ナナとミカコの今夜も乾杯!第3話 なんで“いい人”って恋愛で負けるの?

暖簾をくぐると、やわらかな出汁の香りがふわりと広がった。

落ち着いた照明、静かなカウンター。

いつもの居酒屋とは少し違う、言葉が自然と深くなる場所。

盃を軽く合わせたあと、ナナがぽつりと口を開いた。

「いい人ってさ、なんで恋愛で負けるの?」

その一言に、場の空気が少しだけ変わる。

笑い話では済まないテーマ。

でも、誰もが一度は考えたことのある問いだった。

目次

いい人=恋愛で勝てる人、ではない


ナナ:
いやでもほんと、なんでなんだろうね

ナナ:
優しいし、ちゃんとしてるし、変なこともしない

ナナ:
それなのに恋愛になると負ける人、いるじゃん

ミカコ:
いるね

ミカコ:
しかもわりと高確率で

マリ:
いるわねぇ

マリ:
人としては素敵なのに、なぜか恋愛では選ばれにくい人

ナナ:
そうそう、それ

ナナ:
で、選ばれるのはちょっとクセある男だったりするのよ

ミカコ:
ナナの恋愛遍歴が透けてる

ナナ:
うるさい

ナナ:
でも実際そうじゃない?

ミカコ:
まぁね

ミカコ:
たぶんだけど、いい人って“減点が少ない”だけで、加点が弱いんだよね

ナナ:
あー……

ナナ:
それちょっとわかるかも

マリ:
どういうこと?

ミカコ:
嫌なところはない

ミカコ:
でも、強く惹かれる何かもない

ミカコ:
恋愛って、安心感だけじゃ始まらないことあるから

ナナ:
そうなのよね

ナナ:
いい人なんだけど、好きになる感じじゃないっていうか

マリ:
一緒にいて心地いいのと、恋に落ちるのは少し違うものね

ナナ:
そうそう

ナナ:
で、そういう人ってだいたい告白すると

ナナ:
「いい人だとは思うんだけど」って言われるのよ

ミカコ:
出た、恋愛界のやんわり断り文句

マリ:
でもあれ、残酷だけど本音なのよね

マリ:
“嫌いじゃない”と“好き”の間って、思ったより遠いから

いい人=都合いい人になってしまう瞬間


ナナ:
でもさ

ナナ:
いい人ってさ、そのまま都合いい人になってるパターン多くない?

ミカコ:
多いね

ミカコ:
むしろそこが一番の問題かも

マリ:
どういうところでそうなるのかしら

ミカコ:
例えば

ミカコ:
相手の都合に全部合わせる

ミカコ:
断らない

ミカコ:
頼まれたらすぐ動く

ミカコ:
“いい人でいようとしすぎる”

ナナ:
あーそれそれ

ナナ:
優しいんじゃなくてさ

ナナ:
嫌われるのが怖いだけなんだよね

ミカコ:
そう

ミカコ:
で、その結果どうなるかっていうと

ミカコ:
優先順位が下がる

ナナ:
出た

ナナ:
それめっちゃある

マリ:
どういうこと?

ミカコ:
人ってね、簡単に手に入るものを後回しにするのよ

ミカコ:
だから、いつでも会える人は、いつでもいい人になる

ナナ:
うわ、刺さる

ナナ:
呼べば来る人になっちゃうんだよね

ミカコ:
そう

ミカコ:
で、そういう人は

ミカコ:
恋愛対象じゃなくて“便利な人”になる

マリ:
……つらいわね

ナナ:
でも現実だよね

ナナ:
いい人ってさ

ナナ:
自分の価値を自分で下げてることあるのよ

マリ:
でもそれって

マリ:
優しさがあるからこそ、なのよね

マリ:
誰かを大事にしたい気持ちが強い人ほど、そうなりやすい

ミカコ:
そこは否定しない

ミカコ:
ただ

ミカコ:
優しさと自己犠牲は別物だからね

いい人は、負けてるわけじゃない


ナナ:
なんかさ

ナナ:
いい人って損してる感じするよね

ミカコ:
短期的にはね

ミカコ:
派手な人のほうが目立つし、選ばれやすい

マリ:
でもね

マリ:
いい人は、負けてるわけじゃないのよ

ナナ:
どういうこと?

マリ:
恋愛って、勝ち負けじゃないでしょう?

マリ:
長く続く関係に必要なのは、結局“安心できる人”なの

ミカコ:
それは間違いない

ナナ:
たしかにね

ナナ:
最終的に戻るのはそういう人かも

マリ:
だから

マリ:
いい人は、遅れて評価されるタイプなのよ

ミカコ:
長期投資型だね

ナナ:
株みたいに言うな

マリ:
ふふ

マリ:
でも本当にそう

マリ:
ちゃんと見てくれる人に出会えれば、それでいいの

ナナ:
いいねそれ

ミカコ:
じゃあ今日の結論は

ミカコ:
いい人は戦い方を間違えなければいい

ナナ:
それでいこう

ナナ:
じゃあ最後に

ナナ:
いい人たちの未来に

ミカコ:
乾杯

マリ:
きっと大丈夫よ

静かな店内に、グラスの音がやさしく響いた。

外に出ると、夜の空気は少しだけ冷たくて、でも心地よかった。

いい人のままでいい。

ただ、その価値をわかってくれる場所を選べばいいだけだ。

まとめ|いい人が恋愛で負けないために


「いい人なのに恋愛でうまくいかない」

そんな悩みの理由は、優しさそのものではなく、使い方にあることが多い。

今回のポイントを整理すると、以下の通り。

  • いい人は減点が少ないが、加点が弱くなりがち
  • “誰にでもいい人”は都合のいい人になりやすい
  • 優しさと自己犠牲は別物
  • 恋愛は安心感だけでなく、感情が動くことも必要
  • 価値をわかってくれる相手を選ぶことが大切

いい人であることは、決してマイナスではない。

ただ、その価値が正しく伝わる場所と相手を選ぶこと。

それだけで、恋愛の結果は大きく変わる。

いい人は、負けているわけじゃない。
ただ、戦い方を少し変えるだけでいい。

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