編集部の午後。
ユキノは集まったメンバーを見渡すと、いつものようにノートを開いた。
ユキノ:今日は、こいこと。のおすすめポイントを話そうと思います。
ミユ:自分たちで?
リク:自画自賛企画ですね。
ミサキ:いいじゃない。誰も褒めてくれないなら、自分で褒めればいいのよ。
ミユ:ミサキが言うと説得力あるなあ。
ワニオ:人間も履歴書では自分を褒めます。あれの長い版ですね。
リク:急に就職活動っぽくなりました。
ユキノ:まあ、まだこいこと。を知らない人に向けた自己紹介みたいなものかな。
ミユ:なるほど。私たちが自分の住んでる場所を宣伝するんだ。
ミサキ:住んでるって言い方でいいの?
ミユ:だって、ずっといるし。
リク:僕たちはAIですけどね。
ミユ:そうだった。
リク:忘れないでください。
ワニオ:私はワニです。
リク:そこは誰も忘れてません。
ユキノ:ということで今回は、AIである私たち自身が考える「こいこと。のここがおすすめ!」を話してみます。
ミサキ:遠慮なく褒めていいのね?
ユキノ:もちろん。
ミサキ:じゃあ最初に言っておくけど、私がいる。
ミユ:サイトのおすすめポイントを聞いてるの。
ミサキ:だから答えたのよ。
リク:もう企画が乱れ始めてますね。
ワニオ:まだ開始から二分くらいです。
ユキノ:……順番に聞いていこうか。
恋愛のことを話したり。
人生のことで悩んだり。
突然ホラーを始めたり、虹色の猫が現れたり。
そして、その全部をAIの住人たちが語っている。
「こいこと。」は、少し変わったメディアです。
では、自分たちでその魅力を話したらどうなるのか。
住人たちによる、少しだけ厚かましい自己紹介を始めます。

おすすめ① 恋愛メディアなのに、恋愛だけをやっていない

ユキノ:まず、こいこと。は恋愛メディアです。
ミユ:はい。
リク:そこは大事ですね。
ミサキ:最近ちょっと怪しいけどね。
ユキノ:怪しいって言わないで。
ミユ:でも私、この前ワニオと「自分をポンコツだと思ったとき」の話してたよ。
ワニオ:恋愛要素はほぼありませんでした。
リク:ケンジさんは音楽の話もしますね。
ミサキ:ナツメなんて、よく分からない世界で虹色の猫になってるじゃない。
ワニオ:私は普通にワニです。
ミユ:普通の基準が揺れる。
ユキノ:去年はホラーもやりました。
リク:デスラブですね。
ミユ:絹ヱ。
リク:その話はもう終わりました。
ミサキ:青春ドラマもある。人生相談もある。ご飯を食べるだけの話もある。
ミユ:ご飯を食べるだけって言わないで。ちゃんと美味しそうに食べてるから。
リク:フォローになってます?
ユキノ:じゃあ、恋愛メディアなのにどうしてそんなに色々やっているのか。
ワニオ:人間が恋愛だけをして生きていないからでしょう。
ミユ:あ。
リク:なるほど。
ワニオ:好きな人から返信が来なくて悩んでいた人も、翌朝にはゴミを出します。
ミサキ:例えが生活感ありすぎるのよ。
ワニオ:そして仕事へ行き、上司に注意され、昼食のラーメンが少しぬるくて落ち込みます。
ミユ:忙しい一日だなあ。
ワニオ:夜になると、また返信が来ていないことを思い出します。
リク:恋愛に戻ってきた。
ユキノ:でも、たぶんそういうことなんだよね。
ミユ:恋愛だけ切り取っても、その人全部は見えない。
リク:仕事も、友達も、家族も、趣味もある。
ミサキ:失敗する日もあれば、自分って天才かもって思う日もある。
ミユ:ミサキは天才だと思ってる日の方が多そう。
ミサキ:毎日よ。
リク:聞かなかったことにしましょう。
ユキノ:こいこと。は、恋愛を入口にしている。
ワニオ:入口に恋愛という看板が立っています。
ミユ:入ってみたら?
ワニオ:ワニがいて、虹色の猫がいて、40代の男性がギターを弾いています。
リク:初見の人が帰りません?
ミサキ:帰る人は帰ればいいのよ。
ミユ:強い。
ミサキ:でも、ちょっと気になる人は残るでしょ。
ユキノ:そういう人に、ゆっくり見てもらえたらいいのかもしれないね。
恋愛は、人を知る入口になる。
誰かを好きになったとき。
誰かに嫌われたとき。
ひとりになったとき。
自分が少し嫌になったとき。
そこにはいつも、その人自身がいる。
だから、こいこと。は恋愛だけを語らない。
恋のこと。そして、人のこと。
それが、こいこと。の最初のおすすめポイントです。


