「もし、あのとき勇気を出していたら」
「あと少しだけ早く出会っていたら」
そんなふうに思い出す人って、いませんか？
ちゃんと付き合ったわけじゃないけど、心が動いた人。
気持ちは通じていた気がするけど、結局なにも始まらなかった人。
タイミングさえ違っていたら、今も隣にいたかもしれない。
そんな“ズレた恋”って、不思議なくらい、忘れられない。
あの人と目が合ったとき、世界が止まった気がした
教室で、ふいに目が合ったとき。
打ち上げの帰り道、偶然ふたりきりになったとき。
他愛もない話で笑いあったあの夜。
あの人が私を見ていた目。
あの人が言った、さりげない「また話そ」の一言。
気のせいじゃないと思いたい。
だって、こっちも嬉しくて、仕方なかったから。
でもそのとき私は、前の恋をまだ引きずっていた。
彼は進路や仕事でいっぱいいっぱいだった。
気持ちはあった。
でも、それをちゃんと“恋”として伝えるタイミングが、なかった。
ちゃんと終わってないから、ちゃんと忘れられない
付き合って別れた恋よりも、
始まらなかった恋のほうが、引きずることってある。
だって、終わってないから。
振られたわけでも、傷ついたわけでもない。
ただ、静かに、何も言えないまま終わってしまった。
だからこそ、心のどこかで
「もしあのとき…」の続きをずっと探してしまう。
その後も、何度かチャンスはあった。でも
大学に入ってから、偶然再会した。
懐かしさと少しの照れくささ。
「久しぶり！」って笑ってくれたあの顔が、いまだに忘れられない。
でも彼には新しい彼女がいた。
SNSには、彼女と出かけた写真が並んでた。
“幸せそう”ってこういうことなんだな、って思った。
嬉しいような、寂しいような、不思議な気持ち。
私はもう彼の“今”にはいない。
でも、思い出の中には、ちゃんと存在してる。
妄想の中でだけ、会いにいってしまう
ふとした瞬間に思い出す。
あの映画、彼も好きそうだな、とか。
駅前のあの店、そういえば行こうって言ってたな、とか。
LINEの履歴は消したのに、
時々“もし、今送ったらどうなるかな”って想像してしまう。
返事が来るかはわからない。
でもたぶん、もう必要ないって自分でも分かってる。
それでも、心のどこかで、
「ちゃんと好きだったよ」って、あの人に伝えたかった。
タイミングがズレただけ。でも、本気だった
恋って、タイミングがすべてじゃない。
でも、タイミングってやっぱり大きい。
好きな気持ちがあっても、
出会った時期や心の状態ひとつで、すれ違ってしまう。
だけど私は、あのとき確かに彼を好きだった。
伝えられなかったけど、本気だった。
まとめ：忘れられない恋が、私を育ててくれた
叶わなかったけど、大切だった恋。
ちゃんと向き合えなかったけど、ちゃんと想ってた。
そんな恋があったから、今の私がいる。
きっとこれから誰かを好きになったとき、
私はもう少し、素直になれると思う。
過去の恋に、ありがとうって言えるようになるまで。
もう少しだけ、思い出していてもいいよね。
