)
ミユ「いま…聞こえた。クチャって…。あたし、こういうの本当に苦手なんだよね〜」
ミサキ「あれは最悪よ。恋愛だけじゃなく、社会的な場面でも即アウト案件ね」
食事中の音というのは、配慮や習慣がダイレクトに表れる部分。 デート初期ほど致命的になりやすく、相手のテンションを一瞬で下げてしまう行動です。
② 店員への横柄な態度
ミユ「さっき“早くして”って言ってたよね…彼女フォローしてたし」
ミサキ「店員さんへの態度は、その人の“本性”が出るの。彼女が疲れて当然だわ」
店員への態度は“自分に利益がない相手への態度”=人間性がもっとも露呈する場。 優しさの方向がズレている人は、恋愛でも相手を疲れさせがちです。
③ スマホばかり見て会話が続かない
ミユ「さっきから10分以上スマホ見てない?話、聞いてないよね…」
ミサキ「デートの意味を考え直してきなさいって言いたいわね」
スマホを見る癖は誰にでもありますが、デート中の“放置”は 「あなたよりスマホのほうが大事」に聞こえてしまう危険な行動。 会話のテンポが崩れ、心の距離も少しずつ広がります。
④ 自分語りが止まらない
ミユ「なんかスマホが終わったら…彼氏さんだけずっと喋ってるね?」
ミサキ「承認欲求の渋滞ね。会話って独演会じゃないのよ」
自分のことを知ってほしい気持ちは誰にでもあります。 しかし、相手の話を奪ってしまうと“聞いていて疲れる人”になり、 恋愛の心地よさを大きく損なってしまいます。
後半戦に突入──“空気が悪くなるNG行動”
⑤ 支払いで見栄を張る・押し付ける
ミユ「『今日はオレが払うわ!いいからいいから!』って…なんか押し付け感ない?」
ミサキ「見栄のための奢りほどダサいものはないわ。奢るならスマートに、できないなら素直に」
奢る・割り勘どちらでもOKですが、“態度”にマウントや恩着せが混ざると即マイナス。 相手の気持ちより自分の見栄を守る行動は、デートの空気を一瞬で崩します。
⑥ すぐ不機嫌になる(情緒のジェットコースター)
ミユ「さっき飲み物こぼしただけでムッとしてた…」
ミサキ「感情コントロールができない人は、恋人じゃなくて“保護者”を求めてるのよ」
小さな出来事で顔色が変わる人は、相手が常に気をつかう関係に。 安心感より疲労が勝ってしまい、デートの時間が“消耗戦”になります。
⑦ 彼女の意見をすぐ否定する
ミユ「『これ可愛いね』って言っただけで『別に』って返すの…なんか悲しくなるよね」
ミサキ「はい出たわ。“自分が上じゃないと気が済まない男”。恋愛は対等じゃないと崩れるわ」
相手の意見を否定し続ける行為は、自己肯定感を削る“静かな暴力”とも言われるほど。 一緒にいて安心できる関係から、もっとも遠ざかるNG行動です。
⑧ SNS優先で写真ばかり撮る
ミユ「写真撮るのは分かるけど…食べる前に10枚はさすがに…」
ミサキ「映えの奴隷ね。恋人よりSNSを優先する時点で終了よ」
写真を撮るのは楽しいことですが、
“SNSのための時間”が“相手と過ごす時間”を奪ってしまうケースは多いもの。 デートの本質は“誰といるか”。そこを忘れてしまうと関係はギクシャクします。
あの彼氏が気づいていなかった“彼女の本音”とは?
