最近、相手との会話が減ってきた気がする。ドキドキもしないし、一緒にいても心ここにあらず……。そんなふうに感じたら、それは「倦怠期」のサインかもしれません。どんなカップルにも訪れる可能性があるこの時期を、どう受け止め、どう乗り越えるか。今回は、大人の視点から倦怠期のリアルと向き合います。
倦怠期ってどういう状態?──恋愛の“静けさ”に名前をつけたもの
倦怠期とは、簡単に言えば「気持ちが盛り上がらなくなってきたな…」という感覚のこと。
一緒にいてもドキドキしない、会話が少し減ってきた、前ほど会いたいと思わなくなった──そんな“静かな違和感”が積み重なっていく時期です。
これは決して「好きじゃなくなった」という単純な話ではありません。
どんなに相性の良いカップルでも、関係性が安定すれば刺激は落ち着きます。
その落ち着きを「安心」と捉えるか、「飽き」と捉えるか。そこが分かれ道です。
さらに厄介なのは、片方だけがそう感じているケース。
自分は平気でも、相手が「なんか最近、つまらない」と思っているとしたら……
二人の間に見えないギャップが生まれ、摩擦やすれ違いが起こりやすくなります。
つまり倦怠期とは、「恋が終わる予兆」ではなく、関係が進化する手前の“停滞ポイント”とも言えるのです。
倦怠期に入る主な原因5つ
1. 慣れすぎて新鮮さがなくなる
付き合いが長くなると、相手の行動や考えが読めるようになり、良くも悪くも「慣れ」が生まれます。
この“慣れ”は安心感をくれる一方で、恋愛の醍醐味でもある「ドキドキ」や「新鮮な驚き」が減ってしまうことに。
刺激の減少が、倦怠期を招く大きな要因になります。
2. コミュニケーションの質が下がる
付き合い始めは何を話しても楽しかったのに、最近は「何を話せばいいかわからない」と感じることはありませんか?
日常のルーティンに追われ、会話が事務的になると、相手との距離を感じやすくなります。
「聞いてほしい」「話したい」と思う気持ちが弱まると、気持ちそのものも冷めていく傾向にあります。
3. 相手に対する期待が高すぎる
「もっと〇〇してくれるはず」「こうあるべき」といった期待が積もると、それが叶わなかったときに不満へと変わります。
完璧を求めるほど、現実とのギャップに幻滅しやすくなり、結果として気持ちが離れてしまうことも。
4. 会う頻度が減った・物理的距離ができた
仕事や学業の都合で会う時間が減ると、自然と心の距離も広がっていきます。
LINEや電話だけでは補えない「空気感」や「表情」が伝わらず、すれ違いが加速していくことも。
距離ができることは、倦怠期のスイッチを押すトリガーになりえます。
5. 依存・束縛のバランスが崩れた
どちらかが過度に依存したり、束縛が強くなると、相手は息苦しさを感じてしまいます。
信頼関係が不安定なまま「好き」が強すぎる状態は、実は長続きしにくいもの。
愛情の表現に差があると、倦怠期という形でその歪みが現れてしまうのです。
倦怠期かもしれない。疑われる特徴6つ

1. 一緒にいても会話が続かない
沈黙が苦ではなかったはずなのに、最近は無言の時間が気まずく感じる…。
そんなときは、会話の「意欲」が減っている可能性があります。
話題が思いつかない・話しても盛り上がらないという感覚は、気持ちの距離が広がっているサインです。
2. 相手の行動にイライラするようになった
今までは気にならなかったクセや言動に、なぜかイライラする…。
これは相手への「許容度」が下がってきている証拠です。
不満が蓄積しているときや、相手の存在がストレスになりつつあるときに現れがちです。
3. 会う頻度が減っても気にならない
以前は「早く会いたい」と思っていたのに、最近は会わなくても平気。
それどころか「ひとりの時間のほうが楽」と感じる場合は、気持ちが冷め始めている可能性があります。
会いたい気持ちが減っているなら、倦怠期を疑ってみて。
4. スキンシップが減った
手を繋ぐ、ハグする、キスする…そんな触れ合いが明らかに減っていませんか?
