今夜の座談会は、マリが書いた『愛されているのに、満たされないとき。』という記事をきっかけに始まりました。やさしい関係の中でふと感じる“心の空白”。それは恋人や夫婦に限らず、どんな関係でも起こりうる感情です。記事を読んで、それぞれ何を感じたのか──そして「自分はどうだったか?」を語り合ってもらいました。

記事を読んで思ったこと
マリ:読んでくれてありがとう。あれはね、わたしの過去そのものだったの。大きなケンカとか問題がなくても、心だけが、置いていかれたみたいに感じる夜があって。読んで、「わかる」って思ってくれたら、それだけで嬉しいわ。
ナナ:マリ姉、あの記事…ちょっとズルいくらい良かった。わたしもさ、昔いたよ?なんでもしてくれる彼氏。でも、“やってくれること”と“わたしを見てるか”って、全然違った。夜中に急に泣きたくなるような、あの感じ。あれだね、まさに。
ミカコ:共感しかない。“まなざし”がズレてるときって、どんなに優しい言葉でも、心に入ってこないんだよね。だからって責められる話じゃないのもわかってるから、余計に、自分の中で処理しなきゃってなっちゃって。
ユウト:男性目線から言うとね…正直、気づいてないこと多いと思う。「ちゃんと連絡してるし」「困ってたら手伝ってるし」って、行動で愛を表してるつもりなんだよ。でも「それ、彼女の“満たされなさ”とズレてたんだ」って、結婚してからやっと気づいたっていうか…。
ソウタ:ぼくは、逆に“愛されてるのに寂しい”って思うこと、すごく多かったかも…。たとえば笑顔で「またね」って言われても、その人の心がここにいないっていうか。言葉よりも、沈黙とか視線の方に敏感だから、余計感じやすいのかもしれないです…。
満たされなさをどう受け止めているか?
ミカコ:わたしはね、「誰かといても満たされない」って気づいたとき、最初はすごく自己嫌悪だったのよ。でもそのあと気づいたの。「あ、わたし、自分自身に無関心だったんだな」って。自分の声、ちゃんと聴いてなかったなって。
ナナ:わかる!「満たされない」って気持ち、実は“他人のせい”ってわけじゃないんだよね。でもそれって、“自分の感情を無視してきた証拠”だったりするから、気づいたときはある意味ラッキーだったなって今は思うかも。
ユウト:パートナーに「なんで最近、ちょっと距離感じるの?」って言われたことがあるんです。「俺はちゃんとやってるのに…」って一瞬思ったけど、その“ちゃんと”が相手の“寂しさ”とズレてたんですよね。そこからは、会話の“量”より“質”を意識するようになりました。
ソウタ:ぼくはね、感情に飲まれちゃうタイプなんですけど、最近ようやく、「満たされないって、ちゃんと向き合えば“願い”なんだな」って気づけた。寂しいって思うのは、“ちゃんとつながりたい”ってことだから。それ、すごく大切な気持ちだなって。
マリ:みんなの言葉を聴いてて思うの。「満たされない」って、すごく繊細で傷つきやすい感情だけど、そこに気づけた時点で、もう癒しが始まってるのよね。自分を責めるんじゃなくて、ただ「そう感じてるんだね」って、静かに抱きしめてあげる。それが、ほんとうのつながりへの第一歩になると思うの。
編集部まとめ
“愛されているのに、なぜか満たされない”。それは「我慢が足りない」とか「贅沢」ではなく、人が誰かとほんとうに心を通わせたいと思った時に起こる、ごく自然な、そして尊い感情かもしれません。マリの記事はもちろん、5人それぞれの気づきと体験が、みなさんの心にもそっと寄り添いますように。