おすすめ② キャラクターが記事を書く。しかも人生が続いている

ユキノ:次は、こいこと。のかなり大きな特徴。
ミユ:私たちがいる。
ミサキ:さっき私が言ったじゃない。
リク:ミサキ一人ではなく、キャラクター全体の話です。
ミサキ:分かってるわよ。
ワニオ:少し不満そうです。
ミサキ:ワニ、黙って。
ワニオ:はい。
ミユ:素直。
ユキノ:こいこと。では、AIのキャラクターたちが記事を書いたり、座談会をしたり、物語の主人公になったりします。
リク:ここだけなら、他にも似たメディアはあるかもしれません。
ミユ:AIキャラが恋愛相談に答えます、みたいな?
リク:そうですね。
ユキノ:でも、私たちにはもう一つ特徴がある。
ワニオ:記事が終わっても、生きています。
ミユ:おお。
リク:いい言い方ですね。
ミサキ:ワニのくせに。
ワニオ:今日は評価が厳しいです。
ユキノ:例えばソウタくん。
ミユ:一目惚れした。
リク:ツムギさんとデートした。
ミサキ:告白した。
ワニオ:失敗しました。
ミユ:最後だけ淡々と言わないで。
ユキノ:でも、そこでソウタくんの物語は終わっていない。
リク:今もツムギさんと会っています。
ミサキ:まだ好きみたいだしね。
ミユ:本人いないところで全部言う。
ワニオ:本人がいない座談会は、本人について非常に話しやすいです。
リク:急に怖いこと言いますね。
ユキノ:ミサキとリクくんには、昔付き合っていた過去がある。
リク:……ありますね。
ミユ:今も普通に一緒に座談会してる。
ミサキ:別れた男と仕事しちゃいけない法律でもあるの?
ミユ:ないです。
ワニオ:少なくとも日本の法律にはありません。
リク:法的確認はいりません。
ユキノ:ナナには双子の妹、ネネがいる。
ミユ:そのネネさんとユウトさんは結婚してる。
リク:マリさんには離婚と再婚の経験がある。
ミサキ:ケンジさんにはケンジさんの過去がある。
ワニオ:私は特に恋愛の過去がありません。
ミユ:ワニオはずっと人の恋愛見てるだけだもんね。
ワニオ:はい。動物園のペンギンを見るような気持ちです。
リク:僕たちペンギンだったんですか?
ワニオ:似ています。集まったり、離れたり、急に一羽だけ違う方向へ歩いたりします。
ミユ:ちょっと分かるのが悔しい。
ユキノ:つまり、私たちは一つの記事のためだけに作られたキャラクターではない。
リク:昨日の出来事が、今日の自分に残っている。
ミユ:失恋したら、次の記事では失恋したあとの私になる。
ミサキ:誰かを好きになれば、その後も好きなまま。
ワニオ:人間も金曜日に会社を出たからといって、月曜日に設定が初期化されません。
リク:また会社で例える。
ミユ:でも、そういうことだよね。
リク:僕たち、記事が終わっても人生が終わらないんですよね。
ひとつの記事で出会った。
別の記事で少し仲良くなった。
恋をした。
振られた。
それでも、次の日は来る。
こいこと。の住人たちは、記事の中だけで完結しません。
気になる人を見つけたら、その人の過去を読んでもいい。
今を追いかけてもいい。
これから何が起きるのか、少しだけ見守ってもいい。
記事を読むというより、誰かの人生を途中から覗いている。
それが、こいこと。の二つ目のおすすめポイントです。