スキンシップは愛情のバロメーター。
触れ合うことに抵抗や面倒を感じてしまうなら、心の距離ができているサインかもしれません。
5. 一緒にいる時間が「義務」になっている
「休日だから会わなきゃ」「恋人なんだから一緒にいないと」
そんなふうに“義務”として過ごしているなら、楽しさやトキメキが薄れてきている証拠です。
愛情よりも惰性が勝ってしまっている状態です。
6. 将来の話を避けるようになった
結婚や同棲、旅行の予定など、未来の話が話題にのぼらない・避けてしまう。
これは相手との今後に対して、どこか自信がなくなっている状態です。
倦怠期を経て、このままでいいのか…という迷いが生まれているのかもしれません。
倦怠期を乗り越える7つの対処法
1. 意識的に感謝や愛情の言葉を伝える
「ありがとう」「好きだよ」など、気持ちを言葉にすることは、関係をあたため直す第一歩。
倦怠期になると、こうした言葉が減りがちですが、意識して伝えることでお互いの大切さを再確認できます。
2. 付き合い始めた頃の思い出を振り返る
初デートや出会った頃のエピソードを話すことで、当時のトキメキを思い出すことができます。
写真を見返す、行きつけの場所に行ってみるのも効果的。懐かしい記憶がふたりを繋ぎ直してくれます。
3. ちょっとしたサプライズを仕掛ける
小さなプレゼントや手紙、突然の「おつかれさまLINE」など、日常にちょっとした刺激を。
マンネリ化を防ぎ、「自分のことを気にかけてくれている」という安心感が倦怠感をほぐします。
4. 会話の質を高める
「今日何してた?」だけで終わらない、深い会話を意識しましょう。
相手の気持ちを聞く、未来の話をする、価値観を共有するなど、“心の交流”を大切にすることで関係が活性化します。
5. あえて距離をとる時間をつくる
一緒にいすぎて疲れてしまうことも倦怠期の原因になります。
「1週間会わない」「LINEの頻度を減らす」など、少し離れることで、相手の存在の大きさに気づくことができます。
6. 一緒に新しいことに挑戦する
習い事を始める、行ったことのない場所に旅行する、映画を一緒に観るなど、ふたりの「新しい体験」は絆を強くします。
刺激を共有することで、関係に新鮮さが戻ってきます。
7. 思い切って気持ちを話す
「最近ちょっと距離を感じる」「なんとなく気持ちが落ちてる」など、倦怠期を感じていることを率直に伝えてみましょう。
隠しているよりも、お互いの気持ちを知ることで、どうすればよいか一緒に考えられるはずです。
倦怠期になったことある?どう乗り越えた?フリートーク
マリ:倦怠期、何度かあるわね。でも、私の場合、乗り越えるというより「受け入れる」に近かったかも。「なんか冷めてきたな」って思っても、そこで焦らないことが大事だった。
リク:受け入れる…なるほど。僕も、遠距離のときに倦怠期らしきものを感じたことがあるけど、「この人と話したい」って思える瞬間を、無理に作らず待つようにしてたかな。
ミカコ:私はね、だいたい相手の無言が気になり始めたら倦怠期のサインだった。なんか、何考えてるのか分からない時間が増えてくるのよ。でもそのたびに「言葉にしてよ」って言ってきた。面倒な女だと思われてもいいやって。
ユウト:でもそれ、すごく大切な姿勢だと思うな。僕も、「気づいてほしい」って思って黙ってた時期があって、結果関係が冷えてしまったことがある。相手を大事に思ってるなら、ちゃんと伝える努力をしなきゃいけないって学んだ。
マリ:そうそう、言葉にしないと伝わらないってこと、結婚してからますます実感してる。沈黙の中にもやもやしてると、関係がどんどん擦り減っていく感じがあるのよ。
ミカコ:あと、私の中で効いたのは「恋愛モード」から「生活モード」に意識を切り替えること。倦怠期って、期待しすぎてるときに起きる気がするから、「今はお互いちょっと落ち着く時期なんだ」って見てた。
リク:いい言葉ですね、「落ち着く時期」。ずっと燃え上がりっぱなしの恋愛なんて、現実には難しいし…。変化を受け入れる柔軟さ、大事だなあ。
