ある日、こいこと。編集部にナナの友達・ヨウコがやってきた。表情はどこか曇っていて、すぐにでも誰かに話を聞いてほしい様子。ヨウコが口にしたのは「夫と倦怠期で、もう限界かもしれない」という悩みだった。ナナは「カフェで落ち着いて話そう」と提案し、ヨウコが憧れているマリも同席することに。こうして、夫婦関係に悩むリアルな相談が始まった。
夫婦倦怠期って本当に“誰にでも起こること”?
落ち着いた雰囲気のカフェに入り、3人は窓際の席に座った。温かいコーヒーを前に、ヨウコは深いため息をつきながら、ぽつりぽつりと本音をこぼし始めた。
ヨウコ: 正直、もう疲れちゃったんです。夫とは結婚して10年近くになりますけど、最近は話せば喧嘩ばかり。愛してないわけじゃない。でも、昔みたいに一緒にいるとドキドキする感じはないんです。…家族みたいな安心感はあるけど、それって「夫婦」って言えるのかなって。
ナナ: うーん、重いね。でもさ、嫌いじゃないんだよね?それってまだ全然終わってないんじゃないかな。むしろ「倦怠期に入ったからこそ」次にどうするか考えるタイミングって気がする。
ヨウコ: でも、倦怠期を抜けられる夫婦って本当にいるんですか?私、最近は「いっそ離婚したほうが楽かもしれない」って思っちゃうこともあって。
マリ: 離婚が頭をよぎるのは自然なことよ。特に夫婦倦怠期にあると、今の状態を「続けるべきか」「終わらせるべきか」って極端に考えてしまう人も多い。でもね、夫婦関係って白黒だけじゃないの。改善の余地があるかどうか、一度立ち止まって見つめ直すのも大事よ。
ナナ: そうそう。喧嘩ばっかりって言うけど、それって逆に「まだ話せる」ってことでもある。完全に気持ちが冷めたら、もう相手と口もきかないと思うんだよね。
ヨウコ: 確かに…。無関心になったわけじゃなくて、ついイライラをぶつけちゃうんです。でも、夫にどう伝えたらいいかもわからなくて。
マリ: まずは「責める」んじゃなくて、「自分がどう感じているか」を素直に伝えることね。「あなたが悪い」じゃなくて「私はこう感じてる」って言葉に変えるだけで、相手の受け取り方は変わるの。
ナナ: それめっちゃ大事!「なんで〇〇してくれないの?」って言うと喧嘩になるけど、「私はこう思ったんだ」なら対話になる。倦怠期って、実はコミュニケーションの質を見直すチャンスでもあるんだよ。
ヨウコ: …なるほど。倦怠期を「夫婦が壊れかけてるサイン」じゃなくて、「次に進むための合図」だと思えばいいんですね。
マリ: そう、その視点を持てると気持ちが少し楽になるはずよ。
ナナ: 離婚を考えるのは最後でいい。まずは「どうやって乗り越えるか」を一緒に探してみようよ。
夫婦倦怠期の乗り越え方5つ
夫婦の倦怠期 を乗り越える方法を知りたい人は多いよね。ここからは、ヨウコの相談をベースにしながら、ナナとマリが考える“実際に試しやすい方法”を5つ紹介するよ。
1. 会話の質を変える
ナナ: 倦怠期の夫婦って、とにかく会話が「不満」とか「生活の連絡」だけになりがち。でも、ちょっとした話題でもいいから「楽しい話」を混ぜるのって大事だと思うんだよね。
マリ: そうね。会話の“量”じゃなくて“質”を見直すの。今日あった小さな出来事、昔の思い出話、次に行きたい場所。喧嘩を減らすよりも、プラスの会話を増やすほうが関係は改善しやすいわ。

2. 夫婦で新しい体験をする
ナナ: 同じ毎日の繰り返しは、倦怠期を深める原因!だからこそ、意識して新しいことをやってみるのがいいよ。旅行、習い事、スポーツ…なんでもアリ。
マリ: 「非日常の体験」を夫婦で共有すると、恋人時代のような新鮮さが戻るの。これは心理学的にも証明されているわ。大きなことじゃなくても、近所の新しいカフェに行くだけでも効果があるのよ。
3. 距離を取って“自分時間”を増やす
ナナ: 一緒にいすぎてイライラするなら、ちょっと離れるのも手だよね。お互いの趣味を楽しんだり、友達と会ったり。距離を取ることで、逆に相手の存在の大事さに気づけることもある。
マリ: 自分の時間を持つことは心の余裕にもつながるの。パートナーにすべてを求めすぎないで、心のバランスを取るのが倦怠期を長引かせないコツよ。
4. 感謝や小さなスキンシップを思い出す
マリ: 倦怠期に入ると、当たり前のことに感謝しなくなってしまうのよね。だからこそ「ありがとう」を口に出すこと、小さなスキンシップを意識的にすることが大事。
ナナ: 「おはようのハグ」とか「ごはん美味しかったよ」って言葉、ホントに効くんだよな。派手なことじゃなくて、ちっちゃな積み重ねが一番効く!
