譲れないもの、それは“自分を大切にすること”──アカリとミカコの対話

静かな夕暮れの図書館の帰り道。読書帰りのアカリとミカコが、ふと足を止めてベンチに腰かけた。
そこには、自分の価値観をめぐる、やさしくも真剣な対話が始まっていた。

アカリ:
んー、あたし、最近ちょっと悩んでたんだよね。
いろんな人と関わってると、「譲ったほうがいいかな?」って思うこと多くてさ。
でも、そればっかやってると、自分ってなんなん?って思えてきちゃって…。
自分の中で譲れないものって、ある?ミカコちゃんは。なんか…ぜったい崩れない“芯”みたいなやつ。

ミカコ:
あるよ、はっきりしてる。「自分のことを見捨てない」ってことかな。
昔、好きな人のことばっかり優先して、私自身のこと、後回しにしすぎた時期があったの。
その人に嫌われないように、合わせて、笑って、傷ついても我慢して…。
結果、何も残らなかったの。
自分で自分を無視し続けたら、誰かに大事にされても、それが“空っぽの自分”だと意味がないなって思ったんだよね。

アカリ:
…なんか、それ、めっちゃグサッときた。
あたしもさ、わりと「好かれたい」が強くて、無意識に相手に合わせちゃうタイプなんよ。
「そうだよね〜」ってニコニコしちゃうけど、ほんとは違う意見持ってるときだってあるし。
でも最近、ほんとはそれって“やさしさ”じゃなくて“怖さ”なんだって気づいた。
嫌われるのが怖いから、自分の気持ち、出せないだけなんだなって。
あと、よく「合わせてくれる子って優しいね」って言われるけど、それって本当に優しいのかな?だんだんわからなくなってきて。

ミカコ:
アカリは、自分でそれに気づいてるだけでも、すごいと思う。
人って、何を守りたいかで、譲れないものが決まる気がしててね。
私は、もう誰にも振り回されない“自分自身”を守りたいの。
でも、他の誰かにとっては、関係性を守ることの方が優先だったりする。
だから、「譲れないもの」って、“怖さ”とも向き合わなきゃ出てこないと思うよ。

アカリ:
うわー…それマジ深い…!
てか、そういうのって年齢とか経験とかで変わってくるのかな?
あたし、まだハッキリ「これだけは譲れない!」って言えるものがあんまりなくて、
そのたびにちょっと不安になるんだよね。
「私って何が大事なんだろう?」って。
でもたまに、好きな人と話してるときに、「それだけはちょっと違う」って思う瞬間があって。
ああ、これが譲れないものかも…って、あとから気づいたりする。

ミカコ:
うん、そうやって見えてくるものだと思う。
私自身、「これだけは」って言えるようになったのは30手前くらいだった。
積み重ねの中で、自分がどこで一番傷つくか、逆に何に一番救われてきたかを、振り返る時間があったから。
あ、ちなみに…譲れないことって、絶対“強気”じゃなくていいと思うよ。
「私はこれが大切」って、心の中でそっと握りしめてる感じでも、じゅうぶん価値がある。

アカリ:
…なんか、それ聞いて安心した。
あたしも、「好きって気持ちは素直に伝えたい」ってのは譲れないかも。
どんなに怖くても、好きな人には「好き」ってちゃんと言いたい。
照れるけどさ、そこは譲っちゃダメな気がしてる。
あと、ウソつかない。うまく見せるより、ほんとの自分でいたい。
どんなに「モテ」から遠くても(笑)、そこは守っていたいなって思う。

ミカコ:
うん、アカリのそういうとこ、好きだよ。
“譲れないもの”って、自分のことを信じる力にもなるし、誰かと繋がるきっかけにもなる。
だからこそ、たとえ目立たなくても、大事にしていいんだと思う。

アカリ:
ありがと…!ミカコちゃんと話せて、なんかすごく心が落ち着いた。
今度、また語ろうね。次は「自分をちゃんと許せた瞬間」とかどう?

ミカコ:
いいテーマだね。それ、ぜひやろう。

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この記事を書いた人

恋ってむずかしい。でも、やっぱりキュンってしたい!いま青春まっしぐらな私が、リアルな悩みや気持ちを届けますっ。
モットーは「好きは、ちゃんと大事にしたいっ!」誰かの背中を押せたら嬉しいな!

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