① 彼女は“怒っている”というより“寂しくなっている”
ミユ「なんかさ、あの彼女さん…キレてるっていうより、ちょっと心ここにあらずって感じしない?」
ミサキ「そうね。女性って、本当に怒ってるときは声が大きくなるんじゃなくて、静かになるのよ」
ミユ「分かる…“あ、この人にはもう期待するのやめよ…”みたいなスイッチ入ったときの静かさね」
ミサキ「ええ。あのカップルも、彼女は“うんざり”じゃなくて“もう期待するの疲れた”モードに見えるわ」
彼女の表情が曇っているとき、男性は「機嫌悪いのかな?」と表面的に捉えがち。 でも実際には、「大事にされていない気がする」「自分だけ頑張っている気がする」という寂しさが積もっていることも多いのです。
② 男性は“一回のミス”だと思っても、彼女は“積み重ね”で見ている
ミユ「クチャクチャ食べたり、スマホばっか見てたり、自分語りばかりだったり…一個一個は“まぁいいか”なんだけどさ」
ミサキ「そう。問題は“全部セットで出てくる”ことなのよ。小さな雑さが積み重なると、恋は静かに終わっていくわ」
ミユ「今日はたまたま機嫌悪いのかな?って最初は思うもんね。でも続くと、“あ、この人はこういう人なんだ”ってなる」
ミサキ「男のほうは『今日ちょっと失敗しただけ』くらいの感覚かもしれないけど、彼女にとっては“いつも同じ”に見えてるのよ」
恋愛は、ドラマチックな出来事よりも、日常の小さな行動の積み重ねで印象が決まります。 「たまたま」ではなく「いつもこうだよね」と感じさせてしまうと、気持ちは一気に冷めてしまうのです。
③ 本当は“特別なデート”より「安心して笑っていられる時間」がほしい
ミユ「たぶんさ、あの彼女さんも“すごい場所”とか“映える店”を求めてるわけじゃないと思うんだよね」
ミサキ「ええ。大体の女性が欲しいのは“ちゃんと話を聞いてくれる人”と“一緒にいてホッとできる空気”よ」
ミユ「分かる〜。ラーメン屋でもファミレスでもいいから、ちゃんと向き合ってくれるほうが嬉しい」
ミサキ「なのに、場所だけ頑張って態度が雑だと逆効果。『頑張るポイント、そこじゃない』ってなるのよね」
豪華なレストランやサプライズよりも、 「この人といると落ち着く」「ちゃんと自分を見てくれている」と感じられることのほうが、 恋を長続きさせるエネルギーになります。
④ デートは“正解を出す場”じゃなくて“お互いを知る時間”
ミユ「なんかさ、あの彼氏さん、“正解ムーブ”をしようとして空回りしてる感じもするんだよね」
ミサキ「分かるわ。“奢らなきゃ男らしくない”とか“リードしなきゃダメ”とか、自分で自分を縛ってるタイプね」
ミユ「その結果、店員さんには強く出ちゃったり、彼女の意見は聞く余裕なくなったり…もったいない〜!」
ミサキ「デートってテストじゃないのよ。完璧な答えを出す場所じゃなくて、“ふたりのペース”を探る時間なんだから」
「こうするべき」「男なんだから」という思い込みが強すぎると、 相手を見る余裕がなくなり、かえってギクシャクしてしまいます。 少し不器用でも、相手を見て、素直に話せるほうがずっと魅力的です。
⑤ それでも恋は“今日から”やり直せる
ミユ「もしさ、あの彼氏さんが今日の帰り道に『ごめん、今日ちょっと雑だったよね』って素直に言えたら…ワンチャンある?」
ミサキ「あるわね。自分の非を認めて、ちゃんと変わろうとする人には、まだ未来があるわ」
ミユ「だよね。完璧じゃなくても、“気づいてくれた”ってだけで嬉しいもん」
ミサキ「そう。恋は失点ゼロのゲームじゃないわ。ミスしても、そこからどう向き合うかで印象はひっくり返るの」
大事なのは、自分の行動を振り返って、少しずつアップデートしていくこと。 「やばい、これやってるかも」と思ったなら、それはもう一歩前進しているサインです。
デートは“ふたりでつくる空気”──そしてミユとミサキの反省?
ミユ「なんかさ…ここまで話しながら気づいたんだけど、よそのカップル見てあれこれ言ってるうちらも大概じゃない?」
ミサキ「確かにね。でも学びにはなったでしょ?…まぁ、ちょっと性格悪いかもしれないけど」
ミユ「でもさ、誰だって“ああはなりたくないな〜”って思うことあるよね。反面教師って大事!」
ミサキ「そういうこと。人生の教材は日常に落ちているものよ。勝手に授業料払わず学べるんだから、使わなきゃ損だわ」
今日ミユとミサキが見たカップルは、決して特別ではありません。 誰もが一度くらいは経験する“小さなすれ違い”の積み重ねが、少しずつ距離をつくってしまっただけの話。
恋愛は、正解を当てるゲームではなく、 相手と一緒に“心地いい空気”をつくっていくプロセスです。 特別なことをしなくても、「ちゃんと向き合う」「雑に扱わない」──それだけで関係は驚くほど変わります。
ミユ「今日の見学会(?)で、あたしもデートのとき気をつけようって思ったわ…」
ミサキ「そうね。人のふり見て、我がふり直せ。恋愛も例外じゃないわ」
ミユ「よし、今度うちらも誰かに見られて恥ずかしくないデートしよ!」
ミサキ「え?誰と?」
ミユ「え〜そこはノーコメントで♡」
ミサキ「はいはい、勝手に盛り上がってなさい」
気づいたときがアップデートのタイミング。 この記事が少しでも、あなたの次のデートをやさしくしてくれますように。

