好きになったら、なかなか忘れられない。
「もうダメかもな」と思っても、心のどこかでまだ何かが動いてて、
それを“やめる”って、ぼくにはどうしてもできない。
たぶん、ぼくが片思いをやめられないのって、
恋が「叶うかどうか」だけじゃなくて、
「その人を好きでいる時間」そのものが、
なんだか大事に思えてしまうからなんだと思う。
たとえば、朝その人の声を聞けただけでうれしかったり、
すれ違ったときに、ちょっとだけ香ったシャンプーの匂いを覚えてたり、
そんな小さなことの積み重ねが、ぼくの毎日を動かしてた。
周りには「もう次いこうよ」って言われるけど、
片思いって、自分だけの“物語”みたいで。
気持ちの温度も、言葉にしきれない時間も、
ぼくの中ではすごくリアルで、大事だったりする。
もちろん、うまくいかなくて傷つくこともある。
既読スルーとか、そっけない態度とか、
思い出すとちょっと胸がきゅっとなるような瞬間も。
だけど、それでも「好きだった」って気持ちが、
ちゃんとぼくを人間らしくしてくれてる気がする。
ぼく、よく一目惚れするけど、
たいていは、そこから長い片思いになる。
でも、きっとそれがぼくらしいんだと思ってる。
恋って、タイミングとか相性とか、いろんなものが重ならないと叶わないけど、
それでも“想ってた時間”って、絶対に消えないんだよね。
ぼくが片思いをやめられないのは、
その人を好きでいた「ぼくの気持ち」も、
いとおしく思えてしまうからなんだと思う。
それって、ちょっとヘンかもしれないけど、
片思いって、ぼくにとって“ひとつの生き方”みたいなものなのかも。
今日もまた、好きな人のSNSを見ては、
何もできないまま、ただ画面を閉じる。
でも、そんな自分も、ちゃんと生きてるって思えるから──
ぼくはきっと、今日もまた、恋をする。
それにね、片思いって、
「言えなかった言葉」が多い分だけ、
心の中に残る景色がきれいだったりする。
もしあのとき話しかけていたら。
もしあのとき、好きだって言えていたら。
そんな“もし”が並ぶほど、
その恋にちゃんと気持ちがあったってことだと思うんだ。
もちろん、届かないまま終わるのは、切ない。
でも、ぼくは思うんだ。
届かなかった恋も、誰にも知られなかった想いも、
ちゃんと、その人に出会えた証になるって。
失恋って、なにも終わりじゃない。
「また恋したい」って思えるようになるまで、
ちょっと時間がかかるだけで。
だから、片思いに疲れた日があっても、
ぼくはそれを悪いことだとは思わない。
ただ、心が誰かに向いていた証。
たったひとりの人に、気持ちが向いていた時間があったって、
それはきっと、すごくすてきなことなんだ。
ぼくは、きっとこれからも片思いをする。
たぶん、また同じように悩んで、照れて、落ち込んで。
でもそれでも、「恋するぼく」が好きだから、
これからも、何回でも、恋をするんだと思う。
それに、片思いって、ぜんぶが報われないわけじゃないと思ってる。
返事が来た、目が合った、ちょっと笑ってくれた──
そんな小さな奇跡の積み重ねで、
ぼくは何度でも「また好きになってよかった」って思えるんだ。
好きになるって、ほんとうにすごいことだよね。
だって、たったひとりの存在が、世界を明るく照らすんだから。
ぼくが片思いをやめられない理由