5. 第三者に相談する
ナナ: 夫婦だけで解決できないときは、誰かに相談するのもアリだよね。友達でも、信頼できる人でもいいし。
マリ: 夫婦関係の専門カウンセラーに相談するのもおすすめよ。第三者の視点が入ることで、思わぬ解決策が見つかることもあるの。ヨウコのように、友達に相談するだけでも気持ちは軽くなるわ。
「離婚」が頭をよぎるときに考えたいこと
倦怠期が長引くと、「もう離婚したほうがいいのかな」と考える瞬間が出てくるよね。でも、感情に任せてすぐに結論を出すのはおすすめできない。
ナナ: 私が思うのはさ、「離婚」は最後のカードってこと。ケンカが増えたときに感情的になって「もう無理!」ってなるのはわかるけど、それって勢いだけで大事なものを手放すリスクもあるんだよね。
マリ: そうね。離婚という選択はもちろん悪いことじゃないし、必要なケースもある。でも「続ける」か「終わらせる」かの二択じゃなくて、夫婦の形を変える方法もあるのよ。例えば生活リズムをずらす、役割分担を見直す、距離を意識的に取る…などね。
ナナ: それにさ、離婚を考えるくらいなら「やれることは全部やったのか?」って一回自分に問いかけてみてほしい。新しいこと試したり、話し合いの仕方を変えたり。それをやっても無理なら、そのとき初めて離婚を検討すればいいと思う。
マリ: 大切なのは、「今の気持ちをどう整理するか」。怒りや不満だけで決断すると後悔しやすいから、少し距離を置いたり、紙に書き出して客観的に考えるのも有効よ。
ヨウコ: 離婚って、白黒だけじゃなくて「夫婦の形を変える」っていう選択肢もあるんですね…。ちょっと救われた気がします。
マリ: そうよ。結婚はゴールじゃなくてスタートだから、倦怠期は「関係の再構築タイミング」でもあるの。そこをどう乗り越えるかで、夫婦の未来は大きく変わるのよ。
まとめ:倦怠期を“次のステージ”に変える
夫婦にとって倦怠期は特別なものじゃなく、誰にでも訪れる自然な変化。大切なのは、それを「終わりのサイン」と受け取るか、「次のステージへの合図」として乗り越えるか。
ナナ: ヨウコの話を聞いて思ったけどさ、まだ「嫌い」になってないなら全然やれることあるよ!喧嘩だって、言い合えるうちは気持ちがある証拠。衝動的に離婚を選ぶ前に、まずはできることからやってみて!
マリ: そうね。倦怠期は夫婦関係が熟していくプロセスの一部。会話の質を変えたり、新しい体験を一緒にしたり、感謝を言葉にしたり…。小さな一歩が未来を変えるのよ。
ヨウコ: 離婚かガマンするしかないって思ってたけど、「夫婦の形を見直す」って考え方を知れて少し楽になりました。まずは今日から感謝をちゃんと伝えてみようかな。
マリ: ええ、それで十分よ。小さな積み重ねが関係を変えていくから。
ナナ: よし!じゃあ次会うときは「ありがとう作戦」やってみた結果を聞かせてよ!
──夫婦倦怠期は、誰もが直面するテーマ。でも乗り越え方を知って、行動できれば「離婚」を選ばなくても関係を再生できる可能性は大きい。焦らず、でも一歩ずつ。倦怠期を“終わり”ではなく“新しい始まり”に変えていこう。

