昼休みの編集部。
ミユがスマホを見ながら、急に「えっ」と声を上げた。
ミユ:これ、分かるかも。
ミカコ:何が?
ミユ:恋愛相談。
ミユ:「今まで全然意識してなかった人に告白されたんです。でも、それから急にその人のことばかり考えるようになって……。もしかして好きになったのかなって。」
ミユ:これ、めっちゃありそうじゃない?
ミカコ:私はまず疑うけどね。
ミユ:早いよ。
ミカコ:だって、「告白されたら気になった」と「好きになった」は同じじゃないでしょ。
ミユ:でもさ、昨日まで何とも思ってなかったのに、次の日からその人のこと考えちゃうんだよ?
ミユ:それもう恋の入口じゃない?
ミカコ:入口かもしれないし、「自分を好きな人」が急に気になってるだけかもしれない。
マリ:でも、告白をきっかけに始まる恋ってあると思うわ。
マリが穏やかに笑う。
マリ:それまで恋愛対象として見ていなかった相手でも、「この人、私のことをそんなふうに見てたんだ」って知った瞬間に、見え方が変わることはあるもの。
リク:相手そのものは昨日と変わっていないのに、自分の中では意味が変わるんですよね。
ミユ:そうそう!
ミユ:昨日まで普通に「おはよう」って言われてたのに、告白された次の日から「あ、この人、私のこと好きなんだ……」ってなる。
ミカコ:そこで勝手に全部の行動へ意味を足し始めるわけね。
ミユ:言い方(笑)。
ワニオ:でも、かなり面白い現象です。
ワニオ:相手は何も変わっていません。
ワニオ:変わったのは、「この人は自分を好きだ」という情報が一つ増えただけです。
リク:その情報によって、今まで見えていなかった部分を見るようになることもあります。
マリ:だから、「告白されたから好きになったなんて変かな」と思わなくていいんじゃないかしら。
ミカコ:ただし。
ミカコ:「好かれて嬉しい」と「その人を好き」は、一回分けて考えた方がいい。
ミユ:そこ、今日ずっと言いそうだね。
ミカコ:大事だから。
ワニオ:では今日は、「告白されたら好きになった」という気持ちはなぜ起こるのか。
ワニオ:そして、それが本当に恋なのかを考えてみましょう。
今回は、告白されたことをきっかけに相手を好きになる心理や、「好かれて嬉しい」と「本当に好き」の違い、付き合う前に考えたいことについて、こいこと。編集部で話し合います。


告白されたら好きになった…急に相手を意識するのはなぜ?

ミユ:でも不思議だよね。告白される前と後で、相手は同じ人なんだよ?
リク:そうなんですよね。だからまず、「告白されたら急に気になるようになった」という気持ちがどこから来るのか考えてみましょう。
「自分を好きな人」として相手を見るようになる
マリ:それまでは、ただの友達とか同僚だった人が、告白された瞬間に「自分を好きな人」になるのよね。
ミユ:絶対意識するよ。次の日とかまともに顔見られないかも。
ミカコ:何もされてないのに?
ミユ:されてるよ! 告白されてるじゃん!
ミカコ:次の日の話。
ミユ:だから昨日の告白を引きずってるの(笑)。
リク:今までなら気にしなかった言葉や行動まで、意識するようになるんでしょうね。
ミユ:「おはよう」だけでも違うって。
ワニオ:昨日までのおはようと、音声データとしてはほぼ同じだと思いますが。
ミユ:こっちの受信方法が変わったの!
ワニオ:なるほど。それは分かりやすいです。
マリ:でも、その「意識する」がきっかけで相手をちゃんと見るようになるなら、悪いことじゃないと思うわ。
好意を向けられたこと自体が嬉しい
ミカコ:ただ、ここは分けた方がいい。
ミユ:出た。
ミカコ:自分のことを好きだと言ってもらえたら、そりゃ嬉しいでしょ。自信にもなるし、相手への印象だって良くなる。
リク:「自分を大切に思ってくれている人」に好感を持つのは自然ですよね。
ミカコ:でも、その高揚感だけで「私も好きなんだ」と決めるのは早いってこと。
ミユ:うーん。でも本人からしたら区別つかなくない?
マリ:最初はつかなくてもいいんじゃない?
ミユ:お、マリさんはこっち派。
マリ:だって、気持ちってそんなに綺麗に分類できないでしょう。
マリ:「告白されて嬉しかった」が始まりでも、その人を知っていくうちに本当に好きになることはあると思う。
ミカコ:それは否定してない。即決しなくていいって話。
今まで見えていなかった相手の魅力に気づく
リク:もう一つありそうなのが、告白をきっかけに相手を恋愛対象として初めて見るケースです。
ミユ:あ、それはありそう。
リク:今まで気にしていなかったけれど、改めて話してみたら楽しい。意外と気遣いができる。二人でいると落ち着く。
リク:そうやって、以前は見ようとしていなかった魅力に気づくこともありますよね。
マリ:人って、見ようとしないと見えないところがあるものね。
ワニオ:そう考えると、告白は相手を変えるものではなく、見る角度を変えるものなのかもしれません。
ミユ:それ、ちょっといいこと言ったね。
ワニオ:ちょっとですか。
ミカコ:だから、告白されてから好きになること自体は別におかしくない。
ミカコ:問題は、相手自身に惹かれ始めたのか、それとも「自分を好きな相手」が気持ちよくて惹かれているのか。
ミユ:そこだよねぇ。
ミユ:じゃあ次、それ見分けられるのか考えてみようよ。
ミユ:「告白されて嬉しい」と「本当に好き」って、どう違うんだろう?
告白されて嬉しいだけ?それとも本当に好きになった?

