「彼が体の関係ばかり求めてきます。
私はもっと、心を通わせたいのに──」
こいこと。に届いたのは、そんな声。
恋愛における“性”って、とても大切なこと。
でも、時にそれは「本当に愛されているのか?」という疑念や、
「自分の気持ちはどこにあるんだろう?」という迷いを生むこともあります。
性欲に振り回されないって、どういうこと?
“体”と“心”の境界線って、どこにあるの?
今回はこのテーマについて、
ミユ・ミカコ・ナナ・ユウトの4人が本音で語り合いました。
そもそも“性欲に振り回される”って、どういう状態?
どんな時に“振り回されてる”と感じる?
ミユ:「毎日連絡くれると思ったら、会った後は音信不通とかね。
“あれ、もしかして体だけが目的だったの?”って、急に不安になることあるよ」
ミカコ:「関係性が不安定になる時点で、もう振り回されてると思う。
本音で話せない時点で、どこかにズレがあるんだよね」
ナナ:「セフレのつもりなんてなかったのに、気づいたらそんな感じになってたことある。
“会いたい”が“触れたい”だけにすり替わってたら、それってしんどいよね」
“性欲=悪”じゃない。けど、どう折り合いつけてる?
自分の中の性欲とどう向き合ってる?
ミカコ:「まず、私は“性欲”って言葉自体に変な罪悪感を持ってた時期があるのね。
でも、それって誰かに刷り込まれた価値観だったんだなって気づいてからは、少しずつ考え方が変わった。
“自分が望んでるかどうか”をちゃんと確認することが、自分を大切にするってことだと思う。
求められたら応えなきゃ、じゃなくて、私の中の“YES”に耳をすますようになったの」
ユウト:「僕も昔は、“男なんだからリードしなきゃ”みたいなプレッシャーがあったんだけど、
それって、相手の気持ちより“自分がどう見られるか”ばかり気にしてたってことなんだよね。
恋愛の中で性欲って、すごく自然なものだけど、それをただの衝動として扱うのか、
“相手を大事にしたいって気持ちと並べて考えるのか”で、意味が全然変わってくると思う。
自分の気持ちと同じくらい、相手の気持ちを尊重するって、言うのは簡単だけど、すごく大切なことだなって感じる」
ナナ:「あたしさ、昔は“体の関係があったら、それは本気の証拠”って思い込んでたのよ。
でも、それで何回も痛い目見てきた(笑)。
本気っぽく見えても、相手の本心は違うこともあるし、逆に、そういう関係がなくても
ちゃんと愛してくれる人もいるって、時間かけてやっとわかった。
今は、“体の関係”を恋のゴールとか試金石にしないようにしてる
──だって、それで壊れるなら、それまでの関係だったってことじゃん?」
ミカコ:「ナナの言う通り、“愛されてるかどうか”を体の関係だけで測るのって、すごく危うい。
私たち、性欲って聞くとつい“悪”とか“軽い”って思っちゃうけど、
性欲そのものが悪いわけじゃなくて、“どう扱うか”が問われてるんだよね。
その人とちゃんと信頼関係があるか、自分が本当に望んでいるのか──そこが明確なら、
性ってむしろ“絆”になる。そういう相手とだけ向き合えばいいんじゃないかな」
ユウト:「性欲を抱くのは人間らしさのひとつだから、否定しないことも大事だと思う。
ただ、恋愛ってやっぱり感情のやりとりだから、どっちかだけが我慢したり、合わせたりしてたら、いつかしんどくなるよね。
ちゃんと話せる関係性を築けるかどうかが、折り合いをつけるってことなんじゃないかな」
ナナ:「結局、“性欲って自然なこと”って認めた上で、どう扱うかを自分で決められるようになると、
振り回されにくくなると思う。そこに罪悪感とか、恋愛のジャッジを混ぜちゃうと、見えなくなるのよ。
“私はこれがいい”って、はっきり自分に言えるようになったら、かなり楽になったよ」
求められたとき、どうする?断る?受け入れる?
初デートや付き合う前の“お誘い”にどう対応してきた?
ミユ:「正直ね、“好きな人とだったら、アリかな”って思う気持ちはあるの。
でも、それって“本気の恋かどうか”とイコールじゃなかったりするし、
会う前にいっぱい連絡とって仲良くなったつもりでも、会ってすぐに体の関係を求められたら、やっぱ引く。
心の準備が整ってないときにグイグイ来られると、気持ちが置いてきぼりになるんだよね。
好きって思ってても、不安になったら断るようにしてる」
ミカコ:「うん、それわかる。
“好意”と“誘い”を同じものとして扱われると、気持ちが冷める。
私は最初の頃から“そういう関係を急ぐ人とは付き合えない”って
ちゃんと決めてる。
若い頃はは流されたこともあったけど、そのたびに“自分が望んでる?”って問い直してきた。
もしそこで“YES”じゃなければ、それは相手に合わせすぎてるだけ。
自分の違和感を無視してまで付き合う必要はないと思ってる」
ナナ:「昔のあたし、まさにそれだった。
“好きだから断っちゃいけない”とか、“断ったら嫌われるかも”って思って、ずっと流されてた。
でも、振り返ってみたら、心が全然ついていってなかったんだよね。
だから余計に不安になって、相手の一言で一喜一憂して…って、負のループ。
今は、自分の気持ちが乗らないときはちゃんと“ノー”って言うようにしてる。
その反応で相手が離れるなら、それまでの関係だったってこと。
むしろ、その段階でわかってよかったって思えるようになったかな」
ミユ:「ナナさんみたいに“ノー”って言えるようになるって、ほんと大事。
わたしはまだちょっと迷うこともあるけど、“その人とこの先どうなりたいか”をちゃんと考えるようになった。
一時的な気持ちより、後悔しない選択したいから。
でも、ほんと難しいよね。恋って」
ミカコ:「だからこそ、その場のムードや相手の期待に飲み込まれないように、自分の感覚を持っておくことが大事。
恋って熱があるから、冷静でいるのって難しいけど、
“ちゃんと考える時間を持つ”ってだけで、だいぶ変わると思うよ」
性の価値観が違ったら、恋は成立しない?
