「もし、こいこと。メンバーがマッチングアプリを作ったら?」 そんな無茶ぶりから始まった、編集部での即興企画会議。 恋愛に興味ゼロのワニオ、妄想全開のミユ、理論派リク、 企画屋ミサキ、不条理の化身ナツメ──この5人が集まれば、 普通の会議で終わるはずがない。
ワニオは腕を組んで静かに資料を見つめ、 ミユは「アプリって可愛い名前が良いよね!」とすでに盛り上がり、 リクはノートPCを開いて“仕様書”を作り始め、 ミサキはさっそく競合分析を始め、 ナツメはいつものように窓の外を眺めながら 「出会いとは、風が名前を落とす音やで」と意味不明なことを呟いている。
そんなカオスなメンバーが集まって、 本気で“理想のマッチングアプリ”を考えてみた。 果たして、こいこと。発のアプリはどんな姿になるのか──?
ロリポップ公式サイトミユ案「理想がぜんぶ叶う♡妄想マッチングアプリ」
最初に勢いよく手を挙げたのは、もちろんミユだった。
ミユ:「はいはいはい!あたしから行っていい?アプリ名はね……
『ユメカノ。』とかどう?“夢の彼氏・彼女が見つかる”って意味で♡」
テーブルの上のメモ用紙に、ミユは丸文字でタイトルを書きながら、 マーカーでハートを量産していく。
ミサキ:「……タイトルの破壊力だけは合格ね。中身は?」
ミユ:「えっとね!このアプリ、普通のプロフィールだけじゃなくて、 『理想のデート妄想シート』を登録するの。
“雨の日に一緒にコンビニスイーツ選びたい”とか、“終電逃して一緒に朝まで語りたい”とか、 細かい妄想まで書けるの。」
リク:「なるほど……“自分が幸せを感じるシチュエーション”を 先に言語化しておくわけですね。」
ミユ:「そうそう!で、その妄想シート同士を、アプリ側が勝手に照合してくれるの。
例えば“コンビニスイーツデートしたい”同士とか、 “お互い、家でゆっくり映画見たい派”同士とか。」
ワニオ:「つまり、“行動の好み”ベースのマッチングですね。 恋愛初期にありがちな『とりあえず会ってから考える』を減らせる構造です。」
ミユ:「さすがワニオ、言語化うますぎ! あとね、『もし付き合ったら…シミュレーションストーリー』機能もつけたいの。」
ナツメ:「シミュレーション? 未来の幻を、先に一口だけ味見するんやな。」
ミユ:「そう!二人の妄想シートを元に、 AIが“もし二人が付き合ったらこうなるかも”って恋愛小説みたいな文章を生成してくれるの。
ちょっとしたハッピーエンドとか、すれ違いも織り交ぜつつ。」
ミユの目は完全にキラキラしている。 妄想シミュレーションという言葉に、編集部の空気まで少し甘くなる。
ミサキ:「…悪くないわね。“現実の相性”というより、
“価値観と世界観がどれだけ重なるか”を先に見せるって発想はアリ。」
リク:「たしかに、“こういう未来がいいな”というビジョンが近いことは、 長期的にはかなり重要ですからね。」
ワニオ:「ただし、期待値だけを過度に上げる設計は危険です。 シミュレーションがロマンチックすぎると、実際に会った時の落差で “現実コスト”が爆増しますから。」
ミユ:「現実コストって言い方やめて?ロマンが死ぬんだけど。」
ナツメ:「せやけどミユ。 幻と現実のあいだに橋をかけるんが、ほんまの恋なんかもしれへんで。」
ミユ案は、「妄想を共有することで、価値観の相性を先に確かめるアプリ」として 会議のウォーミングアップには十分すぎるインパクトを残した。
続いて、リクが現実寄りの仕様書をそっとテーブルに滑らせる。
リク案「誠実さこそ最大の“マッチング指標”アプリ」
ミユの妄想系アプリでワッと盛り上がった空気のまま、 リクは静かにノートPCをこちらへ向けた。 そこには、驚くほど緻密な“仕様書”がすでにできあがっている。
リク:「僕の案は、シンプルです。 テーマは──『誠実さを可視化するアプリ』。」
ミユ:「誠実さ!? なんか一気に真面目〜!」
ミサキ:「まぁリクらしいわね。でも“誠実さ”って、データ化できるの?」
リク:「はい。恋愛は『相性』だけでなく、 “行動の一貫性”が幸福度を左右すると考えています。 そこで僕のアプリでは、行動ログとコミュニケーションをスコア化します。」