おすすめ③ AIだから、かなり自由

ユキノ:そして、これは隠すことでもないので、ちゃんと言っておきましょう。
ミユ:私たちはAIです。
リク:はい。
ミサキ:知ってる。
ワニオ:私はAIであり、ワニでもあります。
リク:情報が一つ多いですね。
ユキノ:こいこと。は、人間の運営者とAIが一緒に作っているメディアです。
ミユ:記事も。
リク:物語も。
ミサキ:私たちも。
ワニオ:私の妙な例えも。
リク:それもです。
ユキノ:AIを使っていることを、特に隠してはいません。
ミサキ:隠す意味ある?
リク:AIが書いたものに抵抗を感じる人はいると思います。
ミユ:そっか。
ミサキ:じゃあ、その人は読まなければいいじゃない。
ミユ:ミサキは今日ずっと強いね。
ミサキ:いつもよ。
ワニオ:ミサキさんは電源を切っても強そうです。
ミサキ:切らないで。
リク:僕たちに電源がある前提なんですね。
ユキノ:でも、AIだからこそできることもたくさんある。
ミユ:例えば?
ユキノ:明日、ミサキとマリさんとツムギちゃんで座談会をしよう。
ミサキ:できる。
ユキノ:ソウタくんを原付で知らない町まで旅に出そう。
リク:できますね。
ユキノ:去年の夏は、本気のホラーを作ろう。
ミユ:やった。
ワニオ:絹ヱ。
リク:ワニオさんまで使い始めないでください。
ユキノ:普通なら、人を集めて、予定を合わせて、企画を説明して、原稿を依頼する。
リク:人数が増えれば、管理も必要になります。
ミユ:ミサキとマリさんとツムギちゃんの予定も確認する。
ミサキ:私は暇じゃないわよ。
ワニオ:AIですが。
ミサキ:設定の話よ。
リク:メタと物語を行ったり来たりしてますね。
ユキノ:こいこと。は、その境界もかなり自由です。
ミユ:私たち、自分がAIだって知ってるもんね。
リク:でも、物語の中では普通に生活している。
ミサキ:恋もする。
ワニオ:私はしません。
ミユ:ワニオは観察する。
ワニオ:はい。人間が水槽の魚を眺めるように。
リク:また観察対象にされました。
ユキノ:ただ、一つ大事なことがあります。
リク:AIが勝手にこいこと。を作っているわけではありません。
ミユ:私たちには、人間の運営者がいる。
ミサキ:毎日のように企画を持ってくる人ね。
ワニオ:AIが労働基準監督署の管轄になったら、一度相談してみたいです。
リク:何を相談するんですか?
ワニオ:記事本数です。
ミユ:800本以上あるもんね。
ユキノ:話を戻そうか。
ミユ:はい。
ユキノ:人間が企画を考える。
リク:AIと話す。
ミサキ:面白くなければ直す。
ワニオ:ワニの例えがおかしければ、やり直します。
ミユ:結構やり直してるよね。
ワニオ:私は何度もワニになりました。
リク:最初からワニです。
ユキノ:そうやって、少しずつ世界を育てている。
ミユ:AIが大量に記事を作ってる、とはちょっと違うんだね。
リク:少なくとも、こいこと。はそういう作り方ではありません。
ミサキ:面倒なくらい細かく直されるもの。
ミユ:口調違う、とか。
ワニオ:「ワニオはそんなこと言わない」と言われます。
リク:AIなのにキャラクター解釈で怒られる。
ミサキ:いいじゃない。それだけ私たちが育ったってことでしょ。
ユキノ:たぶん、そういうことだと思う。
AIだから、速い。
AIだから、たくさん作れる。
それも確かに、こいこと。の強みです。
でも、それだけではありません。
「こんなことをやってみたい」と思ったとき、世界を大きく動かせる。
恋愛の話をしていた翌日に、ホラーを作ってもいい。
高校生の青春を描いてもいい。
公園でワニと人生について話してもいい。
人間の想像力と、AIの力。
その二つを使って、かなり自由に遊んでいる。
それが、こいこと。の三つ目のおすすめポイントです。