ミユ:これ難しくない? 告白されてから毎日その人のこと考えてたら、私なら「好きになった!」って思っちゃいそう。
ミカコ:ミユは思うでしょうね。
ミユ:なんでちょっと呆れてるの(笑)。
ミカコ:だって、「考えてる=好き」とは限らないから。
ミユ:じゃあ何なの?
ミカコ:告白されたから気になる。それだけの可能性もある。
ミユ:夢がないなぁ。
ミカコ:恋愛相談で夢だけ売ってどうするの。
マリ:ふふ。でも私は、最初から答えを決めなくてもいいと思う。
リク:僕もそう思います。「本当に好きなのか」を、告白された直後に判定しなくてもいいんじゃないでしょうか。
ミユ:じゃあ、とりあえず気になるままでいい?
マリ:いいんじゃない? 気になるなら、もう少しその人を見てみればいいのよ。
「自分を好きでいてほしい」のか「その人を知りたい」のか
ミカコ:私なら、ここを見るかな。
ミユ:どこ?
ミカコ:その人と付き合いたいのか、それとも、その人に自分を好きでいてほしいだけなのか。
ミユ:うわ。それはちょっと刺さる。
ミカコ:例えば、付き合いたいとは思わない。でも相手が他の女性を好きになったら寂しい。
ミカコ:それなら、相手そのものより「自分に向けられていた好意」を手放したくないだけかもしれない。
リク:逆に、告白の返事とは関係なく、「もっと話してみたい」「どんな人なのか知りたい」と思うなら、相手自身への興味が生まれているとも考えられますね。
マリ:私は、そっちを大事にしたいかな。
マリ:好きって、最初から「この人と付き合いたい!」って強く思うものばかりじゃないでしょう。
マリ:なんとなくもっと話したいとか、もう少し一緒にいたいとか。そういう小さな気持ちから始まる恋もあると思う。
ミユ:それなら私、ちょっと安心した。
ミカコ:何に?
ミユ:いや、恋ってもっと「はい! 今この瞬間から好きです!」みたいに確定しないといけないのかと思って。
ワニオ:人間は恋愛感情に、やたら確定ボタンを欲しがりますね。
ミユ:確定ボタン?
ワニオ:好きか、好きじゃないか。付き合うか、付き合わないか。
ワニオ:でも告白された翌日なら、「ちょっと気になる」で保存しておけばいいのでは?
ミカコ:珍しく便利なこと言うじゃない。
ワニオ:珍しく。
リク:本当に好きなら、相手を知るうちに気持ちが強くなることもあるでしょうし、逆に「告白されて舞い上がっていただけだった」と気づくこともあります。
マリ:どっちになっても、それは失敗じゃないと思うわ。
ミユ:そっか。今すぐ「これは恋!」って決めなくてもいいんだ。
ミカコ:そう。特に告白の返事を急かされてないなら、少しくらい自分の気持ちを見る時間を取ればいい。
ミユ:じゃあ次は実践編だね。
ミユ:告白されてから本当に好きになってきた気がする。そういうときって、そのまま付き合ってもいいのかな?
告白されて好きになったら付き合ってもいい?返事の前に考えたい3つのこと