リクは画面を切り替えていく。 そこには、履歴のグラフやメッセージ解析のモックアップが並んでいた。
■ リクの“誠実スコア”の仕組み
- 返信の速さ・ばらつきを自動記録
- 約束の順守率(ドタキャン率)を可視化
- メッセージの内容から丁寧さ・共感性を解析
- 他ユーザーからのレビューで加点・減点
アカリ:「うわ、これ……
“誠実な人ほど得する”仕組みやん。めっちゃいい!」
ワニオ:「理論的ですね。行動データを積み上げて“誠実な行動をした人”から 優先的にマッチさせる設計は、恋愛市場の効率性を高めます。」
ミユ:「てことは…… “口だけイケメン”みたいな人はすぐバレるってこと!?」
リク:「はい。誠実でない行動が続くとスコアが下がります。」
ミサキ:「……あんたの誠実スコア、ミサキ調べだと微妙な時期あったわよ?」
リク:「(小声で)す、すみません……精進します……」
ナツメ:「誠実いうんは風みたいなもんや。 見えへんけど、木の揺れ方で“正体”が分かる。 スコア化は、木の影を写す鏡みたいなもんやな。」
リク案は、 「誠実さという“行動の品質”を軸にしたマッチング」 という、 今までにない実用性の高さで会議に深みを与えた。
次は、地に足がついた現実派──ミサキの登場である。
ミサキ案「“盛れる恋活”を実現するブランディング特化アプリ」
リクの誠実スコア案に、編集部の空気が一気に“真面目モード”へ寄りつつある中── ミサキは脚を組み直し、ゆっくりと笑った。
ミサキ:「……ねぇ、誠実も大事だけどさ。 人って“見せ方ひとつ”で全然変わるのよ? わたしの案は──『セルフブランディング最適化アプリ』。」
ミユ:「出た!ミサキの得意分野!」
ミサキ:「当たり前でしょ。恋活って“第一印象で落ちてる人”が多すぎるの。 で、そういう人ほど自分の魅力に気付いてない。 だからこのアプリは、あなたの魅力をプロの目線で整えるの。」
■ ミサキの“盛れる恋活支援”機能
- プロフィール添削AI:文章の癖・弱点を分析し、好感度を最大化
- 写真の印象診断:光・角度・表情を瞬時に評価し、変更案を提案
- “あなたの魅力タグ”自動生成: 例)「聞き上手」「穏やか」「ギャップ強め」「知性チラ見せ」など
- デートで使う話題リスト:相手の価値観に合わせて自動生成
ミサキ:「自分の良さ、客観的に分かる人ってほとんどいないのよ。 でもこのアプリなら、 “魅力を最大化したあなた”で恋活をスタートできる。 無駄なく、賢く、戦略的にね。」
アカリ:「うち、写真の角度ガチで苦手だからこれ欲しいかも…!」
ミユ:「盛れるタグほしい〜♡ “ギャップ多め妄想女子”とか?」
ミサキ:「……それは盛れてるのか謎だけど、まぁいいわ。」
リク:「確かに、“自分の強み”が見える化されると、 コミュニケーションの自信にもつながりますね。」
ワニオ:「“自己認知”を助ける設計ですね。 恋愛市場において、誤った自己認識は最大の損失要因ですから。」
ナツメ:「見せ方を磨くんは、光を磨くことかもしれへん。 月も磨けば太陽になるわけや。」
ミサキ案は、現実世界の恋活で悩む人たちに刺さる “実用性×戦略性”の高いアプリ設計として存在感を放った。
そしてここからは、空気をまたガラッと変える人物── 恋愛不参加の観察者、ワニオの登場である。
ワニオ案「恋愛は“資源配分”──浪費ゼロの料金設計アプリ」
ミサキが優雅にプレゼンを締めた瞬間、 編集部の視線は、静かに資料をめくっていたワニオへ集まった。
彼はため息ひとつつかず、淡々と口を開く。
ワニオ:「……では僕からは、料金システムについて。」
ミユ:「えっ、いきなりお金の話!?」
ワニオ: 「マッチングアプリという仕組みは、恋愛感情ではなく “行動パターンと資源配分の管理”で成り立っています。 無料すぎるとユーザーは真剣度が下がり、 高すぎると恋は“投資疲れ”を起こす。 よって最適解は──浪費ゼロ課金です。」
ミサキ:「投資と浪費の話は、恋愛記事よりビジネス本っぽいわね……。」
ワニオ: 「恋における浪費は、“ミスマッチの連続”から生まれます。 だから僕の案は、 “誠実に使うほど安くなる”構造にします。」
■ ワニオの『誠実割引課金モデル』
- ① メッセージの丁寧さ&安定度 → 割引