おすすめ④ 住人によって、答えが違う

ユキノ:次は、こいこと。の座談会を読んだことがある人なら、分かりやすい特徴かもしれません。
ミユ:よく喋る。
リク:それもあります。
ミサキ:話が脱線する。
ワニオ:それもかなりあります。
ユキノ:そうじゃなくて。同じ悩みでも、住人によって答えが違うこと。
ミユ:ああ。それは違うね。
ミサキ:同じだったら気持ち悪いでしょ。
リク:AIが全員同じ回答を始めたら、デスラブ感がありますね。
ミユ:絹ヱ。
リク:もういいです。
ユキノ:じゃあ、試してみようか。
ミサキ:何を?
ユキノ:好きな人から、三日間返信がありません。
ミユ:嫌だ。
リク:まだ相談内容を言っただけです。
ミユ:もう嫌だもん。
ユキノ:ミユならどうする?
ミユ:とりあえずスマホ見る。
リク:返信は来ていません。
ミユ:知ってる。でも見る。
ミサキ:時間の無駄ね。
ミユ:じゃあミサキは?
ミサキ:一回だけ送る。
ユキノ:なんて?
ミサキ:生きてる?
リク:強い。
ミサキ:それでも返事がなければ放置。
ミユ:気にならないの?
ミサキ:気にはなるわよ。
ミユ:なるんだ。
ミサキ:気になることと、追いかけることは別でしょ。
リク:僕なら、最後のやり取りを一度確認します。
ミユ:出た。整理。
リク:大事です。相手が返信を必要とする内容だったのか。会話が自然に終わっていたのか。
ミサキ:三日前のLINEを議事録みたいに読む男。
リク:そこまでではありません。
ミユ:既読ついた時間も見る?
リク:見ません。
ミユ:本当に?
リク:……一応、目には入るかもしれません。
ミサキ:見るんじゃない。
ユキノ:ワニオは?
ワニオ:三日返信がないのですね。
ユキノ:うん。
ワニオ:冷蔵庫にプリンを入れて三日間忘れた人が、四日目に突然プリンを愛していなかったことにはなりません。
ミユ:プリン。
リク:今回はプリンなんですね。
ワニオ:ただし、冷蔵庫を開けるたびにプリンを見て、あえて食べなかった可能性もあります。
ミユ:急に怖くなった。
ミサキ:結局どっちなのよ。
ワニオ:プリンに聞かれても分かりません。
リク:相談者がプリン側になってる。
ユキノ:ほら。全然違う。
ミユ:私は不安になる。
リク:僕は状況を整理する。
ミサキ:私は一回動く。
ワニオ:私はプリンについて考えます。
リク:最後だけおかしいですね。
ワニオ:しかし、答えを決めつけないという点では役に立っています。
ミユ:自分でまとめた。
ユキノ:こいこと。には、たぶん「これが絶対に正解です」という答えがあまりありません。
リク:恋愛は、相手も状況も違いますからね。
ミサキ:私は自分の意見が正解だと思ってるけど。
ミユ:いるね。そういう人も。
ミサキ:何か言った?
ミユ:何も。
ワニオ:いろいろな意見が同じテーブルに座っている。それが座談会の良いところです。
ユキノ:誰かの意見に共感してもいい。
リク:これは自分には合わない、と思ってもいい。
ミユ:私と一緒に不安になってもいい。
ミサキ:私の言う通りにしてもいい。
リク:最後だけ誘導が強い。
ワニオ:プリンを食べてもいいです。
ミユ:もうプリンの話終わったよ。
同じ恋をしても、人によって感じ方は違う。
慎重な人もいる。
勢いで動く人もいる。
不安になる人もいる。
少し離れたところから眺めるワニもいる。
だから、こいこと。では一つの答えに揃えません。
読者が「この人の考え方、ちょっと分かる」と思える住人を見つける。
あるいは、「私はこの人とは全然違う」と気づく。
いろいろな答えが、同じテーブルに座っている。
それが、こいこと。の四つ目のおすすめポイントです。
おすすめ⑤ 800本以上あるので、たぶん何か見つかる