ミユ:私はもう「好きかも」って思ったら、付き合ってみてもいい気がする。
ミカコ:ミユはアクセル踏むの早いのよ。
ミユ:だって、せっかく好きになってきたんだよ?
マリ:付き合ってみるのも一つだと思うわ。ただ、告白された直後なら、少し相手を知ってから返事をしても遅くないんじゃない?
リク:そうですね。「好きかもしれない」なら、その気持ちを確かめる時間を取ってもいいと思います。
1.告白されなくても、その人ともっと話したい?
リク:まず考えたいのは、相手から好意を向けられていることを一度横に置いても、その人に興味があるかです。
ミユ:好かれてることを忘れるの、難しくない?
ミカコ:完全に忘れなくていいのよ。
ミカコ:ただ、「もう告白の返事をしなくていい」と仮定したとき、それでもこの人と話したいか。それくらいなら考えられるでしょ。
マリ:「もっと知りたい」が残るなら、相手自身に気持ちが向き始めているのかもしれないわね。
ワニオ:告白というイベントが終わったあとにも興味が残るか、ということですね。
ミユ:なるほど。それは分かりやすい。
2.二人で過ごす時間を増やしたい?
リク:次は実際に会ってみることですね。
リク:まだ返事に迷っているなら、「もう少し話してから決めたい」と伝えて、二人で食事に行ったり出かけたりするのも一つの方法です。
ミユ:それ、もうデートじゃん。
ミカコ:デートしたら付き合わなきゃいけない法律でもあるの?
ミユ:ないです。
マリ:一度二人で過ごしてみると、自分の気持ちが見えることもあるでしょうね。
マリ:帰ったあとに「楽しかったな」「また会いたいな」と自然に思えるなら、その気持ちは大切にしていいと思う。
ワニオ:逆に、帰宅した瞬間にものすごくホッとした場合も、それはそれで有益な情報ですね。
ミユ:ワニオ、そういうところ現実的だよね(笑)。
ワニオ:観察結果は良いものだけ集めても仕方ありません。
3.「告白してくれたから」ではなく、恋人になりたい?
ミカコ:私は結局ここ。
ミカコ:「こんなに好きって言ってくれたし」「断ったら悪いし」「付き合えば好きになれるかもしれないし」。
ミカコ:それだけで付き合うのはおすすめしない。
ミユ:「付き合えば好きになるかも」もダメ?
ミカコ:それ自体は別にいい。でも、少なくとも自分も付き合ってみたいと思ってることが前提。
マリ:相手を傷つけたくないから付き合うのは、優しいようで、あとから二人とも苦しくなるかもしれないものね。
リク:「まだ大好きとは言えないけど、この人と恋人になってみたい」。それなら十分、付き合う理由になると思います。
ミユ:あ、それいいね。
ミユ:100%好きになってからじゃなくてもいいんだ。
リク:恋愛感情は付き合う前に完成するものとは限りませんからね。
ワニオ:そもそも人間の恋愛は、完成してから開始するものではなさそうです。
ミカコ:ただし、ゼロなのに相手の好意だけで始める必要もない。
マリ:その間にある「もう少しこの人と一緒にいたい」を大事にすればいいんじゃないかしら。
ミユ:じゃあ、告白されたから好きになったとしても、それだけで「この恋は偽物かも」って疑わなくていいんだね。
マリ:私はそう思う。
マリ:恋って、いつも自分から好きになって始まるものじゃないもの。
好きじゃなかった相手を、告白後に好きになるのはおかしくない