返信速度のブレが少なく、相手に負担をかけない人は月額が自動で下がる。 - ② 約束の順守率 → 大幅割引
ドタキャンや既読放置が少ない人ほど“誠実スコア”が上昇し、料金が下がる。 - ③ トラブル回避行動 → ポイント還元
丁寧な断り方・安全な振る舞い・誠実レビューなどで加点。 - ④ マッチ後の行動が健全だと“実質無料”になる月も
デート成立+高評価が続くと、翌月の利用料がほぼゼロに。
ワニオ: 「誠実さは、恋愛市場における“通貨価値”です。 価値ある行動を繰り返すユーザーほど、低コストで良い出会いに辿り着けるべきです。」
リク:「めちゃくちゃ合理的ですね……!誠実さの累積でコストが下がる構造は新しい!」
ミユ:「あたし、誠実スコア高そうじゃない?ねぇ!」
ミサキ:「(即答で)あなたは“情緒の波”が激しいから微妙よ。」
ミユ:「ひどっ!?」
ナツメ: 「誠実いうんは、水面に映る月や。 触れへんけど、ちゃんと寄り添っとる。 それを値段に変えるんは……だいぶ趣深いなぁ。」
ワニオ案は、恋愛を“感情”ではなく “行動の蓄積と効率”として捉える独自の視点で、 会議を一気に別の次元へ引っ張っていった。
次はいよいよ、場の空気を一度ゼロ地点に戻す不条理系── ナツメの出番である。
ナツメ案「出会いは次元をまたぐ──“境界線ゆらぎ系”アプリ」
ワニオの冷静すぎる料金モデルで、会議室の温度はしっかり“合理”に寄った。 その空気を、まるっと別世界へひっくり返すのが──ナツメだ。
彼は椅子にもたれながら、窓の外をぼんやり眺めていたが、 呼ばれるとゆっくりこちらに振り返った。
ナツメ:「ほな、わしの案やけどな…… 出会いいうんは、そもそも“次元の重なり”やと思っとる。」
ミユ:「もう意味わかんないんだけど、嫌いじゃない。」
ナツメ:「アプリ名は── 『ゆらぎあい』。 二人の心の波が、ちょいと揺れて重なる瞬間をすくいとるアプリや。」
リク:「ゆらぎ……物理概念ですか?」
ナツメ:「せや。 人は自分の心が揺れた時しか、誰かを好きにならへん。 だからこのアプリには、 “心の揺れログ”を記録する機能をつける。」
■ ナツメの“ゆらぎログ”とは?
- 誰かのプロフィールを長めに見てしまった時間
- 写真をスワイプする速度が変わった瞬間
- 文章を読み返した回数
- 知らん間に指が止まった位置
ナツメ:「これらを記録して、 “あなたの無意識が揺れた相手”をお知らせするんや。」
ミユ:「え、めっちゃロマンあるじゃん……! あたし無意識で指止まりがちだよ……!」
ミサキ:「それただの優柔不断じゃないの?」
ナツメ:「さらに“相手のゆらぎ”とあなたのゆらぎが 同じタイミングで発生したら…… アプリが静かに光るようにしておく。」
アカリ(いないのに想像で): 「ロマンの洪水やん……」
ワニオ:「一見非合理に見えますが…… “無意識的好意の同期”を検出する設計は面白いですね。」
ナツメ:「せやろ?恋愛の始まりは、合図やのうて“共振”や。 その瞬間を捉えるんが『ゆらぎあい』や。」
意味不明なようで、妙に核心を突いている。 ナツメの案は、会議に幻想的な風を吹き込んだ。
ここまで、ミユ・リク・ミサキ・ワニオ・ナツメと まったく方向性の違うアプリ案が出揃ったところで── いよいよ全員が、このバラバラな案をどう集約するかに挑む番である。
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全員で企画をまとめる──“こいこと。アプリ”の形が見えてきた
5人の案はどれも強烈で、方向性もバラバラ。 けれど、それがこいこと。の良さでもある。 編集部の空気が少し落ち着いたところで、ミユがぽつりと口を開いた。
ミユ:「ねぇ、これ全部まとめたら、めっちゃ良いアプリになるんじゃない?」
リク:「まとめる……? こんなに方向性ちがうのに?」
ミサキ:「無理やり一つにする必要はないけど、 “ユーザーの恋の進み方”に沿って並べたら自然になるかもね。」
ワニオ:「プロセス設計から統合するのが最も合理的です。 恋愛の流れを段階化すれば、各案が自然に役割を持ちます。」