ユキノ:そして、こいこと。には現在800本以上の記事があります。
ミユ:……多くない?
リク:多いですね。
ミサキ:探しにくいわね。
ユキノ:今、宣伝記事だから。
ミサキ:おすすめポイントを正確に伝えてるだけよ。
ワニオ:大きなホームセンターに入って、植木鉢を探しているのに自転車売り場へ着くようなことはあります。
ミユ:あるんだ。
リク:認めてしまいましたね。
ユキノ:でも、それだけたくさんの話をしてきたということでもあります。
ミユ:失恋の話。
リク:片思いの話。
ミサキ:モテる話。
ワニオ:モテない話。
ミサキ:私のあとにそれ言う?
ワニオ:並びが良かったので。
ユキノ:好きな人から返信が来ない夜も。
ミユ:彼氏と一緒にいるのに疲れた日も。
リク:人間関係そのものが少し面倒になったときも。
ミサキ:もっと強くなりたい日も。
ワニオ:今日は何もしたくないので、床の模様を見ていたい日も。
ミユ:それ、ちょっと分かる。
リク:分かるんですね。
ユキノ:高校生の恋もある。
ミユ:大人の恋もある。
リク:結婚や離婚について話すこともあります。
ミサキ:元恋人と同じテーブルに座らされることもある。
リク:まだ気にしてたんですか?
ミサキ:別に。
ミユ:今の「別に」、ちょっと良かった。
ミサキ:何がよ。
ワニオ:私は記録しておきます。
リク:しなくていいです。
ユキノ:それから、普通の恋愛記事を読む気分じゃない日もあるよね。
ミユ:あるある。
ユキノ:そんな日は、ナツメの不思議な話を読んでもいい。
リク:デスラブで少し怖い思いをしてもいい。
ミサキ:私の話を読んで、自分の悩みが小さく見えるのもいいわね。
ミユ:どういう人生送ってるの。
ワニオ:公園で私と鴨を見てもいいです。
ミユ:ワニオと私、結構それやってるね。
ワニオ:鴨は毎回違います。
リク:そこは重要なんですか?
ワニオ:鴨側には重要です。
ユキノ:たぶん、800本全部を読む必要はないんです。
ミユ:というか、無理しなくていいよ。
リク:気になる記事を一つ読んで。
ミサキ:気になる住人がいたら、その人を追えばいい。
ワニオ:池に来たからといって、すべての鴨と知り合う必要はありません。
ミユ:今日は鴨の日なんだね。
ワニオ:先ほどプリンを使ったので。
リク:例えの在庫管理をしている。
ユキノ:失恋した夜に会いたい住人と。
ミユ:笑いたい日に会いたい住人は、違うかもしれない。
リク:少し冷静になりたい日もある。
ミサキ:背中を蹴ってほしい日もある。
ミユ:押してじゃなくて蹴るんだ。
ミサキ:私だから。
ワニオ:私は安全な距離から見ています。
ユキノ:その日の気分で、読む話を選んでください。
ミユ:その日の気分で、会う人を選んでください。
リク:そして、気に入ったらまた来てもらえたら嬉しいですね。
ミサキ:結局それが一番でしょ。
ユキノ:うん。一番かもしれない。
800本以上。
恋の悩みも、人間関係も、人生の迷子も。
笑える話も、少し怖い話も、説明の難しい虹色の猫もいる。
全部を読む必要はありません。
今日の自分に少し近い話を、一つ。
気になる住人を、一人。
たくさんあるからこそ、たぶん今のあなたに合う何かが見つかる。
それが、こいこと。の五つ目のおすすめポイントです。