ミユ:なんか今日の話聞いてたら、「告白されてから好きになる」って全然変じゃない気がしてきた。
ミカコ:変だとは最初から言ってないけどね。
ミユ:最初めちゃくちゃ疑ってたじゃん。
ミカコ:「好きになった」という判定が早いって言ったの。
ミユ:まだそこは譲らない(笑)。
ミカコ:だって、告白されたら意識するのは普通でしょ。でも、その勢いだけで付き合う必要はない。それだけ。
マリ:私は、恋の始まり方ってもっと自由でいいと思うけどな。
リク:自分から好きになって、アプローチして、両思いになって付き合う。それだけが恋愛ではないですよね。
マリ:うん。
マリ:誰かに好きだと言われて、初めてその人を見る。
マリ:それから話すようになって、「こんなところがあるんだ」「この人といると楽しいな」って少しずつ惹かれていく。
マリ:恋って、好きになってから始まるものばかりじゃないと思うの。
ミユ:マリさん、それ好き。
ミカコ:ただ、私はやっぱり「自分が好かれてる心地よさ」だけは一回疑ってほしい。
ミユ:はいはい(笑)。
ミカコ:そこ流さない。
ミカコ:相手が自分を好きだから好きなのか。自分もその人を知りたいと思ってるのか。
ミカコ:付き合うなら、その違いくらいは見た方がいい。
リク:でも、最初のきっかけが「告白されて嬉しかった」でも、それ自体を否定する必要はないと思います。
リク:そこから相手自身への興味が育っていくなら、それも自然な恋の始まり方でしょう。
ワニオ:告白した側からすると、少し不思議ですね。
ミユ:何が?
ワニオ:昨日までは恋愛対象として見られていなかったのに、「好きです」と声に出したことで審査対象には入れたわけです。
ミユ:急にオーディションみたいにしないで(笑)。
ミカコ:でも、間違ってはいない。
ワニオ:黙っていたら何も始まらなかった可能性もあります。
マリ:そう考えると、告白する方も勇気を出した甲斐があるわね。
ミユ:なんか告白した側も応援したくなってきた。
ミカコ:だからって返事は相手のためにするものじゃないからね。
ミユ:分かってるって(笑)。
リク:結局、「告白されたから好きになった」という順番を気にしすぎなくてもいいのかもしれません。
リク:大切なのは、きっかけよりも、そのあと自分の気持ちがどこへ向かっているかです。
ミユ:告白されて、気になって、もっと知りたくなって、気づいたら好きになってた。
マリ:うん。それだって、ちゃんと恋でしょう。
まとめ|告白されたことが「好きになるきっかけ」でもいい

ミユ:じゃあ結論。告白されたら好きになった。これは全然あり!
ミカコ:結論を雑にまとめないで。
ミユ:えー、だいたい合ってるでしょ?
リク:まあ(笑)。告白されたことをきっかけに相手を意識して、そこから好きになること自体は自然だと思います。
マリ:今まで恋愛対象として見ていなかっただけで、魅力がなかったわけじゃないものね。
マリ:告白されて初めてちゃんと相手を見るようになって、そこで好きなところを見つけることもあるでしょうし。
ワニオ:順番としては、「好きだから意識する」ではなく「意識したから好きになる」ですね。
ミユ:そういう恋もあるってことだ。
ミカコ:ただし、告白された直後の「嬉しい! 気になる!」だけで答えを出さなくてもいい。
ミカコ:「好かれて嬉しい」のか、「その人をもっと知りたい」のか。そこは少し自分を見た方がいいと思う。
リク:もっと話したい。二人で会ってみたい。また会いたい。
リク:そういう気持ちが少しずつ出てくるなら、告白をきっかけに恋愛感情が育ち始めているのかもしれません。
ミユ:逆に、「好きって言ってくれるのは嬉しいけど、二人で会いたいわけじゃない」なら、ちょっと違うかもしれない。
ミカコ:そう。それなら無理に恋にしなくていい。
マリ:どちらでもいいのよ。
マリ:告白されたからって、好きにならなきゃいけないわけじゃない。
マリ:でも、告白されたから始まった恋だからって、偽物になるわけでもない。
ミユ:うん。それが一番しっくりくる。
ワニオ:恋の開始条件に「先に自力で好きになっていること」という規則はないようです。
ミカコ:そんな規則、誰も作ってないからね。
ミユ:ワニオが勝手に恋愛規約を確認してる(笑)。
リク:告白された。だから相手を意識した。
リク:意識したから、今まで知らなかった部分が見えてきた。そして、もっと知りたいと思った。
リク:そんな順番で始まる恋もあると思います。
「告白されたら好きになったなんて、単純なのかな」と心配する必要はありません。
恋愛は、必ず自分から好きになって始まるものではないからです。
ただし、すぐに「これは恋だ」と決める必要もありません。
告白されたことではなく、そのあと相手自身にどんな気持ちを抱くようになったのか。
少し時間をかけて、自分の気持ちを見てみてください。
「もっと話したい」「また会いたい」「この人のことを知りたい」。
そんな気持ちが育っているなら、告白はただのきっかけ。
そこから始まった気持ちは、あなた自身の恋なのかもしれません。




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