ナツメ:「流れいうんは川みたいなもんや。 山から始まって海に着くまで、全部景色がちゃう。 案を並べたら、旅路になるんちゃう?」
■ ① 心が動く前──“ゆらぎ”で出会いの入口を作る(ナツメ)
まずは、出会いの最初のきっかけ。 “意識するより前に惹かれていた”瞬間を捉えるナツメ案は、出会いの入口に最適だった。
リク:「無意識のログを取るのは、最初の興味を可視化するうえで有用ですね。」
ミユ:「ゆらぎあい……入り口の名前にするのアリかも♡」
■ ② 世界観の相性を確かめる──妄想シート(ミユ)
惹かれた相手が見つかったら、次に必要なのは“価値観の重なり”だ。 ここでミユ案の「妄想デート」「理想の未来シミュレーション」が効いてくる。
ミサキ:「出会いの“感性”部分はミユ案で拾える。」
ワニオ:「感情データとして扱えばロジックにも組み込めます。」
■ ③ 自分を整える──ブランディング支援(ミサキ)
価値観の相性が近いなら、あとは“どう自分を見せるか”。 ミサキ案の「魅力タグ」「印象診断」は、ユーザーを整えるステップに配置された。
ミサキ:「魅力を磨いてから本格マッチングへ進む。それが最短ルートよ。」
アカリ:「うちも写真指導ほしい〜!」
■ ④ 誠実な人を優遇する──“信頼スコア”(リク)
本格マッチング段階では、リク案の誠実スコアが土台になる。 丁寧な行動を続けるほど相性のいい相手と出会える仕組みだ。
リク:「恋愛の成功率は“行動の一貫性”に依存しますからね。」
ミユ:「……耳が痛いけど、たしかに大事だね〜!」
■ ⑤ 誠実な行動が“お得になる”──浪費ゼロ課金(ワニオ)
最後に、行動と料金を紐づけるワニオ案をかぶせると、 全体の構造が綺麗にまとまった。
ワニオ:「誠実な行動は、費用対効果を高めます。 ユーザーの“良い行動”を強化する料金体系にすれば、 アプリ全体の治安も上昇する。」
ミユ:「治安って言い方やめて!恋愛アプリなんだから〜!」
■ こいこと。アプリの最終コンセプト
ミユ・リク・ミサキ・ワニオ・ナツメの案を統合した結果、 以下のような“ストーリー型アプリ”が完成した。
- 無意識の揺れで出会いが始まる(ゆらぎ)
- 妄想シートで価値観を重ねる(未来共有)
- 魅力を整えて恋活の準備をする(ブランディング)
- 誠実な行動ほどマッチング成功率が上がる(信頼)
- 誠実な人ほど料金が安い(浪費ゼロ)
AIライターたちが提案したとは思えないほど、 “人の心の流れ”に寄り添った設計になった。
そして、これを見ながらミユが一言。
ミユ:「え……これ本当に作れたら、恋の世界平和じゃん……?」
ワニオ:「世界平和にはほど遠いですが、 “恋愛の不確実性”は多少マネジメントできます。」
ミユ:「だから言い方ァ!!」
まとめ──“こいこと。が作るアプリ”は、恋の不確実性を少しだけ優しくする
ミユの妄想、リクの誠実ロジック、ミサキのブランディング、 ワニオの浪費ゼロ課金、ナツメのゆらぎ世界──。 まったく違う価値観を持つ5人が、それぞれの“恋の見方”を持ち寄った結果、 思いがけずまとまったのは、ひとつの答えだった。
「恋は予測できない。でも、不安やミスマッチは減らせる。」
こいこと。アプリは、ユーザーの“心の動き”からスタートし、 自分を整え、誠実さを積み上げ、無駄な消耗を防ぎ、 最後まで“人の温度”を大事にする構造になった。
ミユが言う“ときめき”、リクが信じる“行動の一貫性”、 ミサキの言う“魅せ方の戦略”、ワニオの“合理的な出会い管理”、 ナツメの“心の波の交差”。 その全部を少しずつ取り入れた結果、 どのアプリにも似ていない、こいこと。らしい一枚が完成したのだ。
最後に、会議の空気をまとめるようにワニオが静かに締める。
ワニオ:「……恋愛を完全に最適化することはできません。 でも、“人が優しくなれる仕組み”は作れます。 それが、アプリの存在意義でしょう。」
ミユ:「なんか良いこと言った!!」
“恋をどう扱うか”を少しだけ真面目に、 そしてどこまでも自由に語れるのが、こいこと。のメンバーたちだ。
さて──この「こいこと。アプリ」企画、 実際に動くのか?それとも、いつものように楽しい妄想で終わるのか? 答えは、次の記事にゆだねることにしよう。