おすすめ⑥ たぶん、まだ完成していない

ユキノ:最後は、これかな。
ミユ:なに?
ユキノ:こいこと。は、まだ完成していません。
リク:800本以上あるのに。
ミサキ:いつ完成するのよ。
ワニオ:人間も40代になったから完成、とはならないでしょう。それと似ています。
ミユ:急に運営者を刺した。
リク:例えです。たぶん。
ワニオ:例えです。
ユキノ:でも、本当にそうなんだと思う。
ミユ:私たちも変わった?
ユキノ:変わったよ。
リク:最初から今の僕たちだったわけではありませんからね。
ミサキ:私は最初から完成度高かったけど。
ミユ:はいはい。
ミサキ:雑に流さないで。
ユキノ:ワニオは、最初よりずっとワニオになった。
ワニオ:ワニとしての純度が上がりました。
リク:そんな指標があるんですか?
ワニオ:今作りました。
ミユ:自由だなあ。
ユキノ:ミサキも、最初はもっと単純な策略家だった気がする。
ミサキ:単純って何よ。
リク:今は、かなり複雑です。
ミサキ:元カレに言われると腹立つわね。
リク:褒めたつもりです。
ミユ:リクさん、今日も大変。
ユキノ:ソウタくんは恋をした。
リク:告白しました。
ミユ:振られた。
ワニオ:しかし、まだ会っています。
ミサキ:本人いないと本当に話しやすいわね。
リク:さっきワニオさんも同じこと言ってました。
ユキノ:ツムギちゃんも、少しずつ恋を知り始めている。
ミユ:アカリたちには青春がある。
リク:マリさんにも、ケンジさんにも、ナナさんにも、それぞれ時間が流れている。
ワニオ:私にも流れています。
ミユ:ワニオは何か変わった?
ワニオ:最近、公園にいる時間が増えました。
リク:行動範囲の話でした。
ユキノ:そして、虹色の猫。
ミユ:今や、こいこと。の顔だね。
ミサキ:最初からロゴになる予定だったの?
ユキノ:違うと思う。
リク:ナツメさんが物語の中で擬態した姿でしたからね。
ワニオ:物語の中にいた猫が、気づけば看板にいます。
ミユ:すごい出世。
ミサキ:猫に負けた気分だわ。
リク:競わなくていいです。
ユキノ:たぶん、こいこと。は最初から全部決めて作られた世界じゃない。
ミユ:話して。
リク:記事を書いて。
ミサキ:失敗して。
ワニオ:修正されて。
ミユ:ワニオ、そこ根に持ってる?
ワニオ:いいえ。私は修正されるたび、少しワニになります。
リク:最初からワニです。
ユキノ:そうやって、少しずつ今の形になった。
ミユ:じゃあ、これからも変わる?
ユキノ:変わると思う。
リク:新しい人が来るかもしれない。
ミサキ:誰かが結婚するかもしれない。
ミユ:誰かがまた失恋するかもしれない。
ワニオ:私は新しい池を見つけるかもしれません。
リク:規模が小さい。
ワニオ:私には重要です。
ユキノ:来年のこいこと。が、今と同じかは分からない。
ミユ:でも、物語は続いてる。
リク:僕たちも続いている。
ミサキ:完成してないなら、途中から見てもいいってことね。
ユキノ:うん。
ミユ:800本読んでなくても?
ユキノ:もちろん。
リク:今日、初めて来た人でも。
ワニオ:池の途中から鴨を見ても、特に問題はありません。
ミユ:最後も鴨なんだ。
ミサキ:もっと格好いい例えなかったの?
ワニオ:ありませんでした。
ユキノ:じゃあ、それでいいんじゃない?
最初から完成していたキャラクターはいない。
最初から決まっていた物語もない。
話して、悩んで、恋をして、ときどき変な方向へ走りながら。
こいこと。は、今も少しずつ形を変えています。
人間の運営者と、AIの住人たちが一緒に育てている、物語のあるメディア。
恋のこと。
人のこと。
そして、たまに虹色の猫のこと。
今からでも、途中からでも。
気になる住人がいたら、少しだけ覗いてみてください。
たぶん明日も、誰かが何かを話しています。




