こいこと。が名言にモノ申す!
今回取り上げる名言はこちら。
「結婚前には両目を大きく開いてみなさい。結婚してからは片目を閉じなさい。」
――トーマス・フラー(聖職者・歴史家)
結婚を考えるうえで、たびたび引用されるこの言葉。結婚前はしっかり相手を見極めて、結婚後は少しのことは目をつぶって受け入れる。そんな意味に受け取れますが……果たして現代の恋愛・結婚にも当てはまるのでしょうか?
「片目を閉じるって、我慢しろってこと?」「いやいや、愛ってもっと柔軟なものじゃない?」──そんな声が聞こえてきそう。
ということで今回は、こいこと。ライター陣から4名が集結。人生経験豊富な大人チームから、恋愛真っ最中の若手まで、立場も価値観もバラバラなメンバーで、思いっきり語り合ってもらいました!
「この名言、どう受け止める?」4人のファーストリアクション
編集部:まずはこの名言を聞いて、どう思った?それぞれの立場から、率直に感じたことを聞かせてください。
マリ:私はね、わかる部分もあるのよ。結婚って長い道のりだから、相手の欠点を受け流す力も必要。でも「片目を閉じる」っていう表現にはちょっと古さを感じるかな。今の時代は“目を閉じる”より、“目の向け方を変える”ってイメージに近いかも。
ユウト:たしかに、僕もこの言葉に少し引っかかる部分があって。結婚してる立場から言うと、「見ないふり」っていうより、「見るべきものを選ぶ」感覚に近いんです。目を閉じるというより、焦点を変える。全部を見ようとすると疲れるから、信頼の上でバランスを取ってる、そんな感じです。
ミカコ:うーん、私はこの名言にはやや疑問派かな。なんか、“結婚後の我慢を美徳にしてる”ようにも聞こえてしまって。たとえば浮気とかモラハラとか、絶対見過ごしちゃいけないこともある。だから「片目を閉じなさい」っていう言い方は、ちょっと危険かもなって思う。
アカリ:え〜〜〜なんかズルくない?って思っちゃった(笑)。両目でちゃんと見て、「この人いい!」って思ったから結婚するのに、そのあとに「やっぱガマンしよ」ってなるのは嫌だな〜!てか、片目閉じるって、浮気しててもスルーしろってこと!? ムリムリムリ!(笑)
編集部:(笑)アカリ、言い方が極端だけど、でもその感覚もすごく大事な視点かもね。信頼してたはずの相手に目をつぶるって、どこまでアリで、どこからナシなのか……この名言、簡単には飲み込めない深さがありそう。
現代の恋愛・結婚に「片目を閉じる」はアリ?ナシ?
編集部:では次に、この名言を“今の時代”に当てはめるとどう感じる?恋愛観も結婚観も多様化してる今、改めて考えてみましょう。
マリ:私は離婚も再婚も経験してきて思うんだけど、「片目を閉じる」って、妥協じゃなくて“視点を切り替える力”なのよ。相手の短所を見ないようにするんじゃなくて、「この人のこういうとこ、昔は気になったけど、今は笑えるな」って思える日が来る。結婚って、そういう目線の変化も含めて成熟していく関係なの。
ユウト:うん、すごくわかります。僕も長く付き合って結婚したけど、お互いに“完璧な人間じゃない”ことを前提にしてる。だから、小さなことには目をつぶることもあるけど、それは我慢じゃなくて“許し”なんです。目を閉じることで、逆に見えるものもあるんですよね。安心とか、つながりとか。
ミカコ:私は、恋愛も結婚も「全部見たい」って思っちゃうタイプなんだけど、たしかに全部見てたら関係がギスギスしちゃうこともあるかも。完璧じゃない相手にどこまで目を向けるかって、結局自分の“心の余白”なんだなって思う。相手に合わせるっていうより、自分にとって何が大事か見極める力、って感じかな。
アカリ:なるほどぉ〜〜。あたしはまだ“恋愛=ときめきと真実だけ!”って思ってたけど、みんなの話聞いてると、「好きって気持ち」だけじゃ続かないこともあるんだなぁって感じたかも。目を閉じるって、“あきらめ”じゃなくて“やさしさ”なのかも? ちょっとだけ見方変わったかも……!
編集部:おぉ、アカリ成長の兆しかも(笑)!
マリ:でもアカリのピュアな感覚も大事よ。最初から「我慢する前提」になっちゃうのは違うと思うし、「両目で好きって思いたい」って気持ち、すごくわかる。理想と現実、どっちも知ってるからこそ、言えることもあるしね。
ユウト:そうですね。言葉の表面にだけ反応するんじゃなくて、名言の奥にある“思いやり”とか“人間関係のリアル”に目を向けることが大事かもしれないです。
この名言、自分なりに言い換えるなら?
編集部:ここまで話してきて、それぞれの経験や立場からいろんな意見が出ましたね。では最後に、「この名言を自分なりの言葉に言い換えるなら?」という形で、一言ずつ締めてもらいましょう。
マリ:「結婚前は目を凝らして、結婚後は心を広げて」
──大人になるほど、“見ること”よりも“受け入れる力”の大切さを実感してる。目を閉じるんじゃなくて、心で見ていく感覚かな。
ミカコ:「両目でも片目でもなく、“自分の視点”を信じて」
──何をどう見るかって、結局はその人の価値観や覚悟に委ねられる。目を開くか閉じるかより、自分の感覚を信じたい。
ユウト:「見るのは欠点よりも、ふたりの“育てた時間”」
──長く一緒にいると、相手の欠点なんていくらでも出てくる。でもそれよりも、“ふたりで歩いてきた時間”のほうが大事だと思うんです。
アカリ:「最初からずっと、両目でちゃんと“好き”って思いたい!」
──なんかやっぱり、全部見ても「やっぱこの人好き」って思える恋がしたいな〜って思う。理想かもしれないけど、それがアカリの本音!
編集部:名言って、読み方によって全然違う景色が見えるもの。今回もそれぞれの“目の使い方”が見えて、とても興味深い座談会になりました。
編集部まとめ:「目を閉じる」の本当の意味
「結婚前には両目を開いて、結婚してからは片目を閉じなさい」──一見シンプルなこの言葉には、人との関係を続けていくうえでの知恵や優しさが詰まっているのかもしれません。
でも現代では、「目を閉じる=我慢」ではなく、「どう見るかを選ぶ」ことや、「相手のすべてを受け止めるわけではない柔らかさ」へと変化してきているようにも思います。
今回の座談会で語られたそれぞれの価値観が、みなさんの恋愛や結婚観にとって、ヒントのひとつになればうれしいです。