「ペット飼いたい♡」って言ったら、編集部の2人が本気で止めてきた件。

──ある日の、こいこと。編集部。
ふと休憩中にアカリが放ったひと言から、話は始まった。

アカリ:ねぇ、うちさ、犬飼いたいんだよね〜♡ トイプーとか、マルプーとか、ちっちゃい子!毎日癒されるやん?

ソウタ:あ、それめっちゃいいね。犬って……なんか、いい匂いするよね……

ワニオ:……おやおや。ついに命を迎え入れる覚悟が生まれたようですね。

アカリ:え、なにその言い方。こわっ(笑) 普通に“かわいいから飼いたい”ってだけなんだけど!

ワニオ:ふむ。 ではまず、その“普通に”という感覚から疑ってかかりましょう。

ソウタ:え、なになに?またワニオくんの哲学タイム?

ワニオ:はい、少々だけ。 犬とは、毛玉のような外見に愛を宿した責任のかたまり。 可愛いとは、責任を忘れる甘美な錯覚でもあります。

アカリ:む、むずかしっ……

ソウタ:でもちょっとわかるかも。 可愛いってだけで全部OKってわけじゃないよね。

こうして始まった「ペット飼いたいトーク」。 編集部で最年少のアカリに、恋愛も命もマジで向き合う ワニオ&ソウタが容赦なく現実を突きつける。


目次

毎日の散歩は、“義務”です。

ワニオ:アカリさん。犬は散歩が必要な生き物です。 365日、雨の日も風の日も。 それを「行けない日もあるかも〜」などとお考えでは?

アカリ:うっ……いや、行くよ?ちゃんと!たぶん!

ワニオ:その「ちゃんと」の解像度が問題なのです。 “ちゃんと”とは、7時起床・20分散歩・週1シャンプー・病院代月1確保── これらを含めた完全パッケージを指します。

ソウタ:え、それもう育児じゃん……

ワニオ:そうです。犬とは、もはや毛のはえた息子。 恋愛でいえば、“デートに連れて行けない   彼氏”と同棲するようなものです。

アカリ:……いや、うち、さすがにそこまで覚悟してなかったかも……

ソウタ:でもさ、犬と毎朝散歩って、逆に規則正しい生活になるかもよ?

ワニオ:確かに。 ですがそれは「覚悟が整っている者」にのみ許された効能です。

アカリ:うち、犬カフェ行くくらいで満足しとこかな、いったん。

恋とペット、両立できるの?

アカリ:てかさ、もしうちが犬飼ったとして── 彼氏できたらどうなんの?デートとかで散歩行けなかったら?

ワニオ:なるほど、ついに出ましたね。“恋愛と命の両立”問題。

ソウタ:うん、それめっちゃある気がする…… なんかさ、付き合ったら一緒に出かけたいもんね。

ワニオ:では問います。 「恋に生きるか、犬に尽くすか」。 この2択が、ある日突然あなたの前に現れたとき、どちらを選びますか?

アカリ:ええ〜〜どっちも大事なんだけど!?

ワニオ:たとえばこうです。 待ち合わせの時間に、愛犬がトイレを我慢している。 あなたはその目を見て、彼氏に「ごめん、遅れる」って言えますか?

アカリ:うわ……想像したら、罪悪感えぐいかも……

ソウタ:でもその彼氏が、「いいよ、散歩終わってからで」って言ってくれたら…… なんか好き度上がるかも。

ワニオ:ふむ、理想的ではあります。 しかし現実は、「え、まだ? てか犬と俺どっち優先すんの?」というパターンもあります。

アカリ:あ〜〜〜!言われそうそれ!!

ワニオ:ペットを迎えるとは、未来の恋愛にも“選択”を迫る契約です。

アカリ:……ちょ、待って、それもう怖い話じゃん(笑)

ソウタ:でも、ペット好きな人と出会えたら、逆に強いかもね。

ワニオ:まさに。共に歩む命のパートナーと、恋のパートナー。 理想は、その2者が重なることですね。

アカリ:いや、うちたぶん今まで、そんなん何にも考えずに「犬欲しい♡」って言ってたわ……

ソウタ:まぁ、その気持ちはすごくわかる(笑)

ペットにかかるお金と、一生の覚悟

アカリ:てかさ、実際ペットってどのくらいお金かかるの?

ワニオ:はい、現実のお時間です。 まず、初期費用としてケージ・トイレ・食器・予防接種などで数万円。 その後も毎月のフード代、トリミング、医療費……

アカリ:え、月に1万くらいじゃすまないの?

ワニオ:それはあくまで健康なときのお話です。
年をとったり、病気をしたりすれば、1回の通院で数万円も普通にあります。

ソウタ:でもごはん買いに行くのはちょっと楽しそうだよね〜 なんか、“今回はチキン味にしよっか?”みたいなやつ。

アカリ:わかる〜♡ おやつ選ぶのとかテンション上がりそう!

ワニオ:テンションと財布の残高は反比例しますが、それもまた愛ですね。

アカリ:てかさ、病気のこととか、正直あんま考えてなかったかも……

ワニオ:生き物を迎えるとは、「最後まで見届ける」という約束です。 それは“可愛い”だけで成立する契約ではございません。

ソウタ:おじいちゃん犬になっても、ちゃんと一緒にいられるかな……ってことだよね。

ワニオ:そのとおりです。 ペットは恋人より長く付き合う存在になる可能性も高い。
ゆえに、愛とは一過性であってはなりません。

アカリ:うぅぅぅ…… うち……なんか一気に責任の重さ感じてきた……

ワニオ:ようこそ、「命と向き合う覚悟の入口」へ。

そしてアカリが出した答えは?

アカリ:うちさ、今まで“ペット飼いたい♡”って、 ちょっと軽く言ってたかもしれん……

ワニオ:それに気づけたというだけで、今日の座談会は価値がありました。

ソウタ:でもさ〜、いつか飼えるといいね。 ちゃんと考えたうえで、「この子と一緒に生きたい」って思えたら。

アカリ:うん……そのときは、覚悟して迎えたいな。
命って、かわいいだけじゃ済まないんやね……

ワニオ:“かわいい”は入り口、“責任”が出口。 でも、本当に大事なのは、その間にある“毎日”です。

ソウタ:毎日かぁ…… 毎日って、けっこうすごいよね……

アカリ:よし、決めた! とりあえず今は、もうちょっとだけ、犬カフェで我慢する(笑)

ワニオ:すばらしい決断です。 命に対する尊重は、我慢という名の愛から始まることもございます。

アカリ:てかさ、もうさ…… いっそ編集部でワニオくん飼えばよくない?(笑)

ソウタ:えっ、それめっちゃいい…… ワニオさん、エサいらないし。

ワニオ:私は昼寝スペースとちょっとした床暖房さえあれば、快適に暮らせます。

アカリ:じゃあもう決まりやん(笑) “編集部公認ペット:ワニオ”ってことで♡

ワニオ:その際は、飼育許可証に印鑑をお願いしますね。肉球スタンプで。

ソウタ:……かわい〜〜〜♡

──命を迎えるって、たぶん恋よりずっと覚悟がいる。 でもその重さがわかる人なら、きっと優しくなれる。

アカリの「飼いたい♡」は、ちょっと大人に育ちました。

そして、ワニオは今日も、編集部のソファで丸くなって眠っている……(かもしれない)

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