ユウト:僕は倦怠期をきっかけに、「この人とずっと一緒にいたいのか?」って真剣に考える時間が持てた。だから、悪いことばかりじゃなかった。振り返ってみると、あの時期があったからこそ、関係が強くなったとも言える。
マリ:倦怠期=終わりじゃないってことね。むしろ、次のステージへの通過点。
ミカコ:ま、それでも抜け出せないこともあるけどね。そこは正直に自分の気持ちと向き合うしかないか。
リク:うん。でも、倦怠期は“どうにかしたい”と思えるだけで、まだ希望はある。そこを忘れずにいられたら、きっと乗り越えられると思います。
倦怠期でのNG行動5つ──これだけは避けたい地雷行動

1. 無理にテンションを上げようとする
「最近冷めてるかも…」と感じたときに、無理にテンション高めで接したり、イベントを詰め込んだりするのは逆効果。相手の心がついてきていないと、空回りして距離が広がるだけ。自然体の空気感を大事にして。
2. 相手を責める・問い詰める
「最近冷たくない?」「なんでそんな態度なの?」と責めるのはNG。倦怠期は一方のせいとは限らず、ふたりの関係性の流れによるもの。冷静に話し合える余裕を持とう。
3. 比較してしまう(過去の相手や他人と)
「前の彼氏のほうが優しかった」「○○カップルはもっと仲良し」など、過去や他人と比較する発言は地雷中の地雷。倦怠期の不安が爆発してしまう引き金にもなりうるので注意。
4. 一方的に距離を取る
「放っておいて」と言って連絡を絶ったり、わざと既読無視をしたりするなどの距離の取り方は、誤解を招いて関係を悪化させる原因に。自分の気持ちを言葉にしないまま距離を取るのは避けよう。
5. 別れをチラつかせて揺さぶる
「もう別れたほうがいいかもね」といった脅しのような言葉は、関係修復のチャンスを一気に潰すことも。感情にまかせた発言は後悔を生むことが多い。気持ちが不安定なときこそ、言葉の選び方は慎重に。
倦怠期から抜け出せないときは?別れを考えるタイミングと判断基準
倦怠期はどんなカップルにも訪れるもの。ただし、どれだけ努力しても気持ちが戻らない、関係がどんどん悪化する……そんなときは「この関係、本当に続けて幸せか?」と自分に問いかけることも必要です。
感情がまったく動かなくなったとき
相手の言動に喜びも怒りも感じなくなったら、恋愛感情の枯渇かもしれません。「好き」より「どうでもいい」という気持ちが勝っている場合、関係の継続は難しいと言えます。
努力するのが苦痛になったとき
倦怠期を乗り越える努力は必要。でも、その努力自体が苦しくて仕方ないなら、無理して続ける必要はありません。恋愛は「頑張る価値のある相手かどうか」が大切です。
信頼や尊重がなくなってきたとき
ちょっとした言葉で傷つけ合う。相手の気持ちを無視するような言動が続く。そんなときは「愛情」よりも「執着」や「惰性」で付き合っている可能性も。信頼の回復が難しいなら、別れも選択肢です。
自分がどんどんネガティブになっているとき
恋愛をしているはずなのに、毎日がつらい、心が荒んでいく——そんな状態なら要注意。恋愛は本来、日々に彩りや元気を与えてくれるもの。自分の心の声を見失わないでください。
「別れたい」と口癖のように思ってしまうとき
頭の中で何度も「もう無理」「別れたほうがいいかも」と繰り返すなら、それが本音かもしれません。勇気を出して関係を終わらせることが、次の幸せを引き寄せる一歩になることもあります。
倦怠期は悪いことじゃない。ふたりの関係を見つめ直すチャンスにしよう
倦怠期は、誰にでも訪れる「関係の転換点」。長く一緒にいるからこそ見えてくる“相手のリアル”や“自分の変化”に戸惑うのは自然なことです。
大切なのは、「今の関係をどうしていきたいか」を、ちゃんと見つめ直すこと。乗り越えたいと思うなら、改善の努力を。続けるのがつらいなら、離れる勇気も。
一番ダメなのは、「なんとなく」で続けてしまうことかもしれません。
倦怠期は“終わり”ではなく、“見直し”のタイミングです。ふたりの未来にとって、いま必要な選択を見つけてください。