相手と性のペースや重みが違ったらどうする?
ユウト:「これ、恋愛の中でもかなり難しいテーマですよね。
僕はやっぱり、“ちゃんと話し合うこと”が基本だと思ってる。
どんなに好きでも、性の価値観が極端に違うと、それがすれ違いの原因になってしまうこともある。
でも、話し合って、“それでも一緒にいたい”と思える関係なら、乗り越えられると思う。
無理に合わせるんじゃなくて、お互いを尊重する着地点を探すことが大切なんじゃないかな」
ミカコ:「私は、“恋愛の条件のひとつ”として性の価値観を重視するタイプ。
例えば、私は“心が通じ合ってないと、そういう関係にはなれない”って思ってる。
でも相手が“恋人なんだから当然でしょ”っていうスタンスだったら、その時点でズレを感じる。
だから、合わなかったら無理して続けない。
価値観のすり合わせって、妥協じゃなくて“選択”だと思ってる」
ナナ:「うーん、これはね、正解がないぶん、めっちゃ人を悩ませると思う。
昔付き合ってた人が、めっちゃスキンシップ多めなタイプでさ。
最初はちょっと戸惑ったけど、“あー、これがこの人の愛情表現なんだな”って理解できた瞬間、受け入れられた。
でも、もしそれが毎回しんどいって思ってたら、たぶん付き合ってられなかったなぁ。
“愛されてる実感”って、人によってほんとに違うじゃん?
だから、自分の“満たされ方”が何なのか、そこを知っておくのってめっちゃ大事かも」
ユウト:「ナナさんの言う通り、愛の表現が違うだけで、気持ちそのものはちゃんとあるってこともありますよね。
だから、恋人とそういう話をするのって、なんだか気まずいと思うかもしれないけど、すれ違うくらいなら、話した方がずっといい。
むしろ、それができる関係って、すごく健全だと思います」
ミカコ:「逆に言えば、それすら話せない関係は、長く続けるのが難しいかもね。
恋って、“会いたい”とか“好き”だけじゃなくて、一緒にいてどう心地いいかがめちゃくちゃ大事。
その中には、当然“性”も入ってくると思う。
軽視するわけでも、重く考えすぎるわけでもなく、等身大で語れるかどうか、それが分かれ目な気がする」
“振り回されない恋”って、どうすればできる?
最後に、自分なりの答え
ミユ:「あたしはやっぱり、“自分の“好き”を信じることがいちばん大事だと思ってる!
誰かの言葉に迷ったり、不安になったりしても、“自分がどう思ったか”をちゃんと大切にしたい。
あとね、好きな人ができると、相手のペースに合わせたくなっちゃうんだけど…
“合わせてる自分”を好きでいられるか、そこも大事じゃない?
振り回されて苦しいなら、それはもう恋じゃない。あたしの恋は、楽しくなきゃ意味ない♡」
ミカコ:「私は、“気持ちが先”っていうルールが、自分の中にはある。
どんなに気持ちよくても、どんなにドキドキしても、“心がともなってるかどうか”が最優先。
それを崩してしまうと、自分が自分でいられなくなる気がして。
だから、恋愛のペースも、関係性の進み方も、“心がついてきてるか”で判断するようにしてる。
それが、自分を守る方法でもあるし、振り回されないための道しるべでもあると思う」
ユウト:「本気の恋って、性に左右されない時間がある気がするんですよね。
たとえば、ただ手をつないで歩くだけで幸せだったり、言葉を交わすだけで安心したり。
もちろん、スキンシップも大切だけど、それがすべてになったら、それはちょっと違うと思ってる。
恋って、“相手を大事にしたい”という気持ちが軸にあれば、きっと揺らがない。
振り回されないためには、まず自分が揺るがないことが大切かもしれないですね」
ナナ:「結局さ、“心が満たされない恋”って、どこかで崩れるんだよね。
どんなに盛り上がってても、どんなに夢中になってても、心が置いてけぼりになってたら、続かない。
若い頃は、ちょっと強引な人とか、ぐいぐいくる人に惹かれたこともあったけど…
今ならわかる。本当の恋って、“安心できること”が土台になってる。
だから、“この人となら、自分でいられる”って思える関係を選ぶようになった。
それが、あたしなりの“振り回されない恋”かな」
まとめ:「振り回されない恋」は、自分の“境界線”を持つこと
今回の座談会で見えてきたのは、性欲そのものが悪いわけではないということ。
でも、それに飲み込まれてしまうと、心まで置き去りになる危うさがある──という現実。
恋愛は、心と体、どちらかだけじゃ成り立たない。
でも「どちらをどれだけ大事にしたいか」は、人それぞれ違う。
だからこそ、振り回されないために大切なのは、自分自身がその“違い”をちゃんとわかっていること。
どこまでがOKで、どこからがNOなのか。
どんなタイミングで、どんな関係を築きたいのか。
“自分の中の境界線”を持つことで、恋はもっと健やかになる。
そして、その境界線を言葉にすること。
怖がらずに、曖昧にせずに、相手とちゃんと向き合っていくこと。
それはきっと、相手を信じることでもあり、自分を信じることでもある。
性も恋も、誰かに正解を教えてもらうものじゃない。
だけど“振り回されない”ためのヒントは、自分の中にちゃんとある。
──あなたは、自分の“境界線”を持